宝珠の花嫁と償いの花婿 ――虐げられた乙女は哀傷した神に愛される――

花籠しずく

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第二章 小鳥

五 着物

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 桜燐様は、十日の間に二日や三日ほど、悪い夢に魘されているようでした。悪い夢には前触れがあるようで、どうやら、今日は悪い夢を見るのだと、彼は理解できるようでした。そんな日はわたくしが眠る前に声をかけると、袖を引いたり、縋るような目で見たりしてくるようになりましたので、わたくしは寝室を彼の部屋にうつしました。
 凛やうめさんは本当に良いのかと何度もわたくしに尋ねてきましたし、桜燐様もわたくしによく考えるように言ってきたのですが、もう何度か彼の隣で眠っていましたし、彼の腕の中で静かに目を閉じて、どこにあるか分からない彼の心臓の音に耳を澄ませていると、わたくしもよく眠れるのです。
 いずれは夫婦になるのですし、ただ隣で眠って身体を寄り添わせているだけで、心まで通じたような気持ちになるのですから、お互いの寂しさや不安をお互いで埋めてしまうほうが良いと思ったのでした。

 桜燐様は菫さんの失望の目を見てから彼女の元を訪れるのに悩んでいたようでしたが、わたくしが彼の前で着替えている間に、人は着物を複数用意するものなのだと思い出したようです。わたくしが輿入れの際に着せられていた着物しか持っていないのだと気が付くと、着物を仕立てるのはどうかと尋ねてきました。
 菫さんの家に行く理由が出来ましたね、と微笑みかけると、彼が恥ずかしそうに俯くのにいくらかの可愛らしさを覚えて、わたくしは思わず微笑みます。

「ですが良いのですか。あの呉服屋の着物は、安くはないと思うのですが」

 どうやら桜庭の者たちの働きやこの神社を信じる者たちのおかげで、わたくしたちは生活に苦労してはいませんが、具体的にどれくらいのお金があるのかはわたくしは知りません。また上質な着物を欲しいと強請ったこともありませんでしたので、着物の値段も知りませんでした。
 彼に大切にされているのではないか、愛されているのではないかと思うようになってはいましたが、生来の気質のため、自分のためにたくさんのお金や労力を使われることは、少々不安になるのです。わたくしがもう一度本当に良いのかと尋ねると、お金のことは気にしなくて良いと、彼は微笑むのでした。

「桜庭に魔を払う力が強い者がいてな。彼が力を籠めた刀があると、俺も魔を斬れるようになるのだ」
「お祓いをして、お金を儲けているのですか?」
「そういうことになるな」
「知りませんでした」

 俺の力ではないから、言わなかったのだ。そう彼は恥ずかしそうに笑いました。聞けば、弱い妖魔にも人の心は簡単に侵されてしまうのだそうです。桜燐様も、人の心に住み着いた魔を斬ることならば、桜庭の者が用意した刀があればできるのだとか。しかし強い力を持つあやかしを退治しなければならないとなった時は、その刀だけでは足りないようで、桜庭の者たちが中心となって退治するのだと、彼は言いました。

「それに、俺は元々金を使う質ではないのだ。八十年ほど金を貯めていたことになるからな、気にしなくて良い」
「で、でも、わたくしに使うのは勿体ないのではないでしょうか」

 わたくしの胸の内につかえていたことを口にすると、彼はわずかに目を見開きました。やがて何か腑に落ちたように、「そんなことはない」と言うのです。

「お前に綺麗に着飾ってほしいと思うのは、おかしなことだろうか」
「いえ、そういうわけではなく」
「ジュエリーは受け入れてくれただろう?」
「は、はい、それはもちろん嬉しかったので」
「着物は、嫌か」

 だんだん、桜燐様の声に揶揄っているような様子が混ざるようになってきました。わたくしがそれに頬を膨らませますと、彼はふふと笑って、わたくしを抱き寄せるのです。まだ襦袢を着たばかりだったのもあり、彼の細く骨ばった指が、着物越しに触れられるよりも近くて、わたくしの頬が熱くなるのを感じました。先ほどまで隣で眠っていたのに、これで恥ずかしがるなんておかしなことだと思い、わたくしが顔を逸らすと、頬に彼の唇が触れます。それはこの前の口づけよりも、愛のかたちに似ていました。
 わたくしがなんて言葉を紡ぐべきか迷い、金魚のようにはくはくと唇を動かしていると、今度は唇と唇が触れ合います。頬に寄せられた彼の片手は慈愛に満ちているのに、どこか焦りを帯びているもので、不思議でした。

