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8. 最終話 報告とその後
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「第2王子とは知らずにご無礼を……」
そんなこと、私なんて星の数ほどしてるわよ!
「俺は気にしてない。けが人も出ずに男爵親子を捕縛できてよかった。うーん、あとはあのケシ畑なんだが……」
「陛下とも相談し、潰すことになるでしょうね」
「おかえり~スロート、ヘンリー。どうだった?」
「ケシ畑の前で今後のまだ見ぬ金に想いを馳せていましたよ。親子ともども騎士団に捕縛されていきました。牢番を買収するようなお金もありませんし、このまま牢に入っているでしょう。あ、スロートが一時人質になりました。私がカッコよく助けると良かったのですが、スロートが自力で脱出しました」
「スロート、何をやったんだ?」
私に飛び火した。あ~、お転婆は封印してたのよ~。
「ヘロウがナイフを突きつけるから、肘鉄をして、ヒールで思いっきり足を踏んでやったわ。で、落としたナイフは遠くに蹴り飛ばした。かな?」
私はえへへと笑ってみたけど、お父様は怒ってるみたい。
「ばかもん!危ないじゃないか!周りに騎士団がいたんだろ?淑女として大人しくしてないか!あぁ、お転婆は封印しろと常日頃から言ってたのに……。これが世間に広まれば嫁の貰い手が……」
「あ、それなら、俺が貰います!お転婆上等!」
へぇぁっ?!第2王子でしょ?そんな簡単に決めちゃったいいの?
「うーん、まぁヘンリーならいいかぁ」
いいんかい!
「陛下の許可とかは?」
「陛下は俺が気に入った人ならいいって。ただし、その人に王子妃教育受けてもらうけど」
マジかぁ。座学って嫌いなんだよなぁ。
「王子妃教育には、ダンスもあるよ?」
それならいいかな?
それで私は第2王子妃として王宮で暮らすようになった。元々の身分も公爵令嬢だし、陛下も何にも言わなかった。これで平民とかだったら違ったんだろうなぁ。
王子妃教育と言っても、これまで家で受けてきた家庭教師さん達をパワーアップさせた感じかなぁ?
きつかったのは他国の言葉を覚えるのがきつかった…。ヘンリーはマスターしているらしい。
陛下も王妃も歓待してくれて有難い。
陛下には「こいつはサーティ公爵家のスロート嬢じゃないと嫌だ」って聞かなくて困っていたんだ。助かるよ」と言われた。そこまで思われてたのか……。泣き虫アンリちゃん時代から。
その後結婚式も恙なく行われ、2男1女に恵まれ忙しくも楽しい生活を送っています。調理スキルが私よりヘンリーの方が上なのが癪に障るけど……。
了
そんなこと、私なんて星の数ほどしてるわよ!
「俺は気にしてない。けが人も出ずに男爵親子を捕縛できてよかった。うーん、あとはあのケシ畑なんだが……」
「陛下とも相談し、潰すことになるでしょうね」
「おかえり~スロート、ヘンリー。どうだった?」
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「スロート、何をやったんだ?」
私に飛び火した。あ~、お転婆は封印してたのよ~。
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私はえへへと笑ってみたけど、お父様は怒ってるみたい。
「ばかもん!危ないじゃないか!周りに騎士団がいたんだろ?淑女として大人しくしてないか!あぁ、お転婆は封印しろと常日頃から言ってたのに……。これが世間に広まれば嫁の貰い手が……」
「あ、それなら、俺が貰います!お転婆上等!」
へぇぁっ?!第2王子でしょ?そんな簡単に決めちゃったいいの?
「うーん、まぁヘンリーならいいかぁ」
いいんかい!
「陛下の許可とかは?」
「陛下は俺が気に入った人ならいいって。ただし、その人に王子妃教育受けてもらうけど」
マジかぁ。座学って嫌いなんだよなぁ。
「王子妃教育には、ダンスもあるよ?」
それならいいかな?
それで私は第2王子妃として王宮で暮らすようになった。元々の身分も公爵令嬢だし、陛下も何にも言わなかった。これで平民とかだったら違ったんだろうなぁ。
王子妃教育と言っても、これまで家で受けてきた家庭教師さん達をパワーアップさせた感じかなぁ?
きつかったのは他国の言葉を覚えるのがきつかった…。ヘンリーはマスターしているらしい。
陛下も王妃も歓待してくれて有難い。
陛下には「こいつはサーティ公爵家のスロート嬢じゃないと嫌だ」って聞かなくて困っていたんだ。助かるよ」と言われた。そこまで思われてたのか……。泣き虫アンリちゃん時代から。
その後結婚式も恙なく行われ、2男1女に恵まれ忙しくも楽しい生活を送っています。調理スキルが私よりヘンリーの方が上なのが癪に障るけど……。
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