報われない私は、窓から落ちて夢を見た。

シュノ

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旅の途中。

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「マリア、ちゃんと歩ける?」

「大丈夫よ」

「あまり心配すぎると、ウザがられるだろ」

日のまだ高い時間帯、正午過ぎくらいだろうか。
ローブと鎧と、簡素なRPGの初期装備のような見た目に身を包んで、
サラ、ティル、私の一行は馬車を引いて道沿いに歩みを
進めていた。初め、サラは馬車の荷台に乗っていてもいいと
言われたのだけど酔いに弱い気がしたのでそれは断ったのだ。

マリアではない自分は何者なのか、よく思い出せないはずなのに何故か
この世界はとても居心地がいいように感じて、
少しずつ溶け込んでいっているのがよくわかる。

マリアではない、だがマリアになろうとしている自分に。

「まず目指すのは、トーランド港町。
この国で一番の交易をしている大きな港町ね。
そこから船に乗れば、大陸を渡っていくことができる。
行き先はそこでまた決めましょう」

「まずは南だ、一昨年の戦争ではそこに1番の相手国がいた」

「まだ復興しきれていないと聞いたこともあるしね…
無理もないわ、戦争後間も無くしてのあの大地震じゃ」

「天災には人間様は叶わないってことだな。なあマリア」

「え?ああ、そうね、あったわ…(わからないけど)」

「天災といえば大地震、大雨、色々あるけど
どれも防ぎようのないものばかりだわ。
日頃の蓄えである程度の貯蓄はできても、いざとなれば
それの奪い合い。人間の生存本能はみんな一緒ね」

「俺たちも他人事じゃない。
明日もしかしたら、本国直下の大地震が来ても何もおかしくはないんだ」

「あまり心配しすぎても、杞憂ってこと」

「言葉をよく知るお嬢さんだことで」

「本国の王子様には負けてられないですよって」

「はん、言えてるな」

ティルは本国の王子、そして私マリアは王女。
だとすればサラは何かしら王族なのか?ただ口振りがすると
王族ではないようにも感じる。サラの身なりも、
私とティルに比べてみれば簡易なもので、
腰に刺したフルーツを切るくらいのナイフも、
若干錆び付いてるのが見て取れる。

対してティルは、王国の兵士が持っているような
見てくれは綺麗な剣を携えている。
私の背には弓、そして十分な量の矢。
重みはあまり感じてなかったが、歩いていると
それなりに堪えるのでやはり荷台に乗せてもらっていた方が
懸命だったのかもしれない。

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