「嫌ではなく、ただ、わたくしが、何かしてもらう価値がないと、思ってしまうのがくせで」
「俺はお前がいないとだめにしまったぞ」
「それはさすがに言い過ぎでしょう。ご冗談はおやめください」
「だが、俺がお前に支えられているのは本当だ」

 うぅ、と情けない声が出ました。あまりの恥ずかしさと照れくささで身体の力が抜けそうになりますが、彼の片手にしっかりと支えられています。こうしてひとに価値があると伝えられて、嫌な気持ちになるのではなく嬉しくなってしまうのは、わたくしが長いことそれをずっと望んでいたからなのでしょう。しかし嬉しさというのにも許容できる量があります。自分の中で噛みしめて、嚙み砕ける喜びよりもはるかに多い喜びでしたので、わたくしはかちこちに固まってしまいました。
 きっと街にいる女子ならば、うつくしい殿方に着物を買ってもらえるとなれば素直に喜ぶのでしょう。それを喜べないわたくしはきっと可愛らしい乙女ではありませんのに、桜燐様は楽しそうに笑って、再び唇を重ねてくるのでした。



 昼を過ぎて、わたくしと桜燐様は菫さんの元に向かいました。今日は着物を仕立てるという目的がありますので、雨宮の家が営む呉服屋に真っすぐに向かいます。桜燐様の顔を見ると、朝口づけされたことを思い出して顔が熱くなってしまうのですが、出かける先でそんな様子では、きっと話す人に怪しまれてしまいます。
 平静を装おうとするたびに今朝のことを思い出し、顔から湯気が出るようでしたが、彼はわたくしの様子に微笑むばかりでいたって普通でしたので、わたくしばかりが振り回されているようで、少々ずるく思いました。

 雨宮の店の中には、美しい反物が並べられていました。柄のないものから鮮やかな絵の描かれているものまで、さまざまな美しい反物が並べられており、わたくしがそっと近づくと、菫さんが後ろから声をかけてきます。

「なぁにしにきたんだ」

 菫さんは露骨に嫌そうな顔をしました。ただ、何日も開けてから顔を見に来たためか、最初に会った日よりも落ち着いているように見えます。わたくしが着物を仕立ててもらいに、と答えると、彼女は本当に来たのかと言いたげな顔で、わたくしと桜燐様を交互に見るのでした。

「客なら仕方ねえか」

 わたくしたちの気配に奥から他にも人が出てきたのですが、その中に菫さんのお義母様もいました。桜燐様を見て何か言うのではないのかと身構えたのですが、神様だからでしょうか、それとも顔を忘れてしまったからでしょうか。お義母様はわたくしたちを客人として歓迎し、そしてわたくしの顔を見て、「あの時の可愛らしい子じゃない」と言ったのでした。

「まあ、よく顔を見せて頂戴。まあお人形さんみたいだとこと」

 彼女は勝手にわたくしの頭巾を取り、再びお人形さんみたいだと口にしました。店の者がじろじろとわたくしを見て、菫さんですら驚いていたのですが、お義母様は気にする様子はありませんでした。

「あたくし西洋人形がずっと欲しくて欲しくて。まあ、これほどお人形らしい人もいるのねぇ。驚いたわぁ」

 わたくしが呆然としている間に、ぺたぺたと身体が触られていきます。はっとした桜燐様が、「妻は生きた人なのだぞ」と言えば、彼女は「あら失礼」と言って、代わりに採寸を始めました。その間も、小太郎のお嫁さんにどう、と何度か聞かれましたので、桜燐様が「妻」と言ったのは聞こえなかった様子です。
 わたくしも桜燐様も早々に疲れてきまして、菫さんに助けを求めたのですが、彼女もまた困ったように笑うだけでした。結局お義父様がお義母様を店の奥に連れていき、わたくしはやっと解放されたのですが、三人ともぐったりとしています。

「お義母様は、都合の悪いことは聞いて聞かぬふりをするのです」

 店の奥に戻り、取り返してきた頭巾をわたくしに被せ、菫さんはちいさく息を吐きました。今日はその胸に晒が巻かれていることに気が付き、わたくしもまたほっと息を吐きますと、彼女はわずかに機嫌を悪くして、胸元を隠します。

