僕達の恋は運命だと信じたい

ひな

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3話

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「そうなんだ。相手ってどんな人?また、やんちゃそうなやつ?」
「違うわ。清楚系。同じ職場の後輩で、そいつの夢を応援したくて、またこっちに引っ越すことにしたからさ。またよろしく頼むぜ。」

昔からの付き合いで嫌でも知っていることだが、清楚系の人となんか付き合ったことなんてなかった。
派手な奴しか付き合ってこなかったのにめずらしい。

「こっちに引っ越すんだ。こんな田舎くせぇところから早く出ていく。って口癖だったのに良いのか?」
「あー。そんなこと言ってたな。でも、こいつのことが好きだからなんだっていいんだ。」
「うわ。今の言葉、梓の元カノ達に聞かしたい。絶対に頭打った?って聞かれるよ。」

 女癖が悪かった学生時代を思い出しながらからかう。

「うっせぇ。」

 ゆでタコのように顔を真っ赤にしながら怒ってきた。

「まぁ、そんだけ好きな人と結婚出来て良いな。」
「ああ。しょーやんも25歳になるからもうそろそろ結婚しようとか考えねぇの?」
「僕はさ...。ほら、歩美に嫉妬されちゃうから。他の人とは結婚しないつもりだよ。」
「...ごめん。そうだよな。」

 さっきの空気とは一変、重い空気が流れた。

「いいよ。」

 時計の針が“チクタク”と音を立てるだけの時間と重い空気が店に流れ、その空気がとても居心地が悪くて...。
ー 違う話題を出さないと。

「あ!そうだ、新メニュのリンゴタルト食べる?」
「...うん。食ってみてぇ。」

 今日、リンゴタルト作っといて良かったと思いながら、冷蔵庫からトレイを取り出し、皿へ移した。

「どうぞ。まだ試作品だけど。」
「おう。ありがとう。なんでリンゴタルト作ろうと思ったんだ?コーヒーとパンがメインな店なのに。」

 すこし沈黙があった後に、

「実はさ、料理下手な歩美が歩美のばあちゃんから教えてもらったって、ことあるごとにリンゴケーキを作ってくれたんだ。それを思い出して、どうしてもその味を食べたくて記憶を頼りに作ったんだ。」
「そうだったんだ。歩美ちゃんよく作ってくれたんだな。」
「うん。でも、なんかいも作り直してもその味にならなくて。それが悔しくて。」
 
ふぅと深いため息をつきながら打ち明ける僕に、

「ウマくていいんじゃねーの。」

 バクバク食べながら僕にそう言ってきたけど僕は首を振った。

「いや、あの味じゃなかったらダメなんだよ。完成したらまた食べてよ。」
「...分かった。完成したら連絡よこせよ。」
「うん。奥さんとも食べに来て。」
「おう。どうせこの店暇だと思うしな。」

 また皮肉口。
 でも、僕のことを否定しないその優しさが憎めないけど。


「奥さんの夢ってなんなの?」
「翔と同じようなもの。まぁ、いいじゃねーか。それよりも酒もう一杯!」

 同じようなもの?と疑問をもったが、あんまり聞いてほしくなさそうなので深堀をしなかった。
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