3 / 12
たから島のぼうけん3
しおりを挟む
黒い丸太で作られた橋を渡る。ふう、もうあんな大きなものはこりごりだ。そう思ったその時、
「ジャン!助けてくれ!」
見ると、クジラに飛ばされたはずの仲間が目の前にいた。
「イーワン、無事だったのか!」
「ああ、だけどな、ジャン、この先に頭の先から尻尾まで、一つの島くらいあるワニがいるんだ!」
「ワニだって?そんな大きいワニ、いるわけ…」
私が言いかけた時、
「シギャー!」
真っ赤な口を開けた黒緑色のワニが、私たちのほうに向かって突進してきた。ドカドカと音の立てている足の一本一本が、太い丸太のようだった。
「イーワン、こっちだ、早く!」
私は仲間にそう言うと、ワニの横をすり抜け、奥にある階段を目指して走り出した。
尻尾をひるがえし、ワニは私たちの方へ振り向く。開けた口は、まるで赤い洞窟のようだ。
「ジャン、これを!」
イーワンが堅そうな石を私に手渡した。力任せにワニへ投げつける。
「ゴアッ!」
石はワニの口にぶつかると、歯を折り取ってしまった。びっくりしたワニは大きな尻尾を引きずりながら、むこうのほうへにげていく。見るとワニの牙が落ちている。何かに役立つかもしれない。私はそれをポケットに入れると、先を急いだ。
「ジャン!助けてくれ!」
見ると、クジラに飛ばされたはずの仲間が目の前にいた。
「イーワン、無事だったのか!」
「ああ、だけどな、ジャン、この先に頭の先から尻尾まで、一つの島くらいあるワニがいるんだ!」
「ワニだって?そんな大きいワニ、いるわけ…」
私が言いかけた時、
「シギャー!」
真っ赤な口を開けた黒緑色のワニが、私たちのほうに向かって突進してきた。ドカドカと音の立てている足の一本一本が、太い丸太のようだった。
「イーワン、こっちだ、早く!」
私は仲間にそう言うと、ワニの横をすり抜け、奥にある階段を目指して走り出した。
尻尾をひるがえし、ワニは私たちの方へ振り向く。開けた口は、まるで赤い洞窟のようだ。
「ジャン、これを!」
イーワンが堅そうな石を私に手渡した。力任せにワニへ投げつける。
「ゴアッ!」
石はワニの口にぶつかると、歯を折り取ってしまった。びっくりしたワニは大きな尻尾を引きずりながら、むこうのほうへにげていく。見るとワニの牙が落ちている。何かに役立つかもしれない。私はそれをポケットに入れると、先を急いだ。
0
あなたにおすすめの小説
あだ名が242個ある男(実はこれ実話なんですよ25)
tomoharu
児童書・童話
え?こんな話絶対ありえない!作り話でしょと思うような話からあるある話まで幅広い範囲で物語を考えました!ぜひ読んでみてください!数年後には大ヒット間違いなし!!
作品情報【伝説の物語(都道府県問題)】【伝説の話題(あだ名とコミュニケーションアプリ)】【マーライオン】【愛学両道】【やりすぎヒーロー伝説&ドリームストーリー】【トモレオ突破椿】など
・【やりすぎヒーロー伝説&ドリームストーリー】とは、その話はさすがに言いすぎでしょと言われているほぼ実話ストーリーです。
小さい頃から今まで主人公である【紘】はどのような体験をしたのかがわかります。ぜひよんでくださいね!
・【トモレオ突破椿】は、公務員試験合格なおかつ様々な問題を解決させる話です。
頭の悪かった人でも公務員になれることを証明させる話でもあるので、ぜひ読んでみてください!
特別記念として実話を元に作った【呪われし◯◯シリーズ】も公開します!
トランプ男と呼ばれている切札勝が、トランプゲームに例えて次々と問題を解決していく【トランプ男】シリーズも大人気!
人気者になるために、ウソばかりついて周りの人を誘導し、すべて自分のものにしようとするウソヒコをガチヒコが止める【嘘つきは、嘘治の始まり】というホラーサスペンスミステリー小説
おっとりドンの童歌
花田 一劫
児童書・童話
いつもおっとりしているドン(道明寺僚) が、通学途中で暴走車に引かれてしまった。
意識を失い気が付くと、この世では見たことのない奇妙な部屋の中。
「どこ。どこ。ここはどこ?」と自問していたら、こっちに雀が近づいて来た。
なんと、その雀は歌をうたい狂ったように踊って(跳ねて)いた。
「チュン。チュン。はあ~。らっせーら。らっせいら。らせらせ、らせーら。」と。
その雀が言うことには、ドンが死んだことを(津軽弁や古いギャグを交えて)伝えに来た者だという。
道明寺が下の世界を覗くと、テレビのドラマで観た昔話の風景のようだった。
その中には、自分と瓜二つのドン助や同級生の瓜二つのハナちゃん、ヤーミ、イート、ヨウカイ、カトッぺがいた。
みんながいる村では、ヌエという妖怪がいた。
ヌエとは、顔は鬼、身体は熊、虎の手や足をもち、何とシッポの先に大蛇の頭がついてあり、人を食べる恐ろしい妖怪のことだった。
ある時、ハナちゃんがヌエに攫われて、ドン助とヤーミがヌエを退治に行くことになるが、天界からドラマを観るように楽しんで鑑賞していた道明寺だったが、道明寺の体は消え、意識はドン助の体と同化していった。
ドン助とヤーミは、ハナちゃんを救出できたのか?恐ろしいヌエは退治できたのか?
俺と犬
KAORUwithAI
児童書・童話
ある日拾った、一匹の芝犬。
「芝犬だから、シバ」――そんなノリで名付けたけど、こいつただの犬じゃない。
食べ物は狙うし、散歩は俺が引っ張られるし、時々人の言葉わかってない?って顔する。
これは、ちょっと間抜けな俺と、妙に賢い(気がする)犬シバの、
クスッと笑えて、ちょっとだけ心あたたまる日々の記録。
14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート
谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。
“スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。
そして14歳で、まさかの《定年》。
6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。
だけど、定年まで残された時間はわずか8年……!
――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。
だが、そんな幸弘の前に現れたのは、
「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。
これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。
描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。
「いっすん坊」てなんなんだ
こいちろう
児童書・童話
ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。
自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる