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目覚め

捨て子の聖女

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「私に家族はいましたか?」
美琴は再び問う。

神官長は困った顔をして少し間を置いてから答えた。
「私にはよくわかりません。道に迷ったあなたの目の奥には不思議な光があったから___神殿に連れてきたまでです。」

なにか濁されたのは気のせいだろうか。
まぁいい、要するに捨て子ということであろう。

「私は捨てられたのですか…?」
身の回りのことだけでもはっきりさせておきたいので、一応聞いておく。

神官長は少し眉間に皺を寄せて言った。
「あなたはもう聖女です。過去の縁はきっ    ぱり忘れてください。」

(ん…?少し怒ってる…?)

「記憶を奪ったのも、過去の縁を断って生まれ変わり、聖女としての道を歩むための明確な神の意図だと思います。」

(えぇ…何もわかんないじゃん…)
どうやらこの人を問い詰めても無駄なようだ。美琴は別の手段を探すことにした。
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