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宇津木じゃむ

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◆本編◆

episode.5 逃れられぬ悪夢

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リィフルは、あの蒼い蝶を眺めてはレーヴェの姿や声を聞いて考え事をしていた。


それは、“何処かで”聞いたような。

それは、“何処かで”見たような。


(初対面、だよね……?)

(でも、なんで……こんなにモヤモヤ、するの?)

「リィ、どうしたん?」

「ぁ、ゼン……う、ううん!何でもないっ」

「それにしても、エエなっ!良いタイミングやったで、カルロ!」

「おう、当たり前やろ?」


ゼンがカルロと話をするために、リィフルから離れるとリィフルは少しだけ安心していた。

だが、何故“安心した”のかは分からない。
それでも、ゼンやカルロには知られたらいけないと何処かで思っていたのかもしれない。


「んで、リィフルちゃん?これから、どうするん?」

「それなんだけど、ね?“共和国”に、行こうかなって思ってるの」

「「“共和国”?」」

「うんっ」


あの襲撃された村の村長はリィフルの育ての親でもあって、リィフルに“何かあ)ば、共和国の領主様に助力を貰いに行くのだ”と生前に言われていた。

まさか、こんな事が起きて“共和国”に行く事になるなんて思わなかった。


「おじいちゃんの話だと、“共和国”の領主様に助力を貰えって言われていたから……会えば、何か分かるかと思ってっ!」

「んじゃ、目的は決まったもんやな!」

「なら、俺は船の手配をしてくるで?早いうちに、予約しないとアカンし」


リィフル達の話を聞いていたのか、一羽の蒼い蝶が空高くへと飛んでは飛散して消えていく。


リィフル達から結構離れた町を見渡せる丘に、蒼い蝶の群れが集まり人の形となるとレーヴェの姿へと変わっていく。


“おかえりー、レーヴェ!”


レーヴェの目の前には、芝生に座る金色の大きな狼が律儀に座って待っていて尻尾を激しく振っているため、レーヴェは軽く笑っては優しく微笑む。


「珍しいな、大人しく待っているなんて?」

“いやー、本当は暴れたかった!レーヴェだけで、遊ぶって言うから……乱入はアカンと思って……?”

「少しだけ、確認をしたかったんや」

“確認??”


金色の大きな狼は首を傾げては、レーヴェからの説明をちゃんと耳を傾けて聞いていた。


「………“世界補正”、や」


“世界補正”。

それは、決められた運命を狂わせないための意味合いをもっている。

レーヴェが突然として、あの場でリィフルを殺そうと試したのだが一瞬だけ“違和感”を感じた瞬間に目の前にはゼンが立ち塞がっていた。

それは、“今すぐ、リィフルを殺すのは赦されない”という事だ。


「………色々と、調査や“小細工”が必要ってわけだ」

“なんだー、一筋縄ではいかないってか??面倒臭いなー、それって”

「まぁ、“今すぐは、いけない”なら……それは、致し方ないだろうな……」

“んで、これから……どうするよ?”

「“彼女ら”の行き先は、立ち聞きしてある……セシリアと合流するためと、先回りをして色々と確認がしたい」

“オーケー、オーケー!んで、その行き先は?”

「“共和国”だ」






一方、その頃のセシリアは情報を得るために“共和国”へと出向いていた。
だが、色々と勘が鋭いセシリアは“共和国”の“裏”に気づいていた。


「ふふっ、どの世界にも……こういう輩が居るのですねぇ……せんせぃが、キレそうですわ」

「本当、キレそうだね~……センセイなら」


セシリアの後ろには、若葉色の髪色に黒いリボンで束ねたロングツインテールで、少しツリ目にややパッチリ目をした金朱の瞳をして、紅いゴスロリな服で女装した少年が立っていた。


「あらん?来たんですねぇ、ロディさん?」

「そりゃー、ねぇ?大好きなセンセイの為にも、活躍しないといけないじゃん?」

「ふふっ、どうせヴェニタスさんも来ているでしょう?」

「んー、来てるよ?アイツなりの“情報収集”をしているみたいだけどねぇ~」


ロディは懐から一枚の手紙をセシリアに手渡すと、その場を軽く回転してから不敵な笑みをセシリアに向ける。


「それ、ヴェニタスの旦那から“愛しい人”に渡してって頼まれんだよねぇ」

「ふふっ、………女遊びが激しいんですから」

「えー、それはセンセイの為の活動だよ~?」


ロディが路地裏へと走っては闇に紛れて消え去り、セシリアは軽く息を吐いては手渡された手紙を確認してから大きな屋敷を見つめる。


「………潰すべき、かしらねぇ……何やら、キナ臭いというかキツめの香水が匂ってくるのよねぇ……これは、せんせぃに教えないといけないわ」

(どうやら、この共和国の領主は別の場所に監禁されているみたいね)

「さて、港の方に行ってせんせぃと合流しないといけないわね」


セシリアは軽く微笑んでは、その場を歩いて港側へと歩みを進める。

ロディから手渡された手紙には、“領主、監禁状態、生命の危機も有り”という不吉な内容を記されていた。


(今なら、まだ間に合う筈だわ)

(せんせぃの“あの力”なら、きっと……領主の命は助けられる筈だもの)


丁度その頃に、レーヴェとゼノスは港へと辿り着いてセシリアを見つけては合流する事になった。
その際、セシリアは“手紙”をレーヴェに手渡していた。





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