【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi

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第26話 女の子?女性?の比率

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「女の子の比率ねぇ。それって女性の比率なのかしら?」
 大志よ、女性に年齢の話をしてはいけません。チョット怒った蘭さん、怖いよ~。
「確かにこの屋敷の中男ばっかりよねぇ。女性で極道って組長の家族しか思い当たらないわ」
「あー、私もそうなのよね。で、性別はどうなの?今度は一人なんでしょ?また双子とか?」
「一人よ。ご希望通りの女の子。親バカ爆誕するんじゃないかしら?今度は一人だけで産まれてくる子だもの」


 
 あっという間に臨月となった。あの4人も10才になったし。4年生かな?この子が産まれたら5年生かしら?

「先生!くれぐれも姐の事頼みます!」
「ハイハイ、うちの蘭がちゃんと見てますから、仕事に行きますよ?」
 新橋に引きずられるように出社していく大雄さんを見るのも面白い。周りの組員もハラハラしている。

「ねえ、蘭さん?破水したみたいなんだけど?」
「あら、予定ぴったり。イイ子ね。準備をしましょうか?」
 結構のんびりしている。そりゃあすぐには生まれないけどさ。

 組員が特に力を入れてキレイにしてくれた部屋で出産に臨む。
「そう言えば、破水したとか三代目に連絡した?」
「あ、すっかり忘れてた」
「だと思って私が龍二さんの方に連絡しておいたわ」
「蘭さーん、頼れる姉御!」
「姐はあなたでしょ?」



 数回もう気絶したいと思うような痛み(なぜ気絶できない?)に見舞われたのちにやっとこさ大きな産声が聞こえた。
「ほ~ら、ご希望の女の子よ~!」
 そう言われても、疲れ果ててて何も言えない…。

「ユキ!大丈夫か?」
「三代目。おかえりなさいませ。元気な女の子です」
「ユキ、ありがとう~‼」
 大雄さんもこの屋敷の中の女性の比率が低いことを悩んでたんだろうか?
「さて、この子の名前はどうする?」
 そんなこと言われたって疲れ果ててて頭も回らない。

「『海姫』でミキはどうだ?」
 『姫』の漢字をつけて将来的に美人になればいいけど、なれなかったらイタイ子よ…。
「ミキなら『海貴』の方がいい。でも本人としては兄妹の中で自分だけ名前に『大』って文字入ってないの気にするんじゃないかしら?」
 疲れた体で考えた。大雄さんも考えていた。
「それじゃあ、『大輝』と書いて‘ひろき’ってのはどうだ?」
「うん、それなら納得!ちょっと男っぽいけどいいわよね。今はジェンダーレスよ!」
「笑うなよ?ジェンダーレスってなんだ?」
「性別に拘りなく生きる人が増えてると言いたかったんだけど、疲れてるから蘭さんに説明してもらって!」
 私はそれから泥のように眠った。
 大雄さんがジェンダーレスについてその後蘭さんに聞いたとは蘭さんから聞いていない。うーん、組長だしあんまり弱みを他人に晒したくないのかな?私は別だけど。

 大雄さんは例のごとく美しい文字で大輝と命名したことを書で書いた。大志と大海もキレイというか達筆だったけど、大輝も美しい文字だと思う。
 蘭さんが床の間の掛け軸をイイ感じだといった意味もわかる気がする。


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