異世界ホイホイ

satomi

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俺は死んだ。
と思ったのに、何で絵に描いたような死んだら一度行きます。的な所にいるかなぁ?
「城門壮太」
なんでおっさんが俺の名前を知ってるんだ?

「いや、何でと言われても…。何でも知ってるんだけど。えーと、私の職業はいわゆる水先案内人てやつ?ミッチーって呼んで♡ なんだけど?希望の転移先ある?」
「俺、とりあえず異世界希望。今の世界飽きた」
「ふーん、まあいいや。異世界ね。行ってらっしゃーい!」

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俺はミッチーによっていとも簡単に異世界に行った。けどなぁ。
ここは、巨人ばっかりじゃねーか!俺、アリみたいなんですけど!
プチっと俺は死んだ。

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「おい、ミッチー巨人ばっかりの所に俺のこの175センチサイズの人間放り込むとかよくもやってくれたな!プチっとアリみたいに死んだじゃねーか!」
俺はさすがに怒った。誰だって怒るだろう。プチっとは…。
「いやぁ、壮太氏の希望の通り異世界なんですが…」
俺が思う異世界は、冒険譚があって、何故か巨乳のねーちゃんがいてという偏見なんだけど?
「では、そのような世界にどうぞいってらっしゃ~い」
軽いノリで俺は送り出された。今回はプチっと死ぬことはないだろうなぁ?

******************

そんなことはなかった…
とにかく自分のレベルを上げなくてはならなかった。俺の職業は…『拳闘士』…つまり拳で戦うんですね?超怖いんですけど?死ぬ確率高くない?ケガの確率も高いじゃん。
とりあえず。ギルドという場所に登録に行った。
鼻で笑われた。理由は「そんな装備で拳闘士?マジ?自殺希望?」だ。
仕方ないじゃん。金がないんだから。
そんなわけで、俺はこつこつとお金を稼ぐ仕事ばかりをこなしていた。
採集やら超雑魚キャラやらをやっつけていた。むろんそこに巨乳の気配はない!


お金もある程度たまり、装備にお金をかけれるようになったので、ギルドのねーちゃん(貧乳)にちょっと難しい仕事、でも報酬は高いやつって言ったら、また鼻で笑われた。
理由は「ちょっと装備がいいからって調子に乗ってる?レベル低いじゃん。やっぱ自殺希望?」だ。

俺はレベルを上げるためにまた、こつこつと採集やら雑魚キャラを倒す依頼ばかりをこなしていた。
レベルも上がったし、もういいだろう。とギルドの貧乳のねーちゃんに報酬高くて、ちょっと難しい仕事はないか聞いた。
「貴族令嬢の護衛ってのがあるけど…これはミスが許されないやつだし、失礼も許されないわよ」

俺には見える!巨乳の貴族令嬢が!!

二つ返事で了承した。俺はスキップを心に抑えてギルドを後に寝床にしている宿に戻った。


「おや、なんかいいことあったのかい?」
女将さんには隠し事できないなぁ。
「今度の仕事でちょっといい稼ぎが出来そうなんですよ」
これは事実。
「ふーん。でも死ぬんじゃないよ!命あってのモノダネだからね!!」
この女将さんは元・冒険者でケガで冒険者を続けられなくなったから、こうして宿屋を営んでいる。夜は酒場にもなるんだが。

酒場の情報によると、俺が護衛する予定の貴族令嬢はクリスティーナ=ベルン侯爵家の令嬢らしい。
可愛らしいと評判だ。ますますもって期待してしまう。
可愛らしい爆乳の貴族令嬢……イイ!俺は全力で護衛をする!!


護衛当日、俺の期待は裏切られた…護衛対象の貴族令嬢は確かに可愛らしい可愛らしい4・5歳の幼女じゃないか――――――!!!爆乳も貧乳もあったものじゃない。

「貴方が護衛?フーン?まぁいいわ。せいぜい頑張ってよね」
性格は可愛くないぞ。酒場の情報になかったんだけど。
「お嬢様はあのように言っていますが…」
うわっ、どこから現れたんだこの執事。
「ベルン侯爵家は今政争の真っ只中でして、お恥ずかしい。お嬢様も命を狙われるのです。誘拐も考えられます故、護衛のほどをよろしくお願いします」
うーん、さっきの令嬢にこのくらい言って欲しかった。性格の悪さは爆乳があれば相殺されるんだが幼女にはそれは無理だからなぁ。
「俺も死にたくないんで、全力でお守りしますよ。報酬もありますし」

