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始まりの章
第一話 誕生
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「はぁ、はぁ、はぁ...」
ある王国の外れにある貧民街.....そこを走り抜ける栗色の髪の青年がいた。
彼は上下ともに上品な身なりで腰元には美しい装飾が施された鞘に収められた剣を差していたる。一見貴族の出のようでとても貧民街とは縁が無さそうな青年。
しかし彼には理由がありこの貧民街を駆け巡っている。
「カインさん!こっちですよ!」
青年──カインを見かけたボロボロの衣服を着込んだ男がカインの名を呼び誘導する。
「ありがとう!」
カインは男の示した道を行き走り続ける。その道を真っ直ぐ行くと目の前には人だかりが出来たボロボロのテントのような家だった。
「! やっときたよ!」
「待ってたぜ大将!」
「カイン兄ちゃん早く早く!」
家の周りに集まっているのは皆この貧民街の住人。老若男女、子供らがカインを待ちわびたかのように声をかけ道を開けカインは開けた道を通り家に入り込む。
「アリシア!」
「.....! カイン...!」
カインがアリシアと呼んだ紅髪碧眼の女性は年寄りの女性や子供達を始め多くの人に囲まれながら布団で寝転んでいた。
カインの視線はそのアリシアの腕の懐で静かに眠る小さな赤ん坊。その赤ん坊はアリシアと同じ紅髪であった。
「ああ...ああ...!!」
カインはアシリア、そして赤ん坊を見て笑みを浮かべその瞳から涙を流す。
「...かわいい男の子ですよ。よかったですねカインさん」
おそらく産婆であろう優しい顔をした老婆はカインに向け語る。
「よく....頑張ったな、アリシア...!」
「カイン....ほら、貴方も抱っこしてあげて?」
そういいアリシアは静かに眠る赤ん坊を優しく、そっと抱き上げカインの腕元へ渡す。
「はは....こんなにちっちゃいんだなぁ....。生まれてきてくれて、ありがとうな....!」
「やっほー!!」
「おめでとう二人共!」
「アリシアちゃん、カインさん....これからは家族3人で幸せになるんだぞ!」
「今日は俺達が盛大に祝ってやろう!」
周りに集まった貧民街の住人たちも共に喜んでくれる。彼らにとってアリシア...そしてカキンも家族同然の存在。家族の幸せを喜ぶのは当然だ。
「そういえばアリシア....この子の名前は?」
「さっき決めたわ。この子の名前は....」
赤ん坊の頭を優しく撫でながら、アリシアは赤ん坊の名を呼ぶ。
「アゼム.....。私たちの大切な子供。私たちの間に生まれてきてくれて....本当にありがとう、アゼム...!」
カインとアリシアの子 アゼム。この赤ん坊が生まれたその瞬間、運命の歯車は静かに、少しずつハマり、そして動き出す。
ある王国の外れにある貧民街.....そこを走り抜ける栗色の髪の青年がいた。
彼は上下ともに上品な身なりで腰元には美しい装飾が施された鞘に収められた剣を差していたる。一見貴族の出のようでとても貧民街とは縁が無さそうな青年。
しかし彼には理由がありこの貧民街を駆け巡っている。
「カインさん!こっちですよ!」
青年──カインを見かけたボロボロの衣服を着込んだ男がカインの名を呼び誘導する。
「ありがとう!」
カインは男の示した道を行き走り続ける。その道を真っ直ぐ行くと目の前には人だかりが出来たボロボロのテントのような家だった。
「! やっときたよ!」
「待ってたぜ大将!」
「カイン兄ちゃん早く早く!」
家の周りに集まっているのは皆この貧民街の住人。老若男女、子供らがカインを待ちわびたかのように声をかけ道を開けカインは開けた道を通り家に入り込む。
「アリシア!」
「.....! カイン...!」
カインがアリシアと呼んだ紅髪碧眼の女性は年寄りの女性や子供達を始め多くの人に囲まれながら布団で寝転んでいた。
カインの視線はそのアリシアの腕の懐で静かに眠る小さな赤ん坊。その赤ん坊はアリシアと同じ紅髪であった。
「ああ...ああ...!!」
カインはアシリア、そして赤ん坊を見て笑みを浮かべその瞳から涙を流す。
「...かわいい男の子ですよ。よかったですねカインさん」
おそらく産婆であろう優しい顔をした老婆はカインに向け語る。
「よく....頑張ったな、アリシア...!」
「カイン....ほら、貴方も抱っこしてあげて?」
そういいアリシアは静かに眠る赤ん坊を優しく、そっと抱き上げカインの腕元へ渡す。
「はは....こんなにちっちゃいんだなぁ....。生まれてきてくれて、ありがとうな....!」
「やっほー!!」
「おめでとう二人共!」
「アリシアちゃん、カインさん....これからは家族3人で幸せになるんだぞ!」
「今日は俺達が盛大に祝ってやろう!」
周りに集まった貧民街の住人たちも共に喜んでくれる。彼らにとってアリシア...そしてカキンも家族同然の存在。家族の幸せを喜ぶのは当然だ。
「そういえばアリシア....この子の名前は?」
「さっき決めたわ。この子の名前は....」
赤ん坊の頭を優しく撫でながら、アリシアは赤ん坊の名を呼ぶ。
「アゼム.....。私たちの大切な子供。私たちの間に生まれてきてくれて....本当にありがとう、アゼム...!」
カインとアリシアの子 アゼム。この赤ん坊が生まれたその瞬間、運命の歯車は静かに、少しずつハマり、そして動き出す。
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