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ラーン王国編―終章―(メルトSIDE)
閑話ーミランの心配事ー
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ダンジョンから戻ってきたメルトは普通に明るく過ごしていると思う。
表面上は。
時々寝ながら泣いていることもあって、心配になる。
時折、金色の光がメルトを包むことがある。
そういう時に限ってメルトは涙を流すのだ。
メルトがやたらと強くなる時がある。目が金色に輝いて普段は使えないスキル斬撃を使いこなし、魔物や、帝国兵を屠っていく。
ダンジョンから戻った時に身につけていたペンダントは守護の魔法が組み込まれていたようで、度々メルトを救った。それをくれた誰かさんはまだ現れてはいない。
ダンジョン演習で同じグループになったスラフとリスクはロステと仲がいい。だけど、ロステのヘタレさ加減には辟易してるらしい。野営訓練でも一緒だった。ロステはほかの班で、一緒じゃないことにショックを受けていたとか。
「まあまあ。ロステはなあ。なんだか、空回りするらしくて。言葉の選び方もこう、遠回しだろ?あれじゃメルトは気付けないって俺も思うよ。」
二人のことでいろいろ相談をしてたら、僕はいつの間にかスラフに惹かれてた。野営訓練でふいに飛び出してきた魔物に襲われそうになったところを庇われてからずっと意識していた。逞しくて背中が広い、強いメイル。
「そうだね。まあ、正直僕はメルトとロステは望みがないって思っているけどね。」
「どうしてだ?」
「ダンジョンで行方不明になってから、メルトはことさら訓練に力を入れてる。それって前からそうじゃないかと思っていたけど、ちょっと違う。訓練の仕方が変わってた。体幹を鍛えるといいって聞いたとか、教わったとか。教わったことは覚えていて、いつどこでだれが、というところになると、覚えてないっていうんだ。そして教わったって言うときに凄くメルトが嬉しそうなんだ。不思議でしょ?」
スラフが頷いた。
「確かにな。野営訓練の時とか、最終試験の時とか、たまに神がかったような動きをする時がある。あれで魔法なしだからたまらないな。」
最終試験でスラフはメルトに負けていた。そのことを思い出しているんだろう。
そしてこれは立派なデートだ。デートだと思う。
「疲れてないか?どこか入ろう。ちょうど昼飯時だしな。」
「うん。」
スラフは今は190センチはある。メルトに及ばないけど、長身だ。僕は結局165センチで終わった。まあ、フィメルの平均というか。こうしてメイルと並ぶと、体型そのものが違うなあと思う。
普通の定食屋に入ってランチをした。スラフもよく食べるし、肉が好きだ。
メルトのおかげで始まった、見習い狩り訓練はいまだ続いている。そのおかげで食堂のメニューに肉が増えた。そんなメルトはたまに自分で狩りをしているという。
「どうした?」
「あ、ううん。よく入るなあ、と思って。メルトもよく食べるけど。食べないと育たないってわかったよ。フィメルでもああいう体型になるから。でも食べられないんだよなあ?」
「ミランはそのままでいいんじゃないか?可愛いし。」
え、可愛い!?スラフは言った後、視線をそらした。耳が少し赤くなっている。ええ!!可愛いんだけど!
