1 / 1
辛い結婚生活
しおりを挟む
「魔王を倒したら結婚しよう!」
「うん! だから最後の戦い頑張ろうね」
勇者と聖女。夫になる人と私にとってのチャペルは魔王城の魔王が控えていた一室だった。ちょっと変わった門出になったのだけどこれはこれでいいかもしれない。ここがどこか?そんな事より何を誓ったのか?が大事なのだ。
「魔王を倒したこの力で君を守る。例え、どんな事があっても!」
世界を救った勇者がそう言ってくれたのだからこれ以上頼もしい事はない。はずだった……。
「セシリーンさん、ちょっといいかしら?」
「何でしょうか? お継母様」
「このスープ、アレウスちゃんにはしょっぱ過ぎるのよ。何と言うか下品な味付けね」
一口飲んでみた。同じだ、以前作ったら彼が美味しいと一瞬で飲み干してくれた時の味。論より証拠、リビングで寝転がっている彼を呼んで私の正しさを証明してもらおう。
「うん。ママの言う通りだ、しょっぱくて飲めないね……」
「えっ?……」
「アレウスちゃん、スープも満足に飲ませてもらえないなんて可哀想ね。いいわ、私がこの国一の料理人を今すぐ呼び出すから」
「ママ! それじゃ王宮へ乗り込む事になっちゃうじゃないか」
「心配しなくていいのよ、国王には国土を半分もらっても足りないほどの貸しがある。それに世界を救った勇者アレウスの為なんだから国王には惜しむ権利がないの」
「あんまり勇者風を吹かせるのもどうかと思うんだけど」
「何を言っているの!? その名を示せば大抵のものがもらえる、最も効率よく稼げる盗賊。それが勇者なのよ」
母子の会話は途中から聞いていなかったが形だけは最後まで付き合わないと後が恐ろしい。その後、キッチンへ行き食器を洗う。耳から入って気持ちを汚してくれたものもついでにすすげる様な気がした。しばらくすると彼が静かに後ろに立ち抱き着いてきた。
「ごめんねセシリーン」
「……。どんな事があっても私を守ってくれるんじゃなかったの?」
「守るよ。でも、それには僕の命が続いていないと不可能だよね? かつて悪役令嬢として名を馳せたママは暗黒騎士lv999だから僕なんかじゃ一瞬で溶かされる……」
「魔王討伐は、あなたよりお継母様1人で向かってもらえばよかったんじゃないの?」
「ママのパーティが先代の魔王を倒した時、その傍らにいた赤ん坊が僕たちの戦った魔王らしいんだ。幼い頃の姿を見ているし、一度は見逃した命を奪うのは忍びないって言ってたよ」
「そこでサクっと仕留めてくれていれば、死ななくていい人間100万人の命が助かったのにね……」
「セシリーン! 聖女である君がそんな物言いをサラりとするだなんて」
「はっ! 私、疲れているのかも」
「今度どこかに出かけようね。たまには2人切りでゆっくり過ごそう」
今日は久し振りに夫と2人切りで買い物に出かける予定だ。魔王討伐以後、旅の途中でお世話になった各地の王家やら神殿やらへのあいさつ回りで忙しい想いをした。吟遊詩人たちが4行詩を創るとかで取材攻めにも遭った。のんびりとゆっくり過ごせる一時は心の底から待ち望んでいた。
「セシリーンさん、ここは戦場ですのよ! 聖女なんでしょ、いちいち私に指示される前に攻撃補助魔法をおかけなさい!!」
「私はそろそろMPが……。と言うか、いつの間に私達に合流していたのです?」
「アレウスちゃんの衣服を買うのでしょう? 私が選ばなくて誰が選ぶのです。そんな事より早く魔法をおかけなさい。取り返しのつかない事になったらどうするのです!!」
「ママ、それなら僕も出来るから」
「ダメよ! 勇者の力はここぞとの最後の最後まで温存するの。それがパーティメンバーの務めのはずよ。あなた、アレウスちゃんと一緒に旅してた時にこき使っていたんじゃないわよね!?」
「いえ、そんな事は! 我望む、彼の者を天馬の如く駆けさせたまえ、スピーダル! うぅ……、もう限界」
お継母様に行動速度があがる魔法をかけた。薄れゆく意識の中で見えたのはお継母様が物凄い勢いで大鎌を振り回し始めた姿だ。靴下がどっさり積まれたワゴンをかすめると器用に刃の先にひっかけては買い物かごに入れていく。隣の人が繰り出す槍の穂先を落とし、戦斧のいかつい刃をへし曲げて妨害しながら欲しいものを的確に狙っていた。
目を開ける。あれからどれほどの時間が経ったのだろう?ぼんやりと見え始めたのは私の顔を覗き込むお継母様だった。何だか目の辺りが濡れている。
「目が覚めたわね。セシリーンさん、大丈夫?」
「はい。大丈夫でっ……」
大丈夫と最後まで言えなかった。お継母様の鋭い拳が鳩尾に落ちてきたからだ。そして、私に覆い被さる様にしながら耳元で囁いた。
「他の買い物客が振り回した棍棒で頭を打った事にしているのよ。この商店を安全対策がなっていないと脅して慰謝料をとるから、ちゃんと苦しみなさい。いいわね」
「えっ?……」
ドスッ!
「違うでしょ」
「うぅ……、頭が割れそう」
にこりと微笑むお継母様を見て記憶の奥底にあったものが呼び起された。
(あの時の……。私達を見据えた魔王の目とそっくりだ)
私と彼が結婚してもう3年になる。つまり、耐え続けて3年になる。今、魔王より遥かに恐ろしかったお継母様の顔を上から覗き込んでいる。さすがに寄る年波には勝てず、ふさぎ込みがちになりそのまま起き上がるのも難しくなった様だ。
「セシリーンさん、ちょっといいかしら?」
「何でしょう? お継母様」
「この大鎌をあなたに、と思って。形見として受け取ってくれますかしら?」
「形見だなどと……。それに、いつものお継母様であれば尋ねるのではなく、受け取りなさいとお命じになられるはずです。気弱な事をおっしゃらないで下さいませ」
「コホッコホッ……。そうですわね、ならばこれを受け取りなさい。断る事は許しませぬ!」
「はい」
両手にその重みを受け止めた時、お継母様の死期が本当に迫っているのだと感じた。不思議なものだ、ずっと私を苦しめ続けた人でもいなくなってしまうのだと思えばどこか寂しい。どんなものでも日常は日常、それが少しでも変化する時に人はもの悲しさを覚えるものなのだろうか。
「セシリーンさん、瞳の辺りをうるうるとさせて何ですかそのみっともない顔は? 勇者の妻として背筋を正し、泣く事は許しませぬ。私が逝った後になさい」
お継母様はその手をそっと私のお腹に当てた。
「孫の顔を見ぬままというのは口惜しいところですが、それを言っても仕方ありませぬ。いずれあなたが産むのは勇者の子です。しかし、勇者の子が全て優れているとは限りません。どうしようもないクズの場合もあるでしょう」
「お継母様、何と恐ろしい事を……」
「セシリーンさん、恐ろしいのは世の人々の目なのですよ。実態がどんなにクズであろうと勇者の子供として希望を重ねてしまう。だからこそ、その母はどんな手を使ってでもクズをせめてそこそこの人物にまで育てなければならない。もちろん、そこまで出来たなら更に上を目指す必要もあります」
横になっていたお継母様は途中から半身を起こして私に語り掛けた。まるで、残された命を燃やすかの様に。
「勇者に嫁ぐという事は世に身を捧げるも同じ。聖女だったあなたには、それを成す為の厳しさが欠けていたのですよ」
「まさか、それを教える為に殊更厳しく!?」
「私が産んだアレウスはクズを鍛え上げたそこそこの男です。それが私の限界でした。我が一族の血脈、またクズになってもおかしくないのです。ですから、セシリーンさん。あなたには……ゴホッゴホッ」
「うぅ、お継母様」
「言ったでしょ、私が逝くまで泣く事は許さぬと」
お継母様は再び横になって大鎌の上に手を置いた。
「さよなら。セシリーンさんを守ってね」
嫁いで以来初めて見る顔だった。かつて悪役令嬢として名を馳せ、私にとって恐ろしい姑だったお継母様が女神の様な優しさ溢れる輝かしい顔になっていた。瞳から滴が零れ落ちると静かに目を閉じた。その瞬間、大鎌に置かれた手がダラリと落ちた。
「お継母様~~~~!!」
最後の約束は守った。その手を握りしめるとたまらず私の瞳から涙がこぼれた。そして、その手を濡らした。
「おっほっほっ! セシリーンさん、ちゃんと私の言いつけを守った様だね」
「あれ? お継母様、今死んだのではございませんか?」
「ああ、確かに死んだ。しかし、聖女が強い想いを抱く人の為に流した涙にはその者を蘇生させる力があったはずだよ」
「そう言えばそうでした。でも、偶然ですが使ったのは初めてです」
「それが偶然じゃないのよ。私の事を強く想う様に意識を操作した。死ぬ前に泣かれても意味がないから待たせたのさ。おっほっほっ!!」
「なっ、なんと……。まさか、勇者の子供を産む母の心構えは適当なでたらめ?」
「……。さあ、どうだろうね。とにかく、セシリーンさんには世の厳しさというものをもっと教えてあげないとね。またいびり抜くわよ、あっはっはっ!」
「ひぃぃぃっ~~~~!!」
こんなに辛い事はない……。そう感じていた3年間は序章に過ぎなかったようだ。
「うん! だから最後の戦い頑張ろうね」
勇者と聖女。夫になる人と私にとってのチャペルは魔王城の魔王が控えていた一室だった。ちょっと変わった門出になったのだけどこれはこれでいいかもしれない。ここがどこか?そんな事より何を誓ったのか?が大事なのだ。
「魔王を倒したこの力で君を守る。例え、どんな事があっても!」
世界を救った勇者がそう言ってくれたのだからこれ以上頼もしい事はない。はずだった……。
「セシリーンさん、ちょっといいかしら?」
「何でしょうか? お継母様」
「このスープ、アレウスちゃんにはしょっぱ過ぎるのよ。何と言うか下品な味付けね」
一口飲んでみた。同じだ、以前作ったら彼が美味しいと一瞬で飲み干してくれた時の味。論より証拠、リビングで寝転がっている彼を呼んで私の正しさを証明してもらおう。
「うん。ママの言う通りだ、しょっぱくて飲めないね……」
「えっ?……」
「アレウスちゃん、スープも満足に飲ませてもらえないなんて可哀想ね。いいわ、私がこの国一の料理人を今すぐ呼び出すから」
「ママ! それじゃ王宮へ乗り込む事になっちゃうじゃないか」
「心配しなくていいのよ、国王には国土を半分もらっても足りないほどの貸しがある。それに世界を救った勇者アレウスの為なんだから国王には惜しむ権利がないの」
「あんまり勇者風を吹かせるのもどうかと思うんだけど」
「何を言っているの!? その名を示せば大抵のものがもらえる、最も効率よく稼げる盗賊。それが勇者なのよ」
母子の会話は途中から聞いていなかったが形だけは最後まで付き合わないと後が恐ろしい。その後、キッチンへ行き食器を洗う。耳から入って気持ちを汚してくれたものもついでにすすげる様な気がした。しばらくすると彼が静かに後ろに立ち抱き着いてきた。
「ごめんねセシリーン」
「……。どんな事があっても私を守ってくれるんじゃなかったの?」
「守るよ。でも、それには僕の命が続いていないと不可能だよね? かつて悪役令嬢として名を馳せたママは暗黒騎士lv999だから僕なんかじゃ一瞬で溶かされる……」
「魔王討伐は、あなたよりお継母様1人で向かってもらえばよかったんじゃないの?」
「ママのパーティが先代の魔王を倒した時、その傍らにいた赤ん坊が僕たちの戦った魔王らしいんだ。幼い頃の姿を見ているし、一度は見逃した命を奪うのは忍びないって言ってたよ」
「そこでサクっと仕留めてくれていれば、死ななくていい人間100万人の命が助かったのにね……」
「セシリーン! 聖女である君がそんな物言いをサラりとするだなんて」
「はっ! 私、疲れているのかも」
「今度どこかに出かけようね。たまには2人切りでゆっくり過ごそう」
今日は久し振りに夫と2人切りで買い物に出かける予定だ。魔王討伐以後、旅の途中でお世話になった各地の王家やら神殿やらへのあいさつ回りで忙しい想いをした。吟遊詩人たちが4行詩を創るとかで取材攻めにも遭った。のんびりとゆっくり過ごせる一時は心の底から待ち望んでいた。
「セシリーンさん、ここは戦場ですのよ! 聖女なんでしょ、いちいち私に指示される前に攻撃補助魔法をおかけなさい!!」
「私はそろそろMPが……。と言うか、いつの間に私達に合流していたのです?」
「アレウスちゃんの衣服を買うのでしょう? 私が選ばなくて誰が選ぶのです。そんな事より早く魔法をおかけなさい。取り返しのつかない事になったらどうするのです!!」
「ママ、それなら僕も出来るから」
「ダメよ! 勇者の力はここぞとの最後の最後まで温存するの。それがパーティメンバーの務めのはずよ。あなた、アレウスちゃんと一緒に旅してた時にこき使っていたんじゃないわよね!?」
「いえ、そんな事は! 我望む、彼の者を天馬の如く駆けさせたまえ、スピーダル! うぅ……、もう限界」
お継母様に行動速度があがる魔法をかけた。薄れゆく意識の中で見えたのはお継母様が物凄い勢いで大鎌を振り回し始めた姿だ。靴下がどっさり積まれたワゴンをかすめると器用に刃の先にひっかけては買い物かごに入れていく。隣の人が繰り出す槍の穂先を落とし、戦斧のいかつい刃をへし曲げて妨害しながら欲しいものを的確に狙っていた。
目を開ける。あれからどれほどの時間が経ったのだろう?ぼんやりと見え始めたのは私の顔を覗き込むお継母様だった。何だか目の辺りが濡れている。
「目が覚めたわね。セシリーンさん、大丈夫?」
「はい。大丈夫でっ……」
大丈夫と最後まで言えなかった。お継母様の鋭い拳が鳩尾に落ちてきたからだ。そして、私に覆い被さる様にしながら耳元で囁いた。
「他の買い物客が振り回した棍棒で頭を打った事にしているのよ。この商店を安全対策がなっていないと脅して慰謝料をとるから、ちゃんと苦しみなさい。いいわね」
「えっ?……」
ドスッ!
「違うでしょ」
「うぅ……、頭が割れそう」
にこりと微笑むお継母様を見て記憶の奥底にあったものが呼び起された。
(あの時の……。私達を見据えた魔王の目とそっくりだ)
私と彼が結婚してもう3年になる。つまり、耐え続けて3年になる。今、魔王より遥かに恐ろしかったお継母様の顔を上から覗き込んでいる。さすがに寄る年波には勝てず、ふさぎ込みがちになりそのまま起き上がるのも難しくなった様だ。
「セシリーンさん、ちょっといいかしら?」
「何でしょう? お継母様」
「この大鎌をあなたに、と思って。形見として受け取ってくれますかしら?」
「形見だなどと……。それに、いつものお継母様であれば尋ねるのではなく、受け取りなさいとお命じになられるはずです。気弱な事をおっしゃらないで下さいませ」
「コホッコホッ……。そうですわね、ならばこれを受け取りなさい。断る事は許しませぬ!」
「はい」
両手にその重みを受け止めた時、お継母様の死期が本当に迫っているのだと感じた。不思議なものだ、ずっと私を苦しめ続けた人でもいなくなってしまうのだと思えばどこか寂しい。どんなものでも日常は日常、それが少しでも変化する時に人はもの悲しさを覚えるものなのだろうか。
「セシリーンさん、瞳の辺りをうるうるとさせて何ですかそのみっともない顔は? 勇者の妻として背筋を正し、泣く事は許しませぬ。私が逝った後になさい」
お継母様はその手をそっと私のお腹に当てた。
「孫の顔を見ぬままというのは口惜しいところですが、それを言っても仕方ありませぬ。いずれあなたが産むのは勇者の子です。しかし、勇者の子が全て優れているとは限りません。どうしようもないクズの場合もあるでしょう」
「お継母様、何と恐ろしい事を……」
「セシリーンさん、恐ろしいのは世の人々の目なのですよ。実態がどんなにクズであろうと勇者の子供として希望を重ねてしまう。だからこそ、その母はどんな手を使ってでもクズをせめてそこそこの人物にまで育てなければならない。もちろん、そこまで出来たなら更に上を目指す必要もあります」
横になっていたお継母様は途中から半身を起こして私に語り掛けた。まるで、残された命を燃やすかの様に。
「勇者に嫁ぐという事は世に身を捧げるも同じ。聖女だったあなたには、それを成す為の厳しさが欠けていたのですよ」
「まさか、それを教える為に殊更厳しく!?」
「私が産んだアレウスはクズを鍛え上げたそこそこの男です。それが私の限界でした。我が一族の血脈、またクズになってもおかしくないのです。ですから、セシリーンさん。あなたには……ゴホッゴホッ」
「うぅ、お継母様」
「言ったでしょ、私が逝くまで泣く事は許さぬと」
お継母様は再び横になって大鎌の上に手を置いた。
「さよなら。セシリーンさんを守ってね」
嫁いで以来初めて見る顔だった。かつて悪役令嬢として名を馳せ、私にとって恐ろしい姑だったお継母様が女神の様な優しさ溢れる輝かしい顔になっていた。瞳から滴が零れ落ちると静かに目を閉じた。その瞬間、大鎌に置かれた手がダラリと落ちた。
「お継母様~~~~!!」
最後の約束は守った。その手を握りしめるとたまらず私の瞳から涙がこぼれた。そして、その手を濡らした。
「おっほっほっ! セシリーンさん、ちゃんと私の言いつけを守った様だね」
「あれ? お継母様、今死んだのではございませんか?」
「ああ、確かに死んだ。しかし、聖女が強い想いを抱く人の為に流した涙にはその者を蘇生させる力があったはずだよ」
「そう言えばそうでした。でも、偶然ですが使ったのは初めてです」
「それが偶然じゃないのよ。私の事を強く想う様に意識を操作した。死ぬ前に泣かれても意味がないから待たせたのさ。おっほっほっ!!」
「なっ、なんと……。まさか、勇者の子供を産む母の心構えは適当なでたらめ?」
「……。さあ、どうだろうね。とにかく、セシリーンさんには世の厳しさというものをもっと教えてあげないとね。またいびり抜くわよ、あっはっはっ!」
「ひぃぃぃっ~~~~!!」
こんなに辛い事はない……。そう感じていた3年間は序章に過ぎなかったようだ。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
出来損ないの私がお姉様の婚約者だった王子の呪いを解いてみた結果→
AK
恋愛
「ねえミディア。王子様と結婚してみたくはないかしら?」
ある日、意地の悪い笑顔を浮かべながらお姉様は言った。
お姉様は地味な私と違って公爵家の優秀な長女として、次期国王の最有力候補であった第一王子様と婚約を結んでいた。
しかしその王子様はある日突然不治の病に倒れ、それ以降彼に触れた人は石化して死んでしまう呪いに身を侵されてしまう。
そんは王子様を押し付けるように婚約させられた私だけど、私は光の魔力を有して生まれた聖女だったので、彼のことを救うことができるかもしれないと思った。
お姉様は厄介者と化した王子を押し付けたいだけかもしれないけれど、残念ながらお姉様の思い通りの展開にはさせない。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
悪役令嬢の大きな勘違い
神々廻
恋愛
この手紙を読んでらっしゃるという事は私は処刑されたと言う事でしょう。
もし......処刑されて居ないのなら、今はまだ見ないで下さいまし
封筒にそう書かれていた手紙は先日、処刑された悪女が書いたものだった。
お気に入り、感想お願いします!
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
悪役令嬢のビフォーアフター
すけさん
恋愛
婚約者に断罪され修道院に行く途中に山賊に襲われた悪役令嬢だが、何故か死ぬことはなく、気がつくと断罪から3年前の自分に逆行していた。
腹黒ヒロインと戦う逆行の転生悪役令嬢カナ!
とりあえずダイエットしなきゃ!
そんな中、
あれ?婚約者も何か昔と態度が違う気がするんだけど・・・
そんな私に新たに出会いが!!
婚約者さん何気に嫉妬してない?
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる