3 / 20
3.辺境伯様のお邸に到着です
しおりを挟む本来は馬で辺境伯様のお邸まで行くものなのでしょうか?私も乗馬の練習をしなくてはなりませんね。
蹄の音が近づいてきます。
「キャシーちゃん、辺境伯様のお邸まで行くなら、馬に乗らないかい?」
昨日お世話になった宿屋のお客様からのいいお話です。馬に乗れば確かに楽に辺境伯様のお邸まで行くことが可能なんでしょう。でもなんだか自力でいかなくてはいけないような気がします。
「とてもいいお話なのですが、楽をしてはいけない気がするのです。自力で行くことに意味があるように思いますので、せっかくのお誘いですが申し訳ありません。断らせていただきます」
えーっと私は一応伯爵令嬢だから、そうそう不敬にならないわよね?かなりドキドキするのは気のせいかしら?
昨日の宿のお客様は「そうか」と言い、馬でそのまま辺境伯様のお邸まで行ったようです。せっかくですから、馬ちゃんのお名前を伺えば良かったなぁと思います。毛並みもよい、いい馬だったんですよね。実家では厩所での仕事もしていましたので、馬は好きです。
女将さんに頂いた昼ご飯(弁当)もなくなり、太陽も陰ったころに私はやっと辺境伯様のお邸に到着しました。女将さんにせっかくいただいた靴もなんだかボロボロになりました。前から履いている靴では到着できなかったかも……。
「お待ちしていました。キャシー=ホワイト様」
私はまだ名乗ってもいないのに・・・。この使用人の数!流石辺境伯様ねぇ。
「私エマがキャシー様の身の回りのお世話をさせていただきます!よろしくお願いいたします!」
今までそんな人いなかったから、緊張するよ~。
「私が侍女長のナーヴァと申します。何か不都合なことがあればご遠慮なく私におっしゃってください!」
「ゴホン、私は執事長をしてます。リドルと申します。お邸の事なんでもご遠慮なく私でもナーヴァにでもご相談ください」
人数が多くて、顔と名前を一致させるのに時間かかりそう。とりあえず、今の3人はわかった。…と思う。
「私が辺境伯のレイリー=リチャードソン=ヴェナス。よろしくね。キャシーちゃん。さっきはゴメンね、普通に試すみたいにして。私はたまに街に出て様子を見るんだ。あの宿は私の息がかかった宿だよ。女将は私の部下だ」
思わず(?)レイリー様を睨んでしまう。
「あ、そうだ!さっきの馬ちゃんのお名前を教えてください!スゴイいい馬ですよね?」
「そういえば、報告書に君が実家では馬の手入れなんかもしているって書いてあったな」
「お恥ずかしい」
「特に名前は付けていないが……」
「男の子ですか?女の子ですか?」
「食いつきがいいな。あいつは男だ」
「でしたら……リックはどうですか?ちゃんと熟考したんですよ?ここまでの道々考えてました」
ただ歩くのは、疲れるし、暇だから。
「あいつに伝えるけど、あいつはけっこう荒いからなぁ。気に入らなかったら結構怒ると思う」
「まぁ、キャシー様に名付けられるだけでも光栄なことなのに。なんて贅沢な馬なのでしょう?」
「俺に言わないでくれ」
辺境伯様の普段の一人称は‘俺’なんですね。男らしくてそっちの方が私は好ましく思います。
178
あなたにおすすめの小説
学園では婚約者に冷遇されていますが、有能なので全く気になりません。〜学園でお山の大将されてても、王宮では私の方が有能ですから〜
織り子
恋愛
王都カラディナにある国立魔術学園では、満十六歳の生徒たちの社交界デビューを兼ねた盛大なパーティーが開かれていた。
侯爵令嬢タレイア・オルトランは、婚約者である第二王子アスラン・オグセリアの迎えを待つも、結局ひとりで会場へ向かうことになる。
学園では身分の差がないとはいえ、アスランが公然とタレイアを侮辱し続けてきたことで、彼女は生徒たちから冷笑と蔑視の的となっていた。しかしタレイアは、王城で政務を担ってきた聡明さと矜持を失わず、毅然と振る舞う。
妹なんだから助けて? お断りします
たくわん
恋愛
美しく聡明な令嬢エリーゼ。だが、母の死後に迎えられた継母マルグリットによって、彼女の人生は一変する。実母が残した財産は継母に奪われ、華やかなドレスは義姉たちに着られ、エリーゼ自身は使用人同然の扱いを受ける。そんなある日――。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
離婚したいけれど、政略結婚だから子供を残して実家に戻らないといけない。子供を手放さないようにするなら、どんな手段があるのでしょうか?
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
カーゾン侯爵令嬢のアルフィンは、多くのライバル王女公女を押し退けて、大陸一の貴公子コーンウォリス公爵キャスバルの正室となった。だがそれはキャスバルが身分の低い賢女と愛し合うための偽装結婚だった。アルフィンは離婚を決意するが、子供を残して出ていく気にはならなかった。キャスバルと賢女への嫌がらせに、子供を連れって逃げるつもりだった。だが偽装結婚には隠された理由があったのだ。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。
灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。
曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。
婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。
前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、
冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまう
リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、
悪役令嬢として断罪された少女が、
「誰かの物語の脇役」ではなく、
自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、
彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる