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一章 修羅場とイラストレーター
第三話 器と水
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身体がメリーゴーランドのように揺れている。
私はその揺れで目を覚ます。
「目が覚めましたか~姫野先生」
「矢崎さん...私悪い夢見てたみたいです。」
「ほぉーどんな夢ですか?」
矢崎さんはニヤケながら聞く。
「えぇ猪瀬先生が彼女を連れてくる夢です。」
「あぁ~それは現実ですね~ほら。」
矢崎さんは私の身体の向きを変え、もう一人の彼女を見せる。
「やっぱり夢じゃなかった!!でもファンとしては応援すべきだし...」
「ち、違うわ!こいつとは彼氏とかそんなんじゃなくて...」
夢咲さんは顔を赤らめながら説明をする。
「そんな顔じゃ言い訳してるみたいですよ~」
「あんたも説明しなさいよ!」
「え~もう少し楽しませてくださいよ~」
「あんたさっきの事を編集長にチクってもいいのよ!?」
「わ、わかりましたよ~彼女はですね~
「つまり彼女なんかじゃなくて友達?ってことでいいんですか?」
「えぇそうよ!あんな男が私の彼氏とか..」
姫野は猪瀬とのデートを妄想しまた顔を赤くする。
「満更じゃなさそうですね~ライバル出現ですね姫野さん。」
「べ、別に私は猪瀬さんが好きとかじゃ!!」
「ほほーなら私が頂戴しちゃおうかな~」
「だ、駄目です渡しません!」
「何を渡さないって?」
猪瀬は隣から水を持って入ってくる。
「い、猪瀬先生!?な、なんでもありませんよ」
「姫野先生目覚めたんですね!良かった!!もう仕事の頑張りすぎは駄目ですよ!」
姫野はバレていないことにほっとした。
「仕事のしすぎってことで言い訳しておきました~流石に悪いって思ったので」
「あ、ありがとうございます」
姫野は矢崎に二度目の感謝をする。
「でもこんな疲労してるなんて知りませんでした。なら今回の奴は頼めませんね。」
「えぇそうね。しょうがないけどまた振り出しね。」
「今回の?」
姫野は二人の言っていることに理解できず、疑問を示す。
「そう。今回は猪瀬さんと夢咲さんの記念すべきコンビ結成初小説の絵を書いてもらおうかとお願いしにきたんですよ~」
「コンビ結成?どういうことですか?」
「説明するよりこれを見て貰った方がはやいですねー」
矢崎は原稿のコピーを渡す。
「夢咲優也?エルフ?」
姫野は原稿を読み進める。
「どうですか~いい出来でしょ?これに絵をつけたくないですか?」
「いえつけたくありません。」
「そうでしょって え?」
矢崎は予想外の反応に困惑を示す。
あの猪瀬先生大好きな姫野さんが断る?
前作よりずっといい出来なのに?
「な、なんでですか!?前作よりいい出来なのに!?」
「前作よりいい?私はそう思えません。」
「どういう事よ!私が駄目っていいたいの!?」
「えぇその通りです。」
姫野は冷たい目をしてそうきっぱりといい放つ。
「ッ!この女駄目ね帰りましょ!」
「どうしたんだ夢咲!?いつものお前なら怒って反論するだろ!」
「そうですよ!夢咲さん帰るなんて!」
「逃げるんですか?」
その一言に夢咲は足を止める。
「ッ!つくづくあの女みたいね!」
「あの女?誰の事か知りませんが貶されて逃げるような作家には猪瀬先生は相応しくありません。」
「ここまで厄介だったとは予想外でしたよ。」
矢崎は小声で姫野の信者ぶりに困惑する。
「夢咲は俺が認めた作家です!それをそんなに批判するなんていくら姫野先生でも許せません!」
「許されなくて結構です。猪瀬さんが潰されるぐらいなら嫌われて結構です。」
「わ、私が猪瀬を潰す!?どういう事よ!」
「確かにあなたに才はあるでしょう。」
「な、なら」
「ですが猪瀬優也という最高の水を受け止めきれる器ではない。」
「器ですか..よく表現しましたね。水が規定より多く入った器の水は、器を割るか、溢れさせてしまう。」
「私が猪瀬に釣り合ってないってこと!?」
「ええそうです。」
「で、ですが一回読んだだけでそこまで分かるわけが。」
「分かります。それに溢れてからでは遅いんです。」
「そ、それでも俺は夢咲と書きたいんです!」
「あなたはそれでいいかも知れませんが、期待している私のような読者はどうなります?
最高じゃない作品で満足しろと?
それはあなたが最も嫌った事だったのではないのですか?」
「最高じゃないっ...私のせいで..」
「まぁまぁ皆さん落ち着いて、夢咲さんは新人なんです。チャンスを与えては?」
「チャンス?」
矢崎は鞄から一枚のチラシを取り出した。
「姫野さんに審査員をお願いするつもりで持ってきたんですけど..この小説大賞『NEVER』に応募していい成績を残せたらもう一度チャンスをあげるっていうのはどうですか?読者の意見も分かりますし。」
「なるほど..分かりました。このNEVERで賞をとれたら考えましょう。」
姫野が提示したハードルは凄く大きな物だった。
『NEVER』それは小説家達の登竜門とも呼ばれるほどの超有名なイベントである。
このイベントで合格できれば大ヒット間違いなしと言われるほどのすごい賞である。
それをデビューしたばかりの小説家でとったのは時代の台風と呼ばれたアイルと二人のみ。
これだけで難易度は伝わるだろう。
「分かりました。その条件飲みましょう!」
「何を勝手にOKしてるんですか!?」
猪瀬は矢崎が確認する前にOKしたことに怒りを覚えた。
「でも彼女はやる気マンマンみたいですよ?」
夢咲の方を見ると目が熱くなっていた。
「わ、わかりました。俺も受けます。」
「さっさと帰るわよ!」
夢咲はさっさと家を去ろうとする。
「期待しないで待っていますよ。」
その一言にまた夢咲のボルテージは上がった。
「どんな絵にするか考えて待ってなさい!」
夢咲は怒りながら家を出ていく。
「お、お邪魔しました。」
「ほーそれでNEVERにねぇ」
「はい。姫野先生には驚きましたよーまさかあそこまで猪瀬先生がすきとは。」
二人は屋上で煙草をふかしながら話す。
「いや、姫野が言ってることは大体正しい。俺も猪瀬には釣り合ってないとは思ってたさ。」
「ならなんで最初に指摘しなかったんですか!?」
「俺はあいつらの将来性にかけてた。だが姫野は成長しても追い付けないと思ったんだろうな。」
「ほほー 編集長とは逆の意見ですか~」
「お前はどう思うよ。お前の先見の明はズバ抜けてる。分かるんだろ?じゃなきゃあの二人をコンビにしてねぇだろ?」
「いや、私に先見の明なんてありませんよ~私は自分の面白いと思ったものにかけてるだけです。」
「悔しいが俺より編集長向いてるよ。やっぱりあの時お前を編集長にしておけばよかったかな。」
編集長は過去をおもいだす。
「止めてくださいよ。あの時も言ったじゃないですか~私は権力とか束縛とかは嫌いなんです。今ぐらいがいいんですよー」
「そうだったな。もう俺も年かな。」
「年ってそこまで私と変わらないでしょ~あっもしかして遠回しに私を年って言ってます?」
「バレたか。悪いって殴ろうとするな!」
矢崎は編集長を追いかける。
編集長は逃げながらも昔をおもいだす。
私はその揺れで目を覚ます。
「目が覚めましたか~姫野先生」
「矢崎さん...私悪い夢見てたみたいです。」
「ほぉーどんな夢ですか?」
矢崎さんはニヤケながら聞く。
「えぇ猪瀬先生が彼女を連れてくる夢です。」
「あぁ~それは現実ですね~ほら。」
矢崎さんは私の身体の向きを変え、もう一人の彼女を見せる。
「やっぱり夢じゃなかった!!でもファンとしては応援すべきだし...」
「ち、違うわ!こいつとは彼氏とかそんなんじゃなくて...」
夢咲さんは顔を赤らめながら説明をする。
「そんな顔じゃ言い訳してるみたいですよ~」
「あんたも説明しなさいよ!」
「え~もう少し楽しませてくださいよ~」
「あんたさっきの事を編集長にチクってもいいのよ!?」
「わ、わかりましたよ~彼女はですね~
「つまり彼女なんかじゃなくて友達?ってことでいいんですか?」
「えぇそうよ!あんな男が私の彼氏とか..」
姫野は猪瀬とのデートを妄想しまた顔を赤くする。
「満更じゃなさそうですね~ライバル出現ですね姫野さん。」
「べ、別に私は猪瀬さんが好きとかじゃ!!」
「ほほーなら私が頂戴しちゃおうかな~」
「だ、駄目です渡しません!」
「何を渡さないって?」
猪瀬は隣から水を持って入ってくる。
「い、猪瀬先生!?な、なんでもありませんよ」
「姫野先生目覚めたんですね!良かった!!もう仕事の頑張りすぎは駄目ですよ!」
姫野はバレていないことにほっとした。
「仕事のしすぎってことで言い訳しておきました~流石に悪いって思ったので」
「あ、ありがとうございます」
姫野は矢崎に二度目の感謝をする。
「でもこんな疲労してるなんて知りませんでした。なら今回の奴は頼めませんね。」
「えぇそうね。しょうがないけどまた振り出しね。」
「今回の?」
姫野は二人の言っていることに理解できず、疑問を示す。
「そう。今回は猪瀬さんと夢咲さんの記念すべきコンビ結成初小説の絵を書いてもらおうかとお願いしにきたんですよ~」
「コンビ結成?どういうことですか?」
「説明するよりこれを見て貰った方がはやいですねー」
矢崎は原稿のコピーを渡す。
「夢咲優也?エルフ?」
姫野は原稿を読み進める。
「どうですか~いい出来でしょ?これに絵をつけたくないですか?」
「いえつけたくありません。」
「そうでしょって え?」
矢崎は予想外の反応に困惑を示す。
あの猪瀬先生大好きな姫野さんが断る?
前作よりずっといい出来なのに?
「な、なんでですか!?前作よりいい出来なのに!?」
「前作よりいい?私はそう思えません。」
「どういう事よ!私が駄目っていいたいの!?」
「えぇその通りです。」
姫野は冷たい目をしてそうきっぱりといい放つ。
「ッ!この女駄目ね帰りましょ!」
「どうしたんだ夢咲!?いつものお前なら怒って反論するだろ!」
「そうですよ!夢咲さん帰るなんて!」
「逃げるんですか?」
その一言に夢咲は足を止める。
「ッ!つくづくあの女みたいね!」
「あの女?誰の事か知りませんが貶されて逃げるような作家には猪瀬先生は相応しくありません。」
「ここまで厄介だったとは予想外でしたよ。」
矢崎は小声で姫野の信者ぶりに困惑する。
「夢咲は俺が認めた作家です!それをそんなに批判するなんていくら姫野先生でも許せません!」
「許されなくて結構です。猪瀬さんが潰されるぐらいなら嫌われて結構です。」
「わ、私が猪瀬を潰す!?どういう事よ!」
「確かにあなたに才はあるでしょう。」
「な、なら」
「ですが猪瀬優也という最高の水を受け止めきれる器ではない。」
「器ですか..よく表現しましたね。水が規定より多く入った器の水は、器を割るか、溢れさせてしまう。」
「私が猪瀬に釣り合ってないってこと!?」
「ええそうです。」
「で、ですが一回読んだだけでそこまで分かるわけが。」
「分かります。それに溢れてからでは遅いんです。」
「そ、それでも俺は夢咲と書きたいんです!」
「あなたはそれでいいかも知れませんが、期待している私のような読者はどうなります?
最高じゃない作品で満足しろと?
それはあなたが最も嫌った事だったのではないのですか?」
「最高じゃないっ...私のせいで..」
「まぁまぁ皆さん落ち着いて、夢咲さんは新人なんです。チャンスを与えては?」
「チャンス?」
矢崎は鞄から一枚のチラシを取り出した。
「姫野さんに審査員をお願いするつもりで持ってきたんですけど..この小説大賞『NEVER』に応募していい成績を残せたらもう一度チャンスをあげるっていうのはどうですか?読者の意見も分かりますし。」
「なるほど..分かりました。このNEVERで賞をとれたら考えましょう。」
姫野が提示したハードルは凄く大きな物だった。
『NEVER』それは小説家達の登竜門とも呼ばれるほどの超有名なイベントである。
このイベントで合格できれば大ヒット間違いなしと言われるほどのすごい賞である。
それをデビューしたばかりの小説家でとったのは時代の台風と呼ばれたアイルと二人のみ。
これだけで難易度は伝わるだろう。
「分かりました。その条件飲みましょう!」
「何を勝手にOKしてるんですか!?」
猪瀬は矢崎が確認する前にOKしたことに怒りを覚えた。
「でも彼女はやる気マンマンみたいですよ?」
夢咲の方を見ると目が熱くなっていた。
「わ、わかりました。俺も受けます。」
「さっさと帰るわよ!」
夢咲はさっさと家を去ろうとする。
「期待しないで待っていますよ。」
その一言にまた夢咲のボルテージは上がった。
「どんな絵にするか考えて待ってなさい!」
夢咲は怒りながら家を出ていく。
「お、お邪魔しました。」
「ほーそれでNEVERにねぇ」
「はい。姫野先生には驚きましたよーまさかあそこまで猪瀬先生がすきとは。」
二人は屋上で煙草をふかしながら話す。
「いや、姫野が言ってることは大体正しい。俺も猪瀬には釣り合ってないとは思ってたさ。」
「ならなんで最初に指摘しなかったんですか!?」
「俺はあいつらの将来性にかけてた。だが姫野は成長しても追い付けないと思ったんだろうな。」
「ほほー 編集長とは逆の意見ですか~」
「お前はどう思うよ。お前の先見の明はズバ抜けてる。分かるんだろ?じゃなきゃあの二人をコンビにしてねぇだろ?」
「いや、私に先見の明なんてありませんよ~私は自分の面白いと思ったものにかけてるだけです。」
「悔しいが俺より編集長向いてるよ。やっぱりあの時お前を編集長にしておけばよかったかな。」
編集長は過去をおもいだす。
「止めてくださいよ。あの時も言ったじゃないですか~私は権力とか束縛とかは嫌いなんです。今ぐらいがいいんですよー」
「そうだったな。もう俺も年かな。」
「年ってそこまで私と変わらないでしょ~あっもしかして遠回しに私を年って言ってます?」
「バレたか。悪いって殴ろうとするな!」
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