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15.『聖女』の存在意義
私の治癒魔法っていつ活躍するんだろう?
エヴァンス様が騎士団を辞めてしまったから騎士様達に使用することはなくなったみたいだし、この間の陛下のように重病の方はそうそういないでしょうし。
あ、あれ?
私、ササクレすら治せなくなった?
私はそこに『我こそは地味に痛みを与え続けるササクレ也』と言っているような、ササクレを見つめるだけだった。
あまりの事に茫然としてしまった。―――私の存在価値…『聖女』
「何を茫然としてるんだ?」
「そんなエヴァンス様は今日の学習は終わったのでしょうか?」
「恐らくだが、夕飯の時間に食べ方なんかがマナーの学習時間なんだと思う」
うわー。せっかくの料理もそんなんじゃ味がわかんなくない?
「実はですね。『聖女』として私は全く機能しなくなったのかもしれません。陛下の治療で力を使い果たしてしまったのかも。自分のササクレすらも治せないんです!」
私は必死!だって、私の存在価値がかかってるから。
『聖女』だからエヴァンス様が皇宮に保護してくれてるのよね?保護っておかしいけど。一体何から?って話だし。
「それで?」
「え?だって『聖女』が治癒魔法を使えないなんて……」
「ん~?俺はよくわかんないけど、リカはリカだし『聖女』っていうのに拘り過ぎなんじゃないかな?ヴェールスだったら「リカだからいいんだもん!」とか言いそうだけどなぁ」
そう、エヴァンス様は笑顔を見せてくれた。ここのところずっと気が抜けない感じだったから、笑顔ってなんかムズ痒い。
「私は今のままでもいいの?」
「いいって言ってるだろ?証人増やす?ヴェールス呼べば即座に解決しちゃうだろうな」
まあ、ヴェールス皇子に「『聖女』じゃないリカなんかきらい!」とか言われたら、かなり凹んでしまうのは否めないけど。
「ありがとうございます。エヴァンス様!」
「おっ、笑ったな?リカはそうじゃないとな!」
~エヴァンス視点
リカが力を失ったというのは、どういうことだろう?やはり父上に相談すべきことだろうか?
「陛下にご相談があります。あの、人払いをお願いできますか?」
陛下がゴホンと咳払いをすると、侍女や護衛の者達が部屋から出て行った。
「非常にナイーブな話なのですが、『聖女』リカが治癒魔法を使う事ができなくなったと嘆いています。陛下にも心当たりはありませんか?私は薬の副作用も視野に入れたのですが?本人は陛下を治療する際に力を使い果たしたのでは?と思っています」
「うーん、時間がその件については解決させるかもしれないしなぁ。確かにナイーブな話だ。気に病むことはないと伝えてほしい」
「わかりました」
薬の副作用でもあれば万事解決と思ったのだけど、そんなこともないようで、時間が解決するかもしれないし、しないかもしれない。『聖女』ということに拘って生活をしない方がいいということだろう。
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