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2.放逐された聖女様
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「護衛のあなたのお名前は?」
「イーゼル=ウィンド。風魔術が得意だ」
「無口なのね。それにしてもごめんなさいね。私の護衛って貴方まで放逐されて」
「俺は、もともと騎士団の厄介者みたいな感じだったし、家でも3男で特に大事にされてなかったんでどうでもいいんですよ」
「へぇ、色々大変なのね」
ミユキは視線を落とした。
「あら、イーゼル。脚に古傷が……」
「あぁ、昔戦場で負った傷だな。名誉の負傷ってやつか?」
そういってイーゼルは笑うけど、何だか心苦しい。
手を傷がある辺りにあてて、少しでも良くなるといいなと思った。
「おい!古傷が消えちまったぞ?お前、本当は『聖女』じゃないのか?」
「でも、国は伊織を『聖女』って認定して私を放逐したわけだし、知らないわよ」
私はプイっと顔をそらした。ら、ぐきっと首の筋を痛めた。
「痛ったー」
「ああ、わかる。俺もやったことある。それ、痛いよな。自分は癒せないのか?」
「無理じゃない?多分」
私はちょっとやってみた。…できた。あの痛さからの解放!清々しい!!
「できた!!爽やかな気分ね♪」
「ところで、癒したりするときに魔力とか使わないのか?魔力が減らないのか?」
「えー、わかんないじゃん?」
「ステータスが見れるんだが…?」
イーゼルに呆れたような、バカにされたような顔をされた。
私は人生で見たことないけど、イーゼルはステータスを見せてくれた。
ほう、空中に表示されるのか。スケスケ…はいいとして、イーゼルは戦士とな。HP多いの?基準がわからない。
「魔力はどこ見るの?」
「えーっと、俺だと、0もところだな。“MP”ってところ」
なるほど、確かに“0”と表示されている。
さて、私は…
「ところで、どうやってステータスを表示させるの?」
「気合いとか、気分かなぁ?」
なんて曖昧なんだろう…。
ステータス出てくるといいなぁ。と思った。
出てきた。
私は、本当に『聖女』らしい。
「放逐されたわけだし?どっかの街でおとなしく治療院でも開業して生活するよ」
「お、おい!お前、魔力凄いことになってるぞ…」
「へっ?」
私史上最高に間抜けな返事をしてステータスを見た。
私のMPが“∞”と表示されていた。
「治療院で治療し放題ね!」
「そういう問題じゃなくて……俺“∞”って初めて見た。都市伝説的な感じだけど?」
「イーゼル=ウィンド。風魔術が得意だ」
「無口なのね。それにしてもごめんなさいね。私の護衛って貴方まで放逐されて」
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「へぇ、色々大変なのね」
ミユキは視線を落とした。
「あら、イーゼル。脚に古傷が……」
「あぁ、昔戦場で負った傷だな。名誉の負傷ってやつか?」
そういってイーゼルは笑うけど、何だか心苦しい。
手を傷がある辺りにあてて、少しでも良くなるといいなと思った。
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私はプイっと顔をそらした。ら、ぐきっと首の筋を痛めた。
「痛ったー」
「ああ、わかる。俺もやったことある。それ、痛いよな。自分は癒せないのか?」
「無理じゃない?多分」
私はちょっとやってみた。…できた。あの痛さからの解放!清々しい!!
「できた!!爽やかな気分ね♪」
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なるほど、確かに“0”と表示されている。
さて、私は…
「ところで、どうやってステータスを表示させるの?」
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「お、おい!お前、魔力凄いことになってるぞ…」
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