76 / 83
第五章 銀雷の夢
第70話 <第五章最終話>失われた道化師
しおりを挟む
暖炉は使えそうだったので、暗くなる前に、燃やせそうな枝を、ぼくとアデルで集めてきた。
今度は、野菜やハムが入った雑炊を作る。
塩をひとつまみ……だけではなくって香辛料もちゃんと使った。
暖めたり、焼いたり、煮たり。
炎熱系の魔法でできそうなのだが、ほどよい熱加減を一定時間維持するのは、めんどくさいのだ。
思わず、大人しくご飯を待っているラウレスをちらりと見た。
以前に、ラウレスと呼ばれていた古竜は、そこら辺が実にうまく、料理人として、というか「料理をする竜」として、名を馳せていたが、これがそのラウレスであるはずはない。
これは、荒野をさ迷っていた竜の亡霊だった。
アデルに退治されたあと、ぼくが魂に、残った肉片で子の体を作った。
その体を構成していたものは、さまざまな動物の遺骸や、泥や、石。とくかく竜であったものは、ほとんど残っていなかった。
アデルは、その個体に「ラウレス」と名付けたのだが、理由をきいたら「一番よくきいた竜のなまえだったから」と答えた。
このラウレスが、あのラウレスではないといいなあ。と、ぼくは思う。
あいつは友だち…だったのだろう。
あいつが、腐肉の塊に閉じ込められて、世界をさまよっていたなんて。いくらなんでも残酷すぎないか。
「ルウエン。」
雑炊をよそったカップを差し出すと、ラウレスは、ニコッと笑って、手の甲をみせた。
紛れもなくそれは。
「竜鱗。」
まだ、1枚きりにすぎなかったが、間違いなく竜鱗だった。
「だいぶ、体が戻ってきた。」
楽しそうに童女は笑った。
「聞いておきたいのは、ゲオルグのことだ。」
ぼくはロウに尋ねた。
暖炉には、薪がまだちろちろと炎をあげている。
お茶を飲み終わって、ラウレスは満足そうにすやすやと眠っていた。
ルーデウス閣下とロウランは、眠らない。もともと夜眠る種族ではないのだ。
アデルは、ぼくが寝るまで眠らないだろう。ヘンリエッタは興味深そうに、話をきいている。
「世界で7人しかいない『調停者』だということは学校で習った。ルールス先生やドロシーのもその一人だ。でも、彼がどこの何者で、どうしてその地位についたかは、まったくわからない。
いったい何者なんだ?」
「あいつは、“世界の声”の地上代行者だったんだ。」
ロウは、難しい顔で言った。
「銀灰皇国では、“世界の声”が生み出した“魔王の卵”を指揮する立場にあったらしい。
ここらの事情は、ルールス先生のほうがくわしいかもしれない。
わたしとギムリウスは、その当時、『黒の御方』や『災厄の女神』、『銀雷の魔女』と一緒に行動していなかったんだ。」
「ルールス先生は、ゲオルグとはほとんど接触していないよ。」
アデルが言った。
「わたしもゲオルグのことを、ルールス先生に聞いてみたことがあるんだけど、なんだか、先生は、ほとんど、探知機替わりにこき使われただけで、あまり全貌は把握してないみたい。」
「『魔王の卵』との戦いの全面に立っていたのは?」
「そのらへんは、竜王と竜王の牙たちね。
だけどなにしろ」
ロウはため息をついた。
「いまは、竜の都に閉じこもってしまっているので。人間だと、オルガが一番くわしく把握しているかもしれない。」
「伝説の英雄が、ぽんぽん出てくるのね、ロウの話には!」
「いずれ、オルガにも会ってみないとな。」
ぼくは呟いた。
「いまの世の中では、生きながら伝説になった英雄“闇姫”さまにそう簡単に会えると思う?」
「『城』の城主と城代には会えたんだ。
銀雷の魔女にも会ってみせるし、オルガにだってきっと会えるさ。」
「というわけで、わたしは、踊る道化師と世界の声が、決戦したその当時の事情は直接に見聞きしたものはないのよ。」
「ゲオルグについての情報は、そこまでか……」
「何言ってるの、それから何度も会ってるし、いろんな話もしているわ!」
それを先に言えっ!!
「一言で言えば偏屈ものよ。あいつは。
タイプとしては、ウィルニアに似てるかもしれない。
基本的に悪人ではないにしろ、自分こ探究心のためなら、世界をどんな危険にでもさらす。」
「ウィルニアがもうひとりいるのか……」
ぼくがあまりにも暗い顔になったので、アデルがワイングラスをロウランからかすめとる。
ロウランは、例えでなく、牙をむいたが、アデルも牙を剥き返した。
ロウが渋い顔で、新しいグラスと酒瓶を取り出した。ケチるなこんな所で。
「わたしの知る限り『黒』と『災厄』に正面切って意見できるのは、ウィルニアとゲオルグだけだ。」
ロウの表情も暗くなる。
「だが、その二人共に、世界平和になにひとつ興味がないときている。
案外、」
ロウは、ぼくを見て力無く笑った。
「おまえの言うことなら、聞くんじゃないのか?
どうせウィルニアも知ってるんだろう!?」
「まあ、有名人だから知ってるよ。
むこうは、ぼくのことなんて知らないと思うけどね。」
「ゲオルグが唱えている“居なくなった踊る道化師のリーダー”っていうのは、おまえみないなヤツだったんじゃないかと思うよ、ルウエン。」
「ほえ?
導師ゲオルグがそんなことを言ってたの?」
「そうだ。迷宮からリウやわたしたちを連れ出してパーティを結成し、ある時期まで、わたしたちを導いてくれていたリーダーがいたのだというのが、ゲオルグの説だ。
そのリーダーが失われたから、まるっきり、神々に押されるように、リウとフィオリナは、世界征服に乗り出した。」
まずいな。これは……なんて言うか。
真実に近い。
恐ろしく近い。
「ゲオルグは、その人物の特定までしている。
むかしグランダの王子だったハルト。その人物がわたしたちの失われてリーダーだったんだと、さ。」
ロウはウインクして見せた。
「さて? ルウエンの本名はハルトなのかい?」
「そうだ、そうだ!」
ルーデウス閣下の腕がぼくの胸ぐらを掴んで持ちあげた。さすがに吸血鬼。凄まじいまでの怪力だ。
「あなたのことを教えてよっ!
血を媒介にしたはずの主従のはずなのに、わたしにはあなたの記憶がほとんど見えない。
どうやって、『黒の御方』と『災厄の女神』の姫と知り合ったの?
なんで一緒に旅をしてるの!?」
ぼくは助けを求めるように、アデルを見た。
アデルは、逞しい肩をすくめた。
「あーーーー、冒険者学校で同じクラスになってだな。」
夜は長い。
でもそっから話すか、アデルよ。
今度は、野菜やハムが入った雑炊を作る。
塩をひとつまみ……だけではなくって香辛料もちゃんと使った。
暖めたり、焼いたり、煮たり。
炎熱系の魔法でできそうなのだが、ほどよい熱加減を一定時間維持するのは、めんどくさいのだ。
思わず、大人しくご飯を待っているラウレスをちらりと見た。
以前に、ラウレスと呼ばれていた古竜は、そこら辺が実にうまく、料理人として、というか「料理をする竜」として、名を馳せていたが、これがそのラウレスであるはずはない。
これは、荒野をさ迷っていた竜の亡霊だった。
アデルに退治されたあと、ぼくが魂に、残った肉片で子の体を作った。
その体を構成していたものは、さまざまな動物の遺骸や、泥や、石。とくかく竜であったものは、ほとんど残っていなかった。
アデルは、その個体に「ラウレス」と名付けたのだが、理由をきいたら「一番よくきいた竜のなまえだったから」と答えた。
このラウレスが、あのラウレスではないといいなあ。と、ぼくは思う。
あいつは友だち…だったのだろう。
あいつが、腐肉の塊に閉じ込められて、世界をさまよっていたなんて。いくらなんでも残酷すぎないか。
「ルウエン。」
雑炊をよそったカップを差し出すと、ラウレスは、ニコッと笑って、手の甲をみせた。
紛れもなくそれは。
「竜鱗。」
まだ、1枚きりにすぎなかったが、間違いなく竜鱗だった。
「だいぶ、体が戻ってきた。」
楽しそうに童女は笑った。
「聞いておきたいのは、ゲオルグのことだ。」
ぼくはロウに尋ねた。
暖炉には、薪がまだちろちろと炎をあげている。
お茶を飲み終わって、ラウレスは満足そうにすやすやと眠っていた。
ルーデウス閣下とロウランは、眠らない。もともと夜眠る種族ではないのだ。
アデルは、ぼくが寝るまで眠らないだろう。ヘンリエッタは興味深そうに、話をきいている。
「世界で7人しかいない『調停者』だということは学校で習った。ルールス先生やドロシーのもその一人だ。でも、彼がどこの何者で、どうしてその地位についたかは、まったくわからない。
いったい何者なんだ?」
「あいつは、“世界の声”の地上代行者だったんだ。」
ロウは、難しい顔で言った。
「銀灰皇国では、“世界の声”が生み出した“魔王の卵”を指揮する立場にあったらしい。
ここらの事情は、ルールス先生のほうがくわしいかもしれない。
わたしとギムリウスは、その当時、『黒の御方』や『災厄の女神』、『銀雷の魔女』と一緒に行動していなかったんだ。」
「ルールス先生は、ゲオルグとはほとんど接触していないよ。」
アデルが言った。
「わたしもゲオルグのことを、ルールス先生に聞いてみたことがあるんだけど、なんだか、先生は、ほとんど、探知機替わりにこき使われただけで、あまり全貌は把握してないみたい。」
「『魔王の卵』との戦いの全面に立っていたのは?」
「そのらへんは、竜王と竜王の牙たちね。
だけどなにしろ」
ロウはため息をついた。
「いまは、竜の都に閉じこもってしまっているので。人間だと、オルガが一番くわしく把握しているかもしれない。」
「伝説の英雄が、ぽんぽん出てくるのね、ロウの話には!」
「いずれ、オルガにも会ってみないとな。」
ぼくは呟いた。
「いまの世の中では、生きながら伝説になった英雄“闇姫”さまにそう簡単に会えると思う?」
「『城』の城主と城代には会えたんだ。
銀雷の魔女にも会ってみせるし、オルガにだってきっと会えるさ。」
「というわけで、わたしは、踊る道化師と世界の声が、決戦したその当時の事情は直接に見聞きしたものはないのよ。」
「ゲオルグについての情報は、そこまでか……」
「何言ってるの、それから何度も会ってるし、いろんな話もしているわ!」
それを先に言えっ!!
「一言で言えば偏屈ものよ。あいつは。
タイプとしては、ウィルニアに似てるかもしれない。
基本的に悪人ではないにしろ、自分こ探究心のためなら、世界をどんな危険にでもさらす。」
「ウィルニアがもうひとりいるのか……」
ぼくがあまりにも暗い顔になったので、アデルがワイングラスをロウランからかすめとる。
ロウランは、例えでなく、牙をむいたが、アデルも牙を剥き返した。
ロウが渋い顔で、新しいグラスと酒瓶を取り出した。ケチるなこんな所で。
「わたしの知る限り『黒』と『災厄』に正面切って意見できるのは、ウィルニアとゲオルグだけだ。」
ロウの表情も暗くなる。
「だが、その二人共に、世界平和になにひとつ興味がないときている。
案外、」
ロウは、ぼくを見て力無く笑った。
「おまえの言うことなら、聞くんじゃないのか?
どうせウィルニアも知ってるんだろう!?」
「まあ、有名人だから知ってるよ。
むこうは、ぼくのことなんて知らないと思うけどね。」
「ゲオルグが唱えている“居なくなった踊る道化師のリーダー”っていうのは、おまえみないなヤツだったんじゃないかと思うよ、ルウエン。」
「ほえ?
導師ゲオルグがそんなことを言ってたの?」
「そうだ。迷宮からリウやわたしたちを連れ出してパーティを結成し、ある時期まで、わたしたちを導いてくれていたリーダーがいたのだというのが、ゲオルグの説だ。
そのリーダーが失われたから、まるっきり、神々に押されるように、リウとフィオリナは、世界征服に乗り出した。」
まずいな。これは……なんて言うか。
真実に近い。
恐ろしく近い。
「ゲオルグは、その人物の特定までしている。
むかしグランダの王子だったハルト。その人物がわたしたちの失われてリーダーだったんだと、さ。」
ロウはウインクして見せた。
「さて? ルウエンの本名はハルトなのかい?」
「そうだ、そうだ!」
ルーデウス閣下の腕がぼくの胸ぐらを掴んで持ちあげた。さすがに吸血鬼。凄まじいまでの怪力だ。
「あなたのことを教えてよっ!
血を媒介にしたはずの主従のはずなのに、わたしにはあなたの記憶がほとんど見えない。
どうやって、『黒の御方』と『災厄の女神』の姫と知り合ったの?
なんで一緒に旅をしてるの!?」
ぼくは助けを求めるように、アデルを見た。
アデルは、逞しい肩をすくめた。
「あーーーー、冒険者学校で同じクラスになってだな。」
夜は長い。
でもそっから話すか、アデルよ。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる