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第九章
第375話
しおりを挟むみなさまに残念な報告があります。
「改まっていうな!」
私が報告しようとしたらダイバに口を塞がれた。
「だいたい、残念ってなんだよ! お前は!」
「おいおい、なんなんだよ」
「おい、ダイバ。詳しく話せ」
「その前にエミリアを離せ」
そりゃあわかんないよね。ということで、私が自分のお腹を手でポコンと、『妊娠』のジェスチャーをした。もちろんそれでわかる人は多い。
「妊娠! 妊娠したのか!」
「なに! エミリアさんが妊娠しただと!」
「まさかダイバの子か⁉︎」
「違うわ~‼︎」
いやいや、皆さんわかっててダイバをからかっているね。
「ううん、ダイバの子だよ」
「こら、エミリア! 誤解されるようなことをいうな!」
一度離されたダイバの手が私の口を塞ぐ。
「ダイバ、エミリアを妊娠させたのか? 避妊はどうした」
「まて、メッシュ! あーもう、『アゴールが昨日妊娠していることがわかった』。これでいいかー!」
ダイバがヤケになってアゴールの妊娠を発表した。
パチパチパチ~と手を叩くと、みんなからも拍手が上がった。
「ということで、アゴールは本日不参加で~す。お仕事も無理しない程度の仕事量になりま~す。今日は元々お休みで~す」
私の言葉にダイバが「ああ」とやっと報告会を始める前に私が報告した理由に気付いた。
「それでまた現場に入れないから庁舎の方で事務を頼むことになる」
「了解、了解」
「今は手伝いをする妖精たちもいるからな。前よりは働きやすいだろ」
みんなのいうとおり、いまは妖精たちがいる。じつは妖精たちはお手伝いが楽しいらしい。書類をピラピラさせながら「誰かこいつを〇〇まで持っていってくれないか」というと、ヒョイッと持っていくらしい。
「最初は書類だけが移動していて驚いたけどな。今は慣れた」
「……慣れたんだ」
「ああ、書類と小さい菓子を置いておくと菓子の皿が叩かれるんだぜ。だから『ドコドコに持っていってくれるか?』って聞くと運んでいってくれる。菓子は戻ってから食ってるぞ」
完全に餌付けしているんだな。
「たまに返事も持って帰ってくる」
「おかげでわざわざ持っていく必要がないから仕事が捗るぞ」
「たまに空になったコップに飲み物が入ってる」
「ただなあ……。何か不愉快なことがあるのかわからんが、飲み物じゃないものを入れられる奴もいるんだ」
「ああ、この前はペンが入ってて飲めなくなっていたな」
「鼻にささっていたけどな」
それはおかしい。妖精たちは理由なく、そんなことをしない。……飲み物に何か入っていたのか。
「誰だ、それ」
「ああ、財務課のレイドンだ」
ダイバの言葉に妖精たちの被害者がわかった。あとで財務課にいる妖精たちに理由を聞いてこよう。そう思っていたら、庁舎担当の水の妖精が隠れていたテーブルの下から顔を出した。
《 財務課のレイドンって、赤茶色の髪のー? 》
「え? 知ってるの?」
《 うん、聞いてるよ。ここに連れてきたらわかるよ 》
「ああ、じゃあ俺が連れてくる」
《 一緒にいくー 》
事情を知ってそうな水の妖精が一緒についていった。
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