42 / 84
side玲奈 また
しおりを挟む
「いらっしゃい、三人とも来てくれてありがとう。
あの子も喜ぶわ。」
私たちを迎えてくれたのはさくのお母さん。
少し、やつれてしまったようね。
おばさまは背が小さくて、子供がいるように見えないくらいかわいい。
本当はおばさまなんて言葉は合わないけれど。
そういえば、さくは背が小さいのはお母さんからの遺伝だーってよく愚痴っていたわね。
「すみません、突然押し掛けてしまって。」
「いいのよ、さあ、上がって。」
「「お邪魔します。」」
私たちは奥の和室に通された。
そこには、小さなちゃぶ台と隅の方に仏壇がおいてある。
仏壇にはもちろん、さくの遺影が置かれている。
あれは、4人で行った夏祭りの時の写真だ。
「よかったわね、久留亜。みんな来てくれたわよ。
もう、こんなに良い友達を悲しませるなんて、あの世でしっかり反省しなさい。」
おばさまが手を合わせながら言った。
それから、ゆっくりしていってね、と言い残して退出した。
「おばさま、無理してるようだったわね。」
「うん。」
「まったく、呑気な顔しちゃってさ。」
たまが写真を見て力なく言った。
それからしばらく、仏壇に向かって近況報告をした。
「さく、それじゃあ私たちはそろそろ行くね。
また、来るから。」
最後にお鈴をチーンと挨拶がわりに鳴らして私たちは部屋を出た。
「おばさん、お邪魔しました。」
「えぇ、また来てね。」
「おばさま、無理なさらないでくださいね。」
「私たちじゃ、ダメかもしれないけれど話とか聞きますから。」
口々に言うと、おばさまは驚いた顔をしたけれど、すぐに笑顔になった。
「あらあら、あんなに小さかったあなたたちがこんなに立派になるなんて。
ありがとう。
また来てくれるの楽しみにしてるわ。」
そう言って私たちを送り出した。
外に出ると空は赤く変わっていた。
「明日は晴れるわね。」
「うん。きれいな夕焼け。」
私が空を見て言うと、ちーも見上げた。
横を見ればたまも空を見上げていた。
赤から紫、だんだん暗くなっていく空のグラデーションはとてもきれい。
「「······」」
「ねぇ、久しぶりにカラオケにでも行かない?」
無言に耐えられずに私が言った。
「え、今から?」
「良いじゃん、行こうよ!」
私たちは、カラオケに向かい歩き出した。
──はずだった。
あの子も喜ぶわ。」
私たちを迎えてくれたのはさくのお母さん。
少し、やつれてしまったようね。
おばさまは背が小さくて、子供がいるように見えないくらいかわいい。
本当はおばさまなんて言葉は合わないけれど。
そういえば、さくは背が小さいのはお母さんからの遺伝だーってよく愚痴っていたわね。
「すみません、突然押し掛けてしまって。」
「いいのよ、さあ、上がって。」
「「お邪魔します。」」
私たちは奥の和室に通された。
そこには、小さなちゃぶ台と隅の方に仏壇がおいてある。
仏壇にはもちろん、さくの遺影が置かれている。
あれは、4人で行った夏祭りの時の写真だ。
「よかったわね、久留亜。みんな来てくれたわよ。
もう、こんなに良い友達を悲しませるなんて、あの世でしっかり反省しなさい。」
おばさまが手を合わせながら言った。
それから、ゆっくりしていってね、と言い残して退出した。
「おばさま、無理してるようだったわね。」
「うん。」
「まったく、呑気な顔しちゃってさ。」
たまが写真を見て力なく言った。
それからしばらく、仏壇に向かって近況報告をした。
「さく、それじゃあ私たちはそろそろ行くね。
また、来るから。」
最後にお鈴をチーンと挨拶がわりに鳴らして私たちは部屋を出た。
「おばさん、お邪魔しました。」
「えぇ、また来てね。」
「おばさま、無理なさらないでくださいね。」
「私たちじゃ、ダメかもしれないけれど話とか聞きますから。」
口々に言うと、おばさまは驚いた顔をしたけれど、すぐに笑顔になった。
「あらあら、あんなに小さかったあなたたちがこんなに立派になるなんて。
ありがとう。
また来てくれるの楽しみにしてるわ。」
そう言って私たちを送り出した。
外に出ると空は赤く変わっていた。
「明日は晴れるわね。」
「うん。きれいな夕焼け。」
私が空を見て言うと、ちーも見上げた。
横を見ればたまも空を見上げていた。
赤から紫、だんだん暗くなっていく空のグラデーションはとてもきれい。
「「······」」
「ねぇ、久しぶりにカラオケにでも行かない?」
無言に耐えられずに私が言った。
「え、今から?」
「良いじゃん、行こうよ!」
私たちは、カラオケに向かい歩き出した。
──はずだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる