アーリウムの大賢者

佐倉真稀

文字の大きさ
35 / 115
ラーン王国編ープロローグー(他視点)

春を売る 後編※

しおりを挟む
「早速しようぜ?俺、しばらくこれなくなるし。」

 お互いに浄化をかけて服を脱ぐ。主導権は僕だ。



「どこか遠征?」

 首を傾げて、ベッドに座る彼を見上げる。僕は床に跪いて彼の足の間に入り込む。彼のメイルの象徴を手で扱いて勃ち上がらせた。



 彼の象徴はメイルとしては普通の部類だ。フィメルより大きく、メイルの中では平均的。たまにすごく大きなメイルもいるけど、受け入れる側は大変だから彼くらいがいい。手で扱き続けると先端から透明な滴が出る。



 それをぺろりと舐めた。彼がびくりと震えた。

 彼のそれは甘い。悔しいが、僕と彼の魔力の相性は最高なのだ。



「ああ。見習いたちを引率して、岩山ダンジョンへ行く。二週間ほど、王都を留守にする。」

 ダンジョン?そんなのがあったのか、この国にも。



「危険なの?」

 彼は少し、欲情に浮かされた目で僕を見て、静かに首を横に振った。

「いや?難易度は初級冒険者程度だから、見習いたちのランクより低いだろうと見ている。安全に経験を積ませる実習なのさ。」

 彼は肩を竦めておどけて見せた。じゃあ、無事に帰ってくるんだろう。



「そうなんだね。お疲れ様。無事に帰ってきたらサービスするからね?」

 彼の象徴を口に入れて吸い上げる。舌で割れ目を刺激すると蜜が溢れる。それを啜って、唇で幹を扱いた。

「…ッ…で、出る…」

 口の中に熱い精液が溢れた。他のメイルのは苦くて臭いのに、彼のだけ甘い。それがなんだかむなしくて、泣けてくる。ごくりと飲み込んで、幹を丁寧に舐めて口を離した。



 立ち上がって彼を押し倒す。

「今日はサービス。僕に任せて。」

 彼の上に跨り、みせつけるように自分のそれを扱いて刺激した。彼が喉を鳴らす音が聞こえ、僕のその行為をじっと見つめた。腰を上下させて、尻で、彼のそれを擦る。

 するとたちまち、彼のが勃ち上がった。それを尻の谷間で挟むようにして擦った。



「…あん…おっきくなってる…」

 唇を舌で舐めて見せて、熱のある瞳で見つめた。自分の先走りで濡れた指を彼の腹の上に滑らせた。

「リンドの、大きいのちょうだい?」

 後ろ手に彼の昂りを握り、その上に腰を下ろす。先端が僕の後孔へと入って来て、顎をあげて目を閉じる。ゆっくりと降ろした腰が彼を全て飲み込んだ。

「は…気持ちいい…」

 しばらく彼の大きさに馴染むように動かずにいると、彼のが堅く大きくなるのがわかった。膝立ちになって腰を上下させた。前への刺激で、僕の後孔は濡れてうねっている。



 彼の昂りを奥に欲しいと、感じてる。感じるとあとがつらくなるのに、彼の魔力の気持ちよさに僕も気持ちよくなる。

「やばい、めちゃくちゃ、いい…ヴェスナ…」

 彼が突き上げてきた。彼の魔力が身体の中に入って来て、快感をもたらす。



「あっ…あんッ…」

 僕も、自分の魔力を彼に注いだ。そうすると、すぐに彼は果てて、魔力の塊である精液を吐きだした。

 その瞬間びくっと僕は大きく震えて仰け反った。彼の魔力が身の内を巡る感覚に震えて達した。彼の腹の上に撒き散らしてしまう。



「はあ…ヴェスナ…凄かった…」

