お役御免の『聖女』の生き様

satomi

文字の大きさ
14 / 17

14.祝・立太子!

しおりを挟む

 その後、繰り上げで第1皇子がエヴァンス様。第2皇子がヴェールス皇子となった。

 国王陛下もエヴァンス皇子なら立太子をしても問題はないだろうとの判断で、本日の良き日にエヴァンス様の立太子式となった。

 何をするんだろう?バルコニーから手を振るとか?下町を馬車で移動とか?あ、こういうのは婚姻の時にするのか。

 実際には非常に地味で、陛下から任命されるだけだった。謁見の間をたくさんの高位貴族とか大商人とかが埋め尽くしていたけど、思ってたよりも地味だ。
 それでもバルコニーから手を振るというのはやるみたい。
 ここのところ王家に不祥事が相次いで(全部シークンス様のせいだけど)、王家の人気を心配した陛下のお考え。
 エヴァンス様は国民人気が凄まじいから、立太子は物凄く喜ばれた。「これで安心して眠れる」とか毎日爆睡してそうなオッサンが言ってた。
 エヴァンス様がバルコニーから手を振ると、物凄い声援が聞こえた。これには陛下も驚いたようだった。
 私はヴェールス皇子に「わたしもばるこにーにでていい?」と上目づかい(身長差でやむを得ない)で言われたけど、「今日の主役はエヴァンス様ですから、ヴェールス皇子はそっと見守りましょうね」と、二人で見守ることにした。
 ヴェールス皇子のおねだりのような事を我慢した自分は中々偉いと思う。
 ヴェールス皇子もまだ小さいのに父上である陛下に会う事ができなかったのが、悲しかったようで人見知りのようにおずおずと私のドレスから顔を覗かせて陛下を見ていた。可愛い。
 陛下はそんなヴェールス皇子が可愛いようで、即座に距離を縮めようとしていたので「それは徐々にの方が良いと思いますよ。あと、できるお父さんってのを見せると効果的かと」と陛下に伝えておいた。
 そうよね。仕事ができる父親って子供からすると結構アコガレられたりするから。キラキラした目で陛下を見るのかなぁ?いいなぁ。キラキラした目のヴェールス皇子……。



「はぁあ、疲れたぁ!」
 と、珍しく盛大なため息でソファに座り込んだ。
「衣装に皺が寄りますから、普段着に着替えてからにして下さい」
 とは普段護衛をしているロブの言葉。ロブは何でもできるなぁ。今は執事さんみたい。

 普段着に着替えてきて、再びソファに飛び込んだ。
「王太子って大変なんだなぁ」
「次期国王ですからね。明日からは帝王教育などをみっちりとする予定です」
「騎士の仕事は?」
「すでに辞表を出しています」
「誰に?団長は俺なんだけど?」
「陛下ですよ。騎士団のトップは結局のところ陛下ですからね」
「はぁああぁぁぁぁぁ」
 エヴァンス様は再び盛大にため息をついた。
「疲れた時は疲労回復に治癒魔法を使いましょうか?」
「「‼‼」」
 二人して驚いている。そんなに驚くようなこと言ったかな?
「リサ様、治癒魔法は貴重なものでそんな気安く使うようなものではありません!」
「エヴァンス様の疲労回復でも?」
「そうです。それでしたら、私が疲労回復効果のある紅茶を淹れて差し上げます」
 あ、それ私も飲みたい!


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

剣士に扮した男爵令嬢は、幽居の公子の自由を願う

石月 和花
恋愛
 両親が亡くなって男爵家を叔父に乗っ取られた令嬢のアンナは、騎士だった父から受けた手解きのお陰で、剣を手に取り冒険者として日銭を稼ぎながら弟を育てていた。  そんなある日、ひょんな事から訳ありそうな冒険者ルーフェスと知り合ったのだった。  アンナは、いつも自分の事を助けてくれるルーフェスに、段々と心が惹かれていったが、彼女にはその想いを素直に認められなかった。  何故ならアンナの目標は、叔父に乗っ取られた男爵位を取り返して身分を回復し、弟に爵位を継がせる事だったから。この願いが叶うと、冒険者のルーフェスとは会えなくなるのだ。  貴族の身分を取り戻したい気持ちと、冒険者としてルーフェスの隣に居たい気持ちの間で悩み葛藤するそんな中で、アンナはルーフェスの重大な秘密を知ってしまうのであった…… ## ファンタジー小説大賞にエントリーしています。気に入って頂けましたら、応援よろしくお願いします! ## この話は、別タイトルで小説家になろうでも掲載しています。

婚約破棄されたはずなのに、溺愛が止まりません!~断罪された令嬢は第二の人生で真実の愛を手に入れる~

sika
恋愛
社交界で名高い公爵令嬢・アイリスは、婚約者である王太子に冤罪をでっち上げられ、婚約破棄と同時にすべてを失った。 誰も信じられず国外に逃れた彼女は、名を偽り辺境の地で静かに生きるはずだった――が、そこで出会った青年将軍が、彼女に異常なまでの執着と愛を向け始める。 やがて明らかになる陰謀の真相、そして王都から彼女を探す“元婚約者”の焦燥。 過去を乗り越え、愛を選ぶ彼女の物語は、痛快な逆転劇と甘く濃密な溺愛とともに幕を開ける。