そんなんで、この令嬢がいるココ、ベルン領の街から王都まで、護衛をすることとなった。往復で10日くらいだろうか?うーん片道なら5日で済むから王都に腰を据えるのもありかもなぁ。

などと思っていたら、夜盗?違う、傭兵かが大人数で襲ってきた。ズルくね?
護衛は俺と執事の爺さん(なの?)だってのに、10人はいる。俺は拳で戦うんだろ?拳が痛い。
と思っているうちに、俺はグサッと刺されたようだ。失血死。

****************

おい、ミッチー!巨乳はいないし、今度は失血死?どんどん自分の体が冷えてくんだぜ?」
「壮太氏の希望にそった世界だったのですが…」
「そうだなぁ。魔王がいるような?そんでもって、勇者が聖女にもてはやされるんだよ。そんな世界。あ、巨乳美女ハーレムがあるといいなぁ」
「はい、では次なる世界へいってらっしゃ~い」
「おい!ノリがなんか軽くないか?ま、いっかぁ。巨乳美女ハーレム…」

**************

確かに魔王はいた。魔界と言われる世界もあった。魔界観光なるビジネスが横行していた。
勇者は聖女と言われる女を腕に絡ませていた。が、聖女とて暇ではない。忙しいのだ。「今日は〇〇高原の方を浄化しにいけなきゃならない」「今日は××砂漠の方を浄化しにいかなければならない」「今日は連日の浄化で疲れてる」など勇者を蔑ろにしていた。

哀れ、勇者。勇者は何をしたんだ?

魔王は特に人に害を及ぼすようなこともないいい奴だった。よって、勇者の意味ナシ。
世界の国王と魔王の取り決めで、魔界観光なるビジネスが横行するような平和な世の中になった。のだ。
巨乳美女ハーレムについてだが“巨乳美女ハーレム”という名前のキャバクラが存在する。お金とるんかい!しかもちょっとぼったくり系で、警羅隊に目をつけられてる。いいよなぁ。逮捕する時にあの巨乳美女の巨乳を合法的に触れるのだから。

俺?俺は何をすればいいんだろう?平和だし。寿命を全うすればいいのか?
とりあえず魔界に行ってみよう。魔界にはガーゴイルに運んでもらうのが主流。俺もそれに倣った。

なぜ?俺だけが超上空から落とされた。ガーゴイルに嫌われて落下。

**********************

「おい!ミッチーよ?本気か?俺の想いと全然違うんだけど?」
「壮太氏の思い通りだと思ったのに…」
なにやらミッチーを凹ませてしまった。
「壮太氏の希望は?」
「もう、巨乳美女ハーレムは諦めた。ベタな学園断罪系でいいよ。簡単だろ?」
「よくあるラノベの断罪ですか!わかりました。いってらっしゃ~い」

******************

起きて驚いた。俺、性転換してる。学生証があるな。
ふむふむ。俺の名前はリザ=ストーンだな。男爵家の令嬢なのか。
俺は貧乳なのか…。残念。
おっとぉ、時間かマウントマルク学園に早く行かないとな授業始まる。
俺はこのラノベを読み込んでるから、知ってる。この学園に王子がいるんだよな。
聖女が入学してきて、魅了魔法で次々と逆ハーを作るんだ。王子を含んでて、そんで卒業式に王子が自身の婚約者を断罪するんだよな。
うーん、俺は今は女だから、逆ハーが羨ましいのか?微妙だな。俺は2年だから聖女は年下かぁ。俺は特に関係ないから、断罪ショーの傍観者かな?

時は進み、逆ハーは完成し卒業式となり、断罪ショーとなった。
そっかぁ、婚約者達は完全に冤罪吹っ掛けられるんだもんなぁ。俺も何か手助けすればよかってかな?でも男爵家の令嬢だしなぁ。高位の令嬢達と会話をするのもおこがましい。

そのまま、王子と聖女が婚約した。
聖女はハッキリ言うと、王妃の器ではない。そこらを浄化するのは得意かもしれないけど、国母としての能力は??だ。
国も徐々に衰退していき、ダメージを受けたのは男爵家。爵位を返上することに。つまり平民になった。
その後は慣れない農業を強いられたり、元からの平民に詰られたりして、生涯を終えた。

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「ミッチー!!」
「壮太氏は今の世界の方が性に合ってるんですよ。そういうことで~」
そういって、ミッチーはどこかに消えてしまった。俺が体験した異世界は3・4つ?ミッチーの言う事も一理あるなぁと思うのでした。

























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