「多分、あたしがほんとは小太郎じゃないことも知ってんだ。知ってて見ないふりをしてる」
「そうなの、ですか」
「あんたも気をつけなぁ、あんまり入り浸るとほんとにお嫁さんにされちゃうよ、あたしの」
「困りましたね。わたくし、もう桜燐様のものなのに」
「急に惚気るのやめてくれないかな」

 呆れる菫さんが、早く着物の柄を選ぶように言ってきます。彼女はそそくさと店の奥に引っ込もうとしたのですが、やっぱりゆっくり選んでと後から言い直してきましたので、素直でないだけで根は良い子なのだと微笑ましくなりました。

「どんな着物が良い?」

 尋ねる桜燐様に、そうですねぇと返します。店の中にたくさん置かれている反物は、花柄だけでも何種類もあり、一つひとつを見るだけでも随分時間がかかりました。お母様は出かける時は着物よりも洋装を好んでいましたので、出かける時にはどんな着物が適しているのか、街の娘はどんな着物が好きなのかも分かりません。
 店に戻ってきた菫さんに流行りを聞けば、あれこれと教えてくれましたが、結局どれが好きなのかと問われると分からないのです。桜燐様も人の服装には詳しくないようで、似合うもの、彼の着てほしいものを訪ねても曖昧に笑いますので、わたくしはとうとう困り果ててしまいました。

「じゃあこれはどうだ、桜燐様は桜の神様なんだろ、じゃあ奥様は桜でも着たらいい」

 わたくしと桜燐様がいつまで経っても候補を絞らないので、菫さんは苛立ったようでした。恐らくは店に置いてある反物の中でも特に上等なものを取り出し、わたくしたちに見せてきたのです。それは穏やかなで優しい春の中を、ひらひらと舞い散る桜の花びらに見えました。いえ、桜以外のどこにも春を思わせるものはなく、ただ上質な生地の上で花びらがはらりはらりと舞っている、そんな様子だったのですが、生地と桜の色合いのおかげでしょうか。それは包みこむような優しさを持ち、わたくしの目に飛び込んできました。

「これが良い、です」

 思わず呟くと、菫さんが驚いてこちらを見てきました。続いて桜燐様を見て、「うわ」と声を零しました。わたくしも彼の方を見上げると、顔を赤くして、口元を抑えていました。そしてそれを少しでも隠そうとしてそっぽを向いているのですから、なんだかおかしくなってしまいました。

「だから惚気るなって」
「勧めたのは菫さんでしょう?」
「その通りなんだけどさ」
「ふふ、わたくし、これを着たいです。ね、桜燐様。良いでしょう?」

 彼はこくりと頷きます。それからわたくしの背に隠れるようにして、菫さんに仕立てを進めるように頼むのでした。

 帰り道は、歩く足が弾むようでした。下駄がからんころんと立てる音も、普段より軽く聞こえて、わたくしはただ歩いているだけなのにくるくると回っているようでした。何しろ、愛している人と同じ花の着物です。最初から桜の柄と決めて選べば良かったと思うほど、桜の柄の反物がしっくりきたのでした。
 普段は人込みを歩くと、いくらかの寂しさと虚しさが込み上げてくるものですが、今日は周りの音が祝福の声であるようにすら聞こえます。それに、菫さんの家の様子も伺えましたので、桜燐様の償いの手伝いもすることができたのです。わたくしのために彼が何かしてくれただけでなく、わたくしが彼の役に立っているのだという実感も得ることができましたので、これ以上ないほど幸福でした。

「ジュエリーも着物も仕立てていただけるなんて、わたくし、もっと頑張らなくてはなりませんね」

 これ以上ないほどの幸福の中にいても、やはり十年以上かけて植えられた不安とはなかなか消えないもので。与えられたのだから返さなくてはいけない、それ以上の何かをしなくてはならない。本来役にすら立たないわたくしが、役に立たせてもらえているのは彼の優しさ故なのだと、彼の優しさを繋ぎ留めなくてはならないと、そう心の底から声が聞こえます。それを見えないところに押し込めながら、わたくしが微笑むと、彼は何かに気が付いたように「いてくれるだけで十分だ」と呟くのでした。