 彼が起き上がると自然に抜けた。そうして僕を抱き込んで寝転がる。今日は朝までコースだった。彼は早いから、充分に寝る時間が取れるのだけど、それでいいのかと思う。

 前戯もなにもなしだから僕は疲れはしないけど、今後の彼の未来の恋人に悪い気がした。

 たまたま最初の相手が、魔力の相性がいい相手だなんて。



 きっと彼は比べてしまう。

 彼が結婚できなかったら僕のせいかもしれない。



 あれから二週間以上たった。まだ、彼は来ない。少し、心配になる。

 彼は、将来有望な騎士だと噂されているから、こんな心配は杞憂だと思うけど。





 お昼を食べたすぐあとくらいか。悪寒が背中を走った。



 なんだ、これ…。恐怖がせり上がって来て自分を己の腕で抱きしめた。

「どうしました?ヴェスナ様…」

 見習いが僕の様子の変化に心配そうに声をかけてくる。

「いや、何でも…」

 思わず立ち上がって窓の外を見た。北の方からこっちに向かってくる、恐ろしい魔力。何か魔物が来るのだろうか?

 それは王都に入って来て、城の方へ向っていった。

 こんな魔力は、感じたことがない。遠くにいるのに、圧倒的な力を感じるなんて。

 何か、起こるのだろうか。



 そんな予感は当たらずに、それから数日後、娼館から出られる日があって、護衛と一緒に買い物に出た。

 世話になった魔術師が配置換えになるから、贈り物をしようと出てきたのだった。

 雑貨店への道を歩いていると、帯剣をしたリンドがいた。隣には金髪の、少年がいた。



 その少年を見た瞬間、数日前の悪寒がぶり返した。

 あの子、あの子だ。いや違う、あの子を覆っている、虹色の魔力だ。あれが怖い。あんなに大量の魔力。あの子の魔力は、透明だ。その魔力は一筋、魔の森の方へと延びていた。多分、そっちの方に虹色の魔力の持ち主がいるのだろう。怖いくらいの執着だった。



「あれ、ヴェスナ。珍しいな。」

 声を掛けられてしまった。もう、娼人にホイホイ声かける騎士って、いないよ!

「こんにちは。お久しぶりです。もう帰ってらっしゃったんですか?」

 隣にいる少年が会釈して、自分とリンドを見比べた。

「ああ、こいつがダンジョンで罠にかかってさ。ちょっと帰還が遅れたんだ。」

 そうリンドが言うと、むっとした顔を少年がした。ああ、この少年の魔力ではないのに、恐ろしさに身体が竦む。



「無事でよかったじゃないですか。」

 罠にかかったのが彼じゃなくてよかったと安堵している自分がいた。



「ああ。誰も欠けなかったしな。」

 にこにこした顔で、ぐしゃぐしゃと隣の少年の髪を乱す彼に、何故か、胸が痛んだ。



「先を急ぎますので。では。」

 特定の客と親しくするのは推奨されない。身請けするような、裕福な客ならいざ知らず。

 護衛は見張りでもある。立ち去らなければと自分を叱咤する。



「ああ、またな!」

 明るい声にますます胸が苦しくなった。魔術師への贈り物を選んでいても、二人の姿が浮かんで来て、集中できなかった。

 それでもその贈り物は魔術師の彼に喜んでもらえた。王都から出て、辺境勤めになると言っていたから、もう会えないだろう。彼の魔法の講義は面白かった。本当は高いお金を払わなければ教えてもらえないことをたくさん学んだ。彼は教えるのが楽しいと言ってさえくれた。

 彼のような人を好きになればよかった。だけど…。



「ようヴェスナ。来たぜ!」

 街で会ってから1週間後に彼はまたやってきた。遠征の後始末に忙しかったんだそうだ。

「娼館ばっかりきたら、恋人ができないよ?わかってる?」

 心配になって思わず忠告すると、困ったような顔して、彼は笑って誤魔化すばかりだった。



 そして、彼はずっと、僕のお得意さんだった。



 この先十年以上も。



しおりを挟む
感想 24

あなたにおすすめの小説

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *本編完結しました

冷徹勇猛な竜将アルファは純粋無垢な王子オメガに甘えたいのだ! ~だけど殿下は僕に、癒ししか求めてくれないのかな……~

大波小波
BL
 フェリックス・エディン・ラヴィゲールは、ネイトステフ王国の第三王子だ。  端正だが、どこか猛禽類の鋭さを思わせる面立ち。  鋭い長剣を振るう、引き締まった体。  第二性がアルファだからというだけではない、自らを鍛え抜いた武人だった。  彼は『竜将』と呼ばれる称号と共に、内戦に苦しむ隣国へと派遣されていた。  軍閥のクーデターにより内戦の起きた、テミスアーリン王国。  そこでは、国王の第二夫人が亡命の準備を急いでいた。  王は戦闘で命を落とし、彼の正妻である王妃は早々と我が子を連れて逃げている。  仮王として指揮をとる第二夫人の長男は、近隣諸国へ支援を求めて欲しいと、彼女に亡命を勧めた。  仮王の弟である、アルネ・エドゥアルド・クラルは、兄の力になれない歯がゆさを感じていた。  瑞々しい、均整の取れた体。  絹のような栗色の髪に、白い肌。  美しい面立ちだが、茶目っ気も覗くつぶらな瞳。  第二性はオメガだが、彼は利発で優しい少年だった。  そんなアルネは兄から聞いた、隣国の支援部隊を指揮する『竜将』の名を呟く。 「フェリックス・エディン・ラヴィゲール殿下……」  不思議と、勇気が湧いてくる。 「長い、お名前。まるで、呪文みたい」  その名が、恋の呪文となる日が近いことを、アルネはまだ知らなかった。

【短編】記憶を失っていても

あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
 7年以上前の記憶のない平民出身のラチェルは、6年前に娘のハリエットを生んでからグリオス国のアンギュロスの森付近の修道院で働きながら暮らしていた。  そんなある日ハリエットは見たことのない白銀色の大樹を見つけたと、母ラチェルに話すのだが……。  これは記憶の全てを失ったラチェル──シェシュティナが全てを取り戻すまでのお話。 ※氷雨そら先生、キムラましゅろう先生のシークレットベビー企画開催作品です( ´艸`)

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

記憶を無くしたら家族に愛されました

レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない… 家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…

勇者の「便利な恋人」を辞めます。~世界を救うより、自分の幸せを守ることにしました~

キノア9g
BL
「君は便利だ」と笑った勇者を捨てたら、彼は全てを失い、私は伝説の魔導師へ。 あらすじ 勇者パーティーの万能魔術師・エリアスには、秘密があった。 それは、勇者ガウルの恋人でありながら、家事・雑用・魔力供給係として「便利な道具」のように扱われていること。 「お前は後ろで魔法撃ってるだけで楽だよな」 「俺のコンディション管理がお前の役目だろ?」 無神経な言葉と、徹夜で装備を直し自らの生命力を削って結界を維持する日々に疲れ果てたエリアスは、ある日ついに愛想を尽かして書き置きを残す。 『辞めます』 エリアスが去った翌日から、勇者パーティーは地獄に落ちた。 不味い飯、腐るアイテム、機能しない防御。 一方、エリアスは隣国の公爵に見初められ、国宝級の魔導師として華麗に転身し、正当な評価と敬意を与えられていた。 これは、自分の価値に気づいた受けが幸せになり、全てを失った攻めがプライドも聖剣も捨てて「狂犬」のような執着を見せるまでの、再構築の物語。 【勇者×魔導師/クズ勇者の転落劇】 ※攻めへのざまぁ要素(曇らせ)がメインの作品です。 ※糖度低め/精神的充足度高め ※最後の最後に、攻めは受けの忠実な「番犬」になります。 全8話。

某国の皇子、冒険者となる

くー
BL
俺が転生したのは、とある帝国という国の皇子だった。 転生してから10年、19歳になった俺は、兄の反対を無視して従者とともに城を抜け出すことにした。 俺の本当の望み、冒険者になる夢を叶えるために…… 異世界転生主人公がみんなから愛され、冒険を繰り広げ、成長していく物語です。 主人公は魔法使いとして、仲間と力をあわせて魔物や敵と戦います。 ※ BL要素は控えめです。 2020年1月30日(木)完結しました。

処理中です...