【完結】傷跡に咲く薔薇の令嬢は、辺境伯の優しい手に救われる。

朝日みらい
恋愛
セリーヌ・アルヴィスは完璧な貴婦人として社交界で輝いていたが、ある晩、馬車で帰宅途中に盗賊に襲われ、顔に深い傷を負う。 傷が癒えた後、婚約者アルトゥールに再会するも、彼は彼女の外見の変化を理由に婚約を破棄する。 家族も彼女を冷遇し、かつての華やかな生活は一転し、孤独と疎外感に包まれる。 最終的に、家族に決められた新たな婚約相手は、社交界で「醜い」と噂されるラウル・ヴァレールだった―――。

婚約解消をしたら、隣国で素敵な出会いがありました。

しあ
恋愛
「私との婚約を解消して欲しい」 婚約者のエーリッヒ様からそう言われたので、あっさり承諾をした。 あまりにもあっさり承諾したので、困惑するエーリッヒ様を置いて、私は家族と隣国へ旅行へ出かけた。 幼い頃から第1王子の婚約者という事で暇なく過ごしていたので、家族旅行なんて楽しみだ。 それに、いった旅行先で以前会った男性とも再会できた。 その方が観光案内をして下さると言うので、お願いしようと思います。

離婚するはずの旦那様を、なぜか看病しています

鍛高譚
恋愛
「結婚とは、貴族の義務。そこに愛など不要――」 そう割り切っていた公爵令嬢アルタイは、王命により辺境伯ベガと契約結婚することに。 お互い深入りしない仮面夫婦として過ごすはずが、ある日ベガが戦地へ赴くことになり、彼はアルタイにこう告げる。 「俺は生きて帰れる自信がない。……だから、お前を自由にしてやりたい」 あっさりと“離婚”を申し出る彼に、アルタイは皮肉めいた笑みを浮かべる。 「では、戦争が終わり、貴方が帰るまで離婚は待ちましょう。   戦地で女でも作ってきてください。そうすれば、心置きなく別れられます」 ――しかし、戦争は長引き、何年も経ったのちにようやく帰還したベガは、深い傷を負っていた。 彼を看病しながら、アルタイは自分の心が変化していることに気づく。 「早く元気になってもらわないと、離婚できませんね?」 「……本当に、離婚したいのか?」 最初は“義務”だったはずの結婚。しかし、夫婦として過ごすうちに、仮面は次第に剥がれていく。 やがて、二人の離婚を巡る噂が王宮を騒がせる中、ベガは決意を固める――。

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

前世は、座敷わらしの末裔でした。婚約破棄、追放されました……お家が滅亡しても知りません。

鷹 綾
恋愛
『前世は、座敷わらしの末裔でした。婚約破棄、追放されました……お家が滅亡しても知りません。 > 「福をもたらす家には、必ず“わらし”がいる。」 そう言われてきた古い言い伝え―― けれど、この令嬢が“本物”だったなんて、誰が信じただろう? ──侯爵令嬢ユーフィリア・ローゼンベルク。 幼い頃から“福を呼ぶ娘”と噂され、人も作物も彼女のそばではなぜか笑顔になる。 だが、その“幸福体質”はいつしか嫉妬の対象となり、 ついには王太子から婚約破棄を突きつけられる。 「君のような不気味な女、もううんざりだ!」 「そうですか。では……どうぞお幸せに。  ――わたくしの“福”は、もうあなたにはあげませんわ。」 その夜、ユーフィリアは静かに家を去る。 しかし、彼女が出ていったその瞬間―― ローゼンベルク家はまるで呪われたように没落していく。 食糧庫は腐り、金庫は空になり、家臣たちは次々に離反。 けれどユーフィリアは言う。 > 「あら、お家が滅亡しても知りませんわ。  “福”は、感謝する者のもとにしか残らないものですから。」 追放の末、彼女が流れ着いた辺境の村で起こる奇跡。 枯れた畑に花が咲き、貧民街の子どもたちに笑顔が戻る。 そして出会うのは――かつての婚約者とは違う、“真に福を信じる王”。 「貴女がいるだけで、国が光に包まれる。  その力を“呪い”ではなく、“祝福”と呼びたい。」 やがて明かされる真実。 ユーフィリアの前世は、 かつてこの世界に“幸福”をもたらした座敷わらしの末裔だった――。 滅びた家も、失われた名誉も、もう要らない。 彼女は笑って言う。 > 「わたくしの“福”は、誰かの笑顔でできていますの。」 やがて、彼女が撒いた小さな“福”は国を包み、 世界にまで届く“奇跡”へと変わっていく。 滅びから始まる、幸福の逆転劇。 愛も、運命も、全部ひっくり返す“座敷わらし令嬢”の物語――。 🌸 『前世、座敷わらしの末裔でした。婚約破棄されました……お家が滅亡しても知りません。』 🌸 > 失った家よりも、得た笑顔のほうが、ずっと大切。 これは、“福”で世界を変えた少女の優しいざまぁ。

転生『悪役』公爵令嬢はやり直し人生で楽隠居を目指す

RINFAM
ファンタジー
 なんの罰ゲームだ、これ!!!!  あああああ!!! 本当ならあと数年で年金ライフが送れたはずなのに!!  そのために国民年金の他に利率のいい個人年金も掛け、さらに少ない給料の中からちまちまと老後の生活費を貯めてきたと言うのに!!!!  一銭も貰えないまま人生終わるだなんて、あんまりです神様仏様あああ!!  かくなる上はこのやり直し転生人生で、前世以上に楽して暮らせる隠居生活を手に入れなければ。 年金受給前に死んでしまった『心は常に18歳』な享年62歳の初老女『成瀬裕子』はある日突然死しファンタジー世界で公爵令嬢に転生!!しかし、数年後に待っていた年金生活を夢見ていた彼女は、やり直し人生で再び若いままでの楽隠居生活を目指すことに。 4コマ漫画版もあります。

処理中です...