 宝石市の一角を通り過ぎようとすると、彼がすっとわたくしを引き寄せ、やや彼の後ろを歩いていたわたくしを隣に立たせました。どこか隠すような仕草に、彼のいる方を見ると、「宝石屋椛田」と書いてある看板が見えます。
 わたくしの生家が営んでいる宝石屋は複数あるのですが、下に小さく本店と書いてありましたので、そこがお父様が直接経営に関わっているところであると分かりました。英介がそこにいるかは分かりませんが、もし鉢合わせればこの前のようにならないとも限りません。回り道すれば良かったな、と彼が呟きますので、彼の腕をとり、しっかりと自分の腕で抱き寄せました。こうすれば何かおそろしいことがあっても、切り抜けられるような気がしたのです。

 彼の腕を掴みながら店の前を通り過ぎ、薄く閉じていた目を開けると、不思議な感覚があることに気が付きました。静かすぎるのです。

「桜燐様。椛田の家は傾いているのでしょうか」

 お父様はよくわたくしを虐げながら、役立たずのわたくしが少しでも椛田の繁栄に貢献できることを、少しでも喜ぶように言いました。お母様は、外に出られない上に、自分が生み出した宝石すら与えられないわたくしが羨ましがるように、椛田の宝石屋で売る宝石が、いかに乙女や紳士から人気を得ているかを話してきました。英介だって、そうです。わたくしの宝石を取り上げながら、海外から取り寄せた宝石の方が価値があると言ってきました。皆、わたくしの宝石に依存しながらも、わたくしの宝石を軽んじていたのです。
 わたくしがまだ椛田の家にいた頃、生み出した宝石に実際どれほどの価値があったのか、わたくしは存じ上げません。しかしわたくしを売ってもなお、売った金で生活をするのではなく、宝石屋を営むのでしたら、他から宝石を取り寄せてくる他ないでしょう。きっと海の外に出るのには大変な苦労があるのでしょうから、もしかすると、わたくしの宝石を使っていた分経営が難しくなっているのかもしれません。わたくしの宝石がほとんど価値を持たないものだったとしても、売るものがあるのと無いのとでは違いが出るでしょう。凛の旦那様も椛田の家が落ちぶれてきていると言っていましたので、わたくしの想像は大きく外れてはいないように思えました。

「皆、大丈夫かしら」

 椛田の家とは、正直に言うならば今後関りを持ちたくないのですが、落ちぶれた様に気持ちが晴れないのは、共に暮らしてきたからなのかもしれません。愛されていなくとも、虐げられていたとしても、彼等に愛されたいと願っていた事実ばかりは残っています。十六になったわたくしにとって諦めて薄れた情でも、幼いころには鮮烈に抱いた気持ちでしたので、それをなかったことにはできないのです。

「すまない。俺は人が営む店のことは、よく分からないのだ」

 桜燐様がひどく申し訳なさそうに言い、彼の腕を掴んだままだったわたくしの手を、もう片方の手で撫でました。しかしその下がった眉とは反対に、目だけにどこか酔いの色があり、彼が嘘をついているのだと分かってしまいます。
 椛田の家は、落ちぶれつつあるのでしょう。わたくしのためだとしても、彼がわたくしの生家に天罰を下すことはあり得ませんから、ただ彼等の行いのために落魄しているに違いありませんでした。しかし彼は、わたくしを虐げていた家がその報いを受けていることに、少なからず喜びを得ているようです。それはまるで、そうすればわたくしが少しでも救われると信じているようでした。

「せめて、桜燐様は、ずっと元気でいてくださいね。わたくしは死ぬまであなたのお傍におりますから」

 彼はわたくしの手を撫でたまま「ああ」と呟きました。きっと彼は、わたくしが生家に抱いた複雑な気持ちのすべてを、今は知らないのだと思います。しかし彼がわたくしの幸せを願ってくれていることは分かりますから、それで良いと思いました。それに、実を言うと、わたくしが落ちぶれた生家に不安を覚えるとともに、どこかほっとしたような気持ちになっているという醜い部分がありましたので、それを彼に悟られるが嫌だったのです。彼の傍ではどこまでも綺麗な人でありたいのです。

「さあ、帰ろう。今日はうめがロールキャベツを作ると張り切っていたな」
「まあ。わたくしもお手伝いしなくては」
「翠子はロールキャベツが好きだな」
「ええ。だって桜燐様が喜んでくださるのですもの」

 桜燐様がわずかに目を開いたあと、くすくすと笑います。何がおかしいのかと頬を膨らませれば、彼の指が頬をつつきました。

 今はこの幸せが脆く儚く崩れませんようにと、ちいさく祈りました。
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