バルファ旅行記

はるば草花

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バルファ旅行記つー

つー15オマケ2

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「香方会長」

「…………なんだ」


食堂にくれば、俺の親衛隊隊長如月に声をかけられたので目線だけ向ける。

親衛隊とは、対象者を守る存在であるが、如月はどう見ても守られる側だ。男にしとくのがもったいないくらい、可愛らしい。性格もお淑やかって感じなんだよな。

ファンクラブの延長みたいなものなんだろうから別に強そうである必要はないんだろうけど。


「連休の間、寮からお出になられていなかったので、お顔を拝見したく参りました」


心配でもかけたか?

こんな可愛い顔でも隊長で、俺が連休の間中、寮の部屋から出ていないと知って連絡してきたんだよ。

予定が未定だったとはいえ、一応、安心するいい訳を言っておくべきだった。

帰ってきても食事を誠那の部屋で食べたから、食事とかどうしたんだろうと思ったんだろう。部屋には保存食が少しあったんで、それを食べたりしたと伝えておいた。それでも顔を見ないと安心できなかったわけか。


「……伝えてある通りだ」

「はい。お顔を見て何も心配する必要はなかったと思いました。何かよいことでもありましたか?」


ほんわりした笑顔になった如月。もう女でいい気がする。


「……そう見えるか?」

「はい。そう見えます」

「…そうか。なら、そうなんだろう」

「それは良かった。あ、立ち話が長くなってしまいました。それでは失礼します」


礼をして如月は離れていった。よくできた嫁になりそうだ。といっても俺みたいな愛想のない人間の嫁になるなんて、親衛隊とはいえ嫌だろうな。


食堂には、騒がれて大変な役員の為の役員専用席があるので、その一角に向かう。


「おっはよー、会長」


朝でもテンション高い会計が寄ってきた。ここはバルファじゃないんだ。テンション高くある必要がどこにある?

会計にもちらっと視線だけを向け席についた。


「はううう。つめたい…。会長が会長に戻ってる…。違うよね?俺の妄想とか夢と違うよね?行ったよね、バル…ぐはっ」


馬鹿が。いくらお前は親のコネで、特殊警察で、守秘義務の書類にサインしてないとしても、バルファのことを軽々しく口にするんじゃない。言葉を遮る為に足を蹴って止めた。


「この痛みは同じだ。やっぱり会長だ」


嬉しそうに痛みで判断とかやめとけ。そしてどういう意味の会長だ。


「かいちょぉ……」


完全に計算での目をうるうるさせて俺を見つめる会計が、視線の端で嫌でも見えてしまう。
溜息をしたら一十の身体がびくつく。失礼な。

テーブルの上をこつこつと叩く。


「?」

「食わないのか?」


少しだけ一十のほうに顔も向けてやる。


「か、かいちょうっ」


理解した一十は嬉々として向かいの席に座った。

その後まで面倒は見れないので会話はしなかったが、一十は気にした様子もなく話をするので、相槌だけはしといてやった。

そのことで、伝統ある新聞部により、

会長についにお友達が?!相手は同じ役員の会計様!

とかいう見出しの新聞が号外としてその日の昼には出回ったのは解せない。

ぼっちだと思われていたのか。友達は………どうだろう。

友達の基準は分からないが、肩を組んで俺達友達だよな!とか、父さん、こいつが俺の友達、とかのイベントはしたことがない。一十には多いにありそうだ。

まあ、いい。今までもしかしたらぼっちだったのかもしれないが、今は一十と誠那がいるからいいんだ。

よし、そこは友達でいいんだよイベントはゲット済みだから、次は、肩を組んで俺達友達だよなをまずは誠那としよう。一十は調子に乗るからまだしてはやらない。

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