紫水晶の瞳は私を捕らえる

satomi

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11.その後のクレイグ侯爵家

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「で、結局アンジーが新人をまとめてるの?」
「そうだなぁ?なんか姉御的に慕われてるけど?あの男共、新しい扉を開いたんじゃないか?」
 あり得る……。申し訳ないなぁ。けっこういいとこの坊ちゃんが多いのよね?女王様に踏まれたい願望持ち?アンジーは(一応)王女なんだけどなっ。
 
 その後、アンジーはどんどん先輩方も蹂躙していったようで……。『王国騎士団の女王様』の異名をもつことになった。
「私はそれやだよぉ」
「そういうのは第3者がつけるもんだから、なんとも言えないんだよな。俺は二つ名あったっけ?」
「私はコンラッド様の二つ名は知らないわ」
「まぁ、それだけ騎士団員に親しまれてると思えばいいんじゃないか?」
「お父様は他人事ひとごとだと思って~」
 ぷくっと頬を膨らませる仕草も可愛らしい。

「……アンジェリカ。なんて可愛いんだ!」
 ルドがアンジーのその仕草を目撃!じゃなくて、我が家に遊びに来ました。王子がほいほい遊びに来ちゃダメですよ!
 コンラッド様がその体でアンジーをルドの目線から隠した。
「アンジーと一緒に食べようと思って、評判のカフェでケーキを購入して持ってきたんだが、思いがけずいいものを見せてもらった」
「まぁ、ルド。いらっしゃい。いま紅茶を淹れるわね?」
「「見られた……」」
 コンラッド様とアンジーが凹む。凹む理由は全く違うけど。

「アンジーは本当に強くなったなぁ。今はもう騎士団副団長補佐?」
「…の下かな?あんまり興味ない。私が興味あるのはトップだけだから」
「パット~。アンジーは俺しか見てないって♪」
 違うよ―――‘騎士団長’っていう肩書きだよ……。コンラッド様の親バカはもう病気だなぁ。
 
 私とコンラッド様、アンジー、ルドでケーキとお茶にしていると、ウィルが帰ってきた。
「ただいまぁ~」
「ウィル、今日は早いんじゃない?いつも夕飯ギリギリくらいに帰ってくるのに」
「うん、ずっと解読してた古代の魔術が解読されてさぁ。コレがびっくり、古代の人も洗濯は大変だったんだね。その魔術、洗濯をするものだったんだよ。解読してビックリ。こっちはさぁ、どんな攻撃魔術だろうとドキドキしたのに拍子抜け!それで帰ってきたってわけ!」
「ウィルもまぁケーキにお茶でゆっくり休んで!」
「あ、ルドじゃん。久しぶり!」
「ルドがケーキ買って来てくれたのよ~」
 洗濯の魔術の事を詳しく聞きたいけど、それはまぁあとでかな?

 アンジーの二つ名の話をしたりとか、かなり盛り上がった。で、夕飯の時間になった。
「あ、俺は城に帰るよ。うちは爵位とかないからなぁ」
 なんかコンプレックス?
 あったらあったで領地経営しなきゃとか大変なんだけどね。私がしてるんだけど。

「あ~!ウィル!洗濯の魔術。一般に普及は出来ないの?」
 国民誰もが大変な思いをして洗濯をしてるんだから、魔術で解決できるならそれがいい。
「それな。古代の魔術だから、扱いが難しくて……。俺が開発したとかなら一気に公布出来るんだけど、なー」
 陛下~。洗濯は大変なんですよ!したことないから、のん気にしてるんでしょうけど、国民は死活問題ですよ!

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