「そ、そう?嬉しいなあ。」
今僕はドキドキしてる。告白はまだだけど、最近は、手を繋いだりはするようになっているから待とうと思う。
ラーンのメイルはみんな、言葉で言わなくてもわかるだろ?みたいな思想だから、肝心の言葉はなかなか言ってはくれないのだ。そこを考えれば、ロステはラーン王国のメイルらしい、とは言える。
それから戦争に3回出向き、死線を潜り抜けた。
メルトと同じ部隊に配属されてよかった。おかげで生き延びた。そしてメルトの鬼神のような活躍を見た。その状態になるとメルトは金色の瞳になる。金は神様の色だといわれている。その状態になっている最中の記憶はメルトにはあまりないらしい。
おかげで、敵国からは“金の狂戦士”と呼ばれているらしい。
いつの間にそんなスキルを獲得したのだろうか。
そして帝国の戦争はいったん終わりを告げる。
戦争前の日常が戻り、物資なども戦争前の物価に戻ったころには行き遅れと呼ばれる年になっていた。
もう25歳。
騎士団行き遅れ説は本当だった。任務で忙しくて、相手を見つける暇はない。
特にメルトはメイルと勘違いされているから、街のフィメルに人気があって、アタックを受けている。でもメルトは気付かなくてみんな玉砕しているようだった。
騎士団のほとんどのメイルどもは同じ騎士団のフィメルは対象外のようで、特に強いフィメルは敬遠傾向にあった。
街で可愛いフィメルをナンパしている姿を何度も見た。そういうメイルはフィメルからのあたりがきつくなるのをわかってないな。
強くなきゃ、生き残れないだろうが。脳筋メイルどもめ。
あ、口が悪くなった。
スラフとはまだ清い付き合いで、手を握ったり抱き合ったりはあるけど、キスどまりだった。
夜間に行われるフィメル会にていろいろ聞くけど、時々嘘だ、と思うような話が合って、赤面する。
メルトは興味なさそうな顔をしているけれど、たまに耳がピクリと動く時がある。
意外と興味を持っているのだ。だから、メルトの初めては、ああ、もしかしたらダンジョンで誰かにあげちゃったかもしれないけど、好きな人とがいいと思う。
メイルの一部はやたらと、したことないんなら俺ととかいう、馬鹿なやつがいるけれど、そういうやつに限って一回限りでちゃんと付き合うなんてことはしないのだ。やられ損だ。というのは先輩の弁。
僕もそう思う。スラフはそんなことないと思うけど、結婚してちゃんと子供を持とうという気がある人のほうがいい。
そういう点ではロステはちゃんとメルトを見てはいると思うけど、性格の相性が悪すぎる。多分、お互いがお互いのことをわからないと思う。
メルトにはメルトを溺愛して甘やかして、大切にしてくれる人がいい。
そんな人だったらいい。きっとメルトが待っている人はそんな人だと思いたい。
そう思ってたのに。
ノヴァク団長が開いてくれた慰安の飲み会。
物凄い強いお酒を団長が差し入れてくれた。
僕は、スラフと婚約したばかりだった。少し前の休日にデートに誘われた先で、アミュレットをもらった。ついていた石はスラフの目と同じ色の石だった。
「メルトのペンダントを見てて、俺がそばにいない時でもミランを守れるようにと思ったんだ。もらってくれないか?そして俺と結婚してほしい。すぐにはできないだろうけど、他のやつに取られたくないから婚約だけでもしてほしい。」
僕はびっくりしてしばらく返事ができなくて。ちゃんと待ってくれたスラフは、僕がうんと返事をするとキスしてくれた。
結婚するまで大事にしたいからと言って、少しずつ関係を進めようと言ってくれた。
メルトたちに報告するといつの間にか知れ渡っていて、スラフも飲み会で囲まれていた。
馴れ初めやら聞かれて恥ずかしながら話していたらメルトと離れたのに気付いた。そばにいてくれた子は酔って帰ってしまったみたいで、リンド先輩がそばにいた。
リンド先輩は娼館に通っているって噂だったし、フィメルを口説いているところなんて見なかったから油断していた。
ロステも潰れて帰ってしまったらしいし、ほんとに普段は起きないようなことが重なった。
気が付いたらメルトがいなかった。エメリとポリカも気付かなかった。
「ああ、リンドが連れて出ていったような?」
リンド先輩と親しいオレグ先輩がいて首を傾げてた。
「まあ、リンドは送っていっただけじゃないかと思うんだが。メルトがだいぶ酔ってたようだったしな。ほら、あいつプロとしかしたことないしなあ。そんなメルトに手を出すなんてありえないって。」
がははと笑いあうメイルのこういうとこがデリカシーがないっていうんだ。
スラフに先に帰るといって宿舎に戻った。
「メルト!」
部屋に戻ったら、帰った形跡がなかった。
「まさか、まさかね?」
思わずベッドに座り込んだ。
ロステがメルトを口説いてたのはみんな知っている。だから、騎士団のメイル連中はメルトに手出しをしなかった。せいぜいが裸を盗み見ることくらいだ。
今の体格になったら、もうロステしか、声をかけない。だからもっぱら行き遅れに気付いたメルトが諦めてロステと結婚するのではといわれていた。だから、メルトに手を出す奴が今頃出てくるなんて考えられなかった。ましてや、あの、リンド先輩が、なんて。
僕の大事な親友が泣くとこなんて見たくない。
早く帰っておいで、メルト。
そう願っていたけれど。メルトが帰ってきたのは朝だった。
表面上は。
時々寝ながら泣いていることもあって、心配になる。
時折、金色の光がメルトを包むことがある。
そういう時に限ってメルトは涙を流すのだ。
メルトがやたらと強くなる時がある。目が金色に輝いて普段は使えないスキル斬撃を使いこなし、魔物や、帝国兵を屠っていく。
ダンジョンから戻った時に身につけていたペンダントは守護の魔法が組み込まれていたようで、度々メルトを救った。それをくれた誰かさんはまだ現れてはいない。
ダンジョン演習で同じグループになったスラフとリスクはロステと仲がいい。だけど、ロステのヘタレさ加減には辟易してるらしい。野営訓練でも一緒だった。ロステはほかの班で、一緒じゃないことにショックを受けていたとか。
「まあまあ。ロステはなあ。なんだか、空回りするらしくて。言葉の選び方もこう、遠回しだろ?あれじゃメルトは気付けないって俺も思うよ。」
二人のことでいろいろ相談をしてたら、僕はいつの間にかスラフに惹かれてた。野営訓練でふいに飛び出してきた魔物に襲われそうになったところを庇われてからずっと意識していた。逞しくて背中が広い、強いメイル。
「そうだね。まあ、正直僕はメルトとロステは望みがないって思っているけどね。」
「どうしてだ?」
「ダンジョンで行方不明になってから、メルトはことさら訓練に力を入れてる。それって前からそうじゃないかと思っていたけど、ちょっと違う。訓練の仕方が変わってた。体幹を鍛えるといいって聞いたとか、教わったとか。教わったことは覚えていて、いつどこでだれが、というところになると、覚えてないっていうんだ。そして教わったって言うときに凄くメルトが嬉しそうなんだ。不思議でしょ?」
スラフが頷いた。
「確かにな。野営訓練の時とか、最終試験の時とか、たまに神がかったような動きをする時がある。あれで魔法なしだからたまらないな。」
最終試験でスラフはメルトに負けていた。そのことを思い出しているんだろう。
そしてこれは立派なデートだ。デートだと思う。
「疲れてないか?どこか入ろう。ちょうど昼飯時だしな。」
「うん。」
スラフは今は190センチはある。メルトに及ばないけど、長身だ。僕は結局165センチで終わった。まあ、フィメルの平均というか。こうしてメイルと並ぶと、体型そのものが違うなあと思う。
普通の定食屋に入ってランチをした。スラフもよく食べるし、肉が好きだ。
メルトのおかげで始まった、見習い狩り訓練はいまだ続いている。そのおかげで食堂のメニューに肉が増えた。そんなメルトはたまに自分で狩りをしているという。
「どうした?」
「あ、ううん。よく入るなあ、と思って。メルトもよく食べるけど。食べないと育たないってわかったよ。フィメルでもああいう体型になるから。でも食べられないんだよなあ?」
「ミランはそのままでいいんじゃないか?可愛いし。」
え、可愛い!?スラフは言った後、視線をそらした。耳が少し赤くなっている。ええ!!可愛いんだけど!
「そ、そう?嬉しいなあ。」
今僕はドキドキしてる。告白はまだだけど、最近は、手を繋いだりはするようになっているから待とうと思う。
ラーンのメイルはみんな、言葉で言わなくてもわかるだろ?みたいな思想だから、肝心の言葉はなかなか言ってはくれないのだ。そこを考えれば、ロステはラーン王国のメイルらしい、とは言える。
それから戦争に3回出向き、死線を潜り抜けた。
メルトと同じ部隊に配属されてよかった。おかげで生き延びた。そしてメルトの鬼神のような活躍を見た。その状態になるとメルトは金色の瞳になる。金は神様の色だといわれている。その状態になっている最中の記憶はメルトにはあまりないらしい。
おかげで、敵国からは“金の狂戦士”と呼ばれているらしい。
いつの間にそんなスキルを獲得したのだろうか。
そして帝国の戦争はいったん終わりを告げる。
戦争前の日常が戻り、物資なども戦争前の物価に戻ったころには行き遅れと呼ばれる年になっていた。
もう25歳。
騎士団行き遅れ説は本当だった。任務で忙しくて、相手を見つける暇はない。
特にメルトはメイルと勘違いされているから、街のフィメルに人気があって、アタックを受けている。でもメルトは気付かなくてみんな玉砕しているようだった。
騎士団のほとんどのメイルどもは同じ騎士団のフィメルは対象外のようで、特に強いフィメルは敬遠傾向にあった。
街で可愛いフィメルをナンパしている姿を何度も見た。そういうメイルはフィメルからのあたりがきつくなるのをわかってないな。
強くなきゃ、生き残れないだろうが。脳筋メイルどもめ。
あ、口が悪くなった。
スラフとはまだ清い付き合いで、手を握ったり抱き合ったりはあるけど、キスどまりだった。
夜間に行われるフィメル会にていろいろ聞くけど、時々嘘だ、と思うような話が合って、赤面する。
メルトは興味なさそうな顔をしているけれど、たまに耳がピクリと動く時がある。
意外と興味を持っているのだ。だから、メルトの初めては、ああ、もしかしたらダンジョンで誰かにあげちゃったかもしれないけど、好きな人とがいいと思う。
メイルの一部はやたらと、したことないんなら俺ととかいう、馬鹿なやつがいるけれど、そういうやつに限って一回限りでちゃんと付き合うなんてことはしないのだ。やられ損だ。というのは先輩の弁。
僕もそう思う。スラフはそんなことないと思うけど、結婚してちゃんと子供を持とうという気がある人のほうがいい。
そういう点ではロステはちゃんとメルトを見てはいると思うけど、性格の相性が悪すぎる。多分、お互いがお互いのことをわからないと思う。
メルトにはメルトを溺愛して甘やかして、大切にしてくれる人がいい。
そんな人だったらいい。きっとメルトが待っている人はそんな人だと思いたい。
そう思ってたのに。
ノヴァク団長が開いてくれた慰安の飲み会。
物凄い強いお酒を団長が差し入れてくれた。
僕は、スラフと婚約したばかりだった。少し前の休日にデートに誘われた先で、アミュレットをもらった。ついていた石はスラフの目と同じ色の石だった。
「メルトのペンダントを見てて、俺がそばにいない時でもミランを守れるようにと思ったんだ。もらってくれないか?そして俺と結婚してほしい。すぐにはできないだろうけど、他のやつに取られたくないから婚約だけでもしてほしい。」
僕はびっくりしてしばらく返事ができなくて。ちゃんと待ってくれたスラフは、僕がうんと返事をするとキスしてくれた。
結婚するまで大事にしたいからと言って、少しずつ関係を進めようと言ってくれた。
メルトたちに報告するといつの間にか知れ渡っていて、スラフも飲み会で囲まれていた。
馴れ初めやら聞かれて恥ずかしながら話していたらメルトと離れたのに気付いた。そばにいてくれた子は酔って帰ってしまったみたいで、リンド先輩がそばにいた。
リンド先輩は娼館に通っているって噂だったし、フィメルを口説いているところなんて見なかったから油断していた。
ロステも潰れて帰ってしまったらしいし、ほんとに普段は起きないようなことが重なった。
気が付いたらメルトがいなかった。エメリとポリカも気付かなかった。
「ああ、リンドが連れて出ていったような?」
リンド先輩と親しいオレグ先輩がいて首を傾げてた。
「まあ、リンドは送っていっただけじゃないかと思うんだが。メルトがだいぶ酔ってたようだったしな。ほら、あいつプロとしかしたことないしなあ。そんなメルトに手を出すなんてありえないって。」
がははと笑いあうメイルのこういうとこがデリカシーがないっていうんだ。
スラフに先に帰るといって宿舎に戻った。
「メルト!」
部屋に戻ったら、帰った形跡がなかった。
「まさか、まさかね?」
思わずベッドに座り込んだ。
ロステがメルトを口説いてたのはみんな知っている。だから、騎士団のメイル連中はメルトに手出しをしなかった。せいぜいが裸を盗み見ることくらいだ。
今の体格になったら、もうロステしか、声をかけない。だからもっぱら行き遅れに気付いたメルトが諦めてロステと結婚するのではといわれていた。だから、メルトに手を出す奴が今頃出てくるなんて考えられなかった。ましてや、あの、リンド先輩が、なんて。
僕の大事な親友が泣くとこなんて見たくない。
早く帰っておいで、メルト。
そう願っていたけれど。メルトが帰ってきたのは朝だった。
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