バルファ旅行記

はるば草花

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バルファ旅行記つー

つー11

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「オミが望むなら、俺は協力しよう」

「…ありがとう」


何故そんな結論になったし。
またあの印象的な瞳が目の前にあるから、俺は近さに文句も言わず瞳を見つめる。

なんだか妙な空気になってる気がするが目をそらせない。けれどあることを思い出したことで、その空気をやぶった。


「そうだ!セイナ。昼間のあれ、」


ポケットに入れていたお宝を取り出す。


「これってなんなんだ?」


仕掛けから取り出したお宝だ。説明途中でトラブルが起こったんだよな。忘れるとこだった。
お宝は大きめのコインのようなサイズで、全体はくすんでいるが金で模様があり、赤い宝石が目立つ。


「ああ…」


なにかとても残念そうな声に聞こえる。


「それはたぶん印だな。この神殿に関係するような。詳しくは分からないが、証明用に使ってたんじゃないか?」

「へえ。…なんでセイナはそんなことが分かるんだ?」

「その模様を見たことがある。この神殿に関連することは書物でたくさんあるからな」

「なるほど。しかし小さい頃からここを離れていたのに詳しすぎるぞ」


英語を話せないハーフとかたくさんいるじゃないか。


「そりゃ簡単に帰ってたからな。…秘密だが、寮の部屋からすぐにこっちにこれる仕様になってるんだ。なんで、時間があればこっちに来てた。風紀委員になってからは忙しくて少なくなっていたが」

「そうか…。いいな」


故郷なんだから羨ましがられても困るだろうけど。


「これからはオミもそうなれるさ。ほら、もう戻るぞ。身体を動かしたから休ませないとな」

「…ん」


そんなふうになるだろうか。その気ではあるが、不安に思う。今はバルファにいるっつーのにな。

それから戻って壁を背にして座って眠ることにした。冷えるからと誠那が隣にいる。広いのにわざわざ狭くないかと思ったが、たしかに温かかった。

そういえば、向こうに帰れなくていいと考えたけど、1つ気になるのは、やはり向こうにいるかもしれないラルクスだな。

今度誠那にそのこと話してみようかな。そうすれば見つけ方とか分かるかもしれない。


「あー!なにそれ。なんでそんなに仲良しなわけー?!」


間抜けな叫びで目が覚めた。


「あ?」


きゃんきゃん言う一十が何を騒いでいるのかと思ったら、いつのまにか誠那と密着度が高い状態になってた。寝る時は、肩がわずかに触れ合う程度だったはず。


「昨日冷えてたから近くで寝たらいつのまにかこんな感じになってただけだ」

「うーむ。委員長がわざと近づいたんじゃないのー?」


誠那も一十の騒ぎで目を覚ましている。少しぼんやりした姿は面白い。


「…だったらこんな中途半端なことせずがっちり抱きついてるだろ」

「そこは、恥ずかしくてできなかったとか?」

「馬鹿馬鹿しい」


一十の考えを誠那はばっさり切った。


「ぐはっ。ひどい。俺けっこう繊細なのにー」

「おーい。起きたなら準備すんぞ」

「おー」


どこかに行ってたっぽいルーバルトが戻ってきて呼んでいる。泣き真似を始めた一十をおいてルーバルト達のもとに行った。後ろで慌ててついていくる音がする。


天候は晴れて問題なく戻ってこれた。捕まえた奴らは神殿に放置してあり、連絡を受けた警備の人間が連れていく。


「初日にずいぶん働かせることになったが、実力も見れて堂々とオミを推薦したことが自慢できる。今後もよろしく頼むな」


部屋で落ち着いてだらけていたら、報告のすんだルーバルト達が戻ってきた。


「むろんだ。こちらこそよろしく頼む」


バルファ生態学者への道だからな。


「だけど今回みたいなのはごめんだよー」


一十がだらけたままに不満を言う。


「なんだ。軟弱だな。そんなことで今後やってけるのかよ」

「悪い奴を叩きのめすのはいいけど、突然の野宿とかは勘弁してほしいんだってー」

「…ああ」


それでも一泊くらいなんてことないだろと言いたいところだが、準備がほとんどなかったからな。色々とな…。


「ま、あんなこと普通、遭遇なんてしないだろ。お前らの運命だったんだからしょうがねえ。とにかく今回はよくやった。早く帰りたいか?」

「ものっそい帰りたいです!」


そうだな、と一十に同意して俺も頷く。色々とな…。
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