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第二部
33.聖女の事後処理3
歴代聖女様方の霊廟へ祈りを捧げて、大聖堂を後にしました。
ああ、そう言えば――。
教皇と枢機卿は『祝福』について何やら思い違いをしていたようですね。
『祝福』を受けることができれば精霊が己の身を守ってくれると。ですが、私たちが大聖堂を後にするときに、精霊たちは一緒についてきました。そのことに激しく不満を抱かれたような…………ああ、気のせいだったようですね。
彼らは、己の望んで置かれた境遇に狂喜乱舞が止まらないようなので。
貴方たちが欲しがっていた精霊の祝福です。
これからずっと、念願の『精霊の力』を身にまとっていられますよ。お気に召して頂けたようで、私もとても嬉しいです。
◇◆◇ ◇◆◇
国の統治については専門家に任せ、今後のことは運命に任せるしかないと思っていたのですが、『真の聖女様』が現れるのは明日かもしれません。
そう考えると……また諸々の後始末をさせられる可能性は否めないので、先手を打つことにしました。
前回捨て置いたのも、あんまりよくなかったのかなと今回の騒動で思った次第です。
――というわけで、今現在、人払いを行った謁見の間で陛下と向き合っています。人払いをするように私が言ったわけではありません。陛下が言い出したのです。
これは、私たちに対する誠意やらそういった理由ではないでしょう。
この場にいるのは、陛下、フレデリック殿下、ジャン様、リシュタンジェル公、そして私の五人のみです。
教皇らから話を聞いたのでしょうか?
陛下の真意は「自分の情けない姿を臣下には見せたくない」の一語に尽きるような気がします。顔面蒼白な情けない表情で対峙しているので。
事前に、「歴代の聖女様方に関する資料を全て見せて下さいね」とお願いしていた資料に目を通させていただいているのですが…………ありませんね。
「陛下、この資料の中には周知されていない『聖女様』についての記述がないようですね?」
「いや、あれは本当に我々の預かり知らぬ所で――」
「――無駄話に付き合う気はないのですが?」
どうしてお偉い方々というものはこう……意味のない時間稼ぎをしようとするのでしょうか。
◇
今から三十年ほど前――それは、本当に偶然のことだったそうです。
教会関係者の目にとまってしまったのです。とある田舎町にいた、『癒やしの力』を行使する女性の姿が。広くは噂になっていない状態でした。
『癒やしの力』は聖女の兆し、というのは周知の事実です。
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――難しい? ……馬鹿なことを。
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当時、王妃様の地盤は盤石で、陛下ですらも王妃様の発言を無視することはできないほどの権力を有していました。
神への信仰心が薄く、目先の利益に弱いこの国の王侯貴族の気質は、私も身にしみて分かっています。『真の聖女様』を目の前にしていたというのに、彼らは己の既得権益を守ることに必死だったのでしょう。
その結果、権力闘争に巻き込まれた心優しい聖女様であった彼女は、登城して一月も経たない内に――――病死されたそうです。
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