81 / 791
第四章
第94話
しおりを挟む「それで・・・神は連中の謝罪を認めて赦したのですか?」
「それが・・・」
「「たのしかったー!」」
アクアとマリンが嬉しそうに笑っています。
「お前らは城ン中で何をしてきたんだ」
「「おねえちゃんがイジメられてたのー」」
「おねえちゃんをイジメたから やっつけたのー」
「おねえちゃんをなかせたから やっつけたのー」
「「 でも『ごめんなさい』しないのー」」
「わるいヤツなのー」
「うん。わるいヤツなのー」
「「だから『ブタさん』になったのー」」
「「「・・・・・・はあ?」」」
アクアとマリンが何を言っているのか分からない皆さんは素っ頓狂な声をあげました。
うん。私も分かりません。皆さんのように、声には出なかっただけです。だけど、なんとなくだけど『神にブタの姿にされた王さまたちをアクアとマリンの二人が遊んだ』と言うのでしょうか?
でも、それは『最悪な終結』になっていませんか?
だから、エリーさんたちに目を向けました。
「エアちゃん。大丈夫よ」
私の疑問に気付いたエリーさんが、笑顔で頷いてくれました。
「おい。お前ら。まだ話は終わってないぞ。それとアクア。マリン。他人の話に割り込むんじゃない。黙って聞いていられないなら部屋に閉じ込めるぞ」
「「 ごめんなさい・・・」」
それは仕方がないね。自分たちは分かっているけど、何も知らない人たちには「何がなんだか分からない」のですから。
エリーさんは大きく息を吐くと、アクアとマリンに「次に口を挟んだら部屋へ連行」と言い渡しました。二人も「「 はい」」と返事をして俯いています。
ちゃんと『叱られている理由』は理解しているようです。
王様たちは、神の罰として動物の姿にされたそうです。豚だけでなく鶏の姿になった者もいたそうで、アクアとマリンは『遊び相手が増えた』と大喜びで追い回して遊んでいたそうです。
「おい・・・。まさか」
「魔物の時みたいに『殺して終わり』じゃないだろうな」
皆さんも同じ考えに行き着いたようです。
「大丈夫だ。二人には『魔物以外は殺すな』と教えてある」
アルマンさんがウンウンと頷いて教えてくれました。と言うことは、一応無事なんですね。
「でも、それを知らない料理人が『食材が逃げた』って思いませんか?」
「大丈夫よ。今は『一応人に戻った』から」
王様たちは、アクアとマリンの遊び相手12時間で人の姿に戻れたようです。ただし、鼻が『豚鼻』になっていたり、片足が『鳥足』になったそうです。
「そして『神の罰』だけどね。今まで30年間ずっと苦しめられた国民たちは赦されたわ。というか、元々『呪われていなかった』みたい。ちゃんと対策をとれば、それなりに生活していけたはずなのよ」
「井戸に水魔法を使って『呼び水』で水路を回復させれば、問題なかったですよね」
「やっぱり、エアちゃんは気付いていたのね」
「はい。『通った町や村だけ井戸や水路を回復させる』なんてしても、其処で『水を売って生活をしている人』の仕事を奪うことになります。さらに、他の水に飢えた町や村から水を求めて人々が集まり、『水の権利』を求めて争いが起きます。そして、私には騒乱や混乱を起こす権利はありません」
「だから、エアさんは何処にも寄らなかったのですか」
「はい。寄った町や村に手を出しても、それは一時的な物で国全体の解決にはなりませんから」
あと、『アクアとマリンの父親』にでも責任を取ってもらいましょう。
『子供を捨てた罰』は受けてもらわなくてはいけませんよね。
フィシスさんにお父さん経由で二人の父親に働きかけることが出来ないか相談しました。オーラムさんは精霊王ですからね。それに『水の聖霊』はひとりだけではないので、誰かひとりでも力を貸してもらえたらと思ったのです。
「大丈夫よ。以前に調べたけど、セイマール自体には『神の罰』が掛かっていないわ。だから、『水の精霊』だけでも可能よ」
「先に、ずっと使われていない水源や水路、井戸に溜まった砂や土、岩や木々を除去してもらう必要があります。水を流しても水が詰まって土砂を生み人々を飲み込んで生命を奪ってしまいます」
そう指摘すると「分かったわ。お父さまに説明して動いてもらうわ」と言ってもらえました。
158
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
貴方が側妃を望んだのです
cyaru
恋愛
「君はそれでいいのか」王太子ハロルドは言った。
「えぇ。勿論ですわ」婚約者の公爵令嬢フランセアは答えた。
誠の愛に気がついたと言われたフランセアは微笑んで答えた。
※2022年6月12日。一部書き足しました。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
史実などに基づいたものではない事をご理解ください。
※話の都合上、残酷な描写がありますがそれがざまぁなのかは受け取り方は人それぞれです。
表現的にどうかと思う回は冒頭に注意喚起を書き込むようにしますが有無は作者の判断です。
※更新していくうえでタグは幾つか増えます。
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。