異世界で趣味(ハンドメイド)のお店を開きます!

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隣国エテルカールトン

ご注文(3)



「こんなに色々選べるなんてね~」

「冒険に行くのにお洒落ができるとは夢にも思わなかったです」

「常識はずれなのよ、リザは」

 エニシャさんのは褒め言葉と思っておこう。

「じゃあ、これ貰っていくわ!」

「それで良いんですか?」

「良いも何もないじゃない」

「ヘルマさんみたいにご希望があれば作りますけども…?」

 三人は顔を見合わせてから大笑いする。

「ヘルマみたいにってここにレースつけろ、とか長さ変えろとか言わないわよ」

「アンタ達何言ってるの?リザの凄さはそこじゃないでしょ?」

「ヘルマ、どう言うことですか?」

 そうか、三人は“防具”を付けてないから“防具”として見れてないだけじゃなくて《付与》の事も知らないんだ。
 同じくその事に気付いたヘルマさんはニヤニヤしながらファルマさんに持参していた『ドレスアーマー』を押し付ける。

「ファルマ、アンタ着てみなさい」

「面倒くさいんだけど」

「良いから!はい!着る!」

 文句を言いながら隣の部屋へ試着しに行く。

「ふざけんなぁーーーー!」

 そして遅れる事1分後、建物の外まで響いたのでないかと思うほどの怒号が聞こえてきたかと思えば、私はいつの間にかファルマさんに首根っこ掴まれる様な状態になっていた。

「ど、どうしたのよ」

「ファルマ、落ち着いて下さい」

 二人の説得も虚しくフンフン、と呼吸を荒立てながら私は猛烈に詰め寄られている。

「何をどうすればこんな物出来るのよ!」

 暫くそんな感じで怒りながらも、エニシャさんとカテシャさんに『ドレスアーマー』には《変質》が《付与》されていない事、なのに《変質》は機能していること、そしてその他に三つの《付与》が付いていることを説明しつつ、私に文句も言う。

「これまでどんな事があっても王都近郊でしか仕事をしなかったヘルマが突然フローネに行くなんて言い出して頭沸いたのかと思ったけど」

「仕方がないじゃない!ダンジョンの中では大した物食べれないから、出てきた時は思う存分美味しい物食べたいじゃない!」

「こっちには新作ケーキもなければ、大好物ランプステーキもないのに、異常なまでに執着してた理由がよく分かったわ」

「ヘルマに感謝する日が来るとは思いませんでした」

「皆んなして何よ!」

「…今度ケーキお作りしますね」

「本当?楽しみだわ!」

「リザ、ケーキも作れるの!?」

「アンタ、何者よ!」

 それから更なる質問攻めにあった。とりあえず、《付与》の種類やレベル、効果などなど時にはウンディーネ助けて貰い、“防具”に何を《付与》するのか相談した。

『やっとリザの凄さを理解したか」

「なぁ~」

「お礼は新しい酒で良いぞ」

 お酒の力は偉大です、はい。

「それにしてもリザがいて良かったわ」

「はい、明後日からは少し遠出することになってましたから良かったです」

「エテルカールトンだっけ?って事はお供えするのね」

「はい、ちょっと問題になってしまってるので…」

「まぁ、私達ほど強かったから何も問題はないのだけども、新人や中堅あたりは一生懸命に貯めたお金でやっと揃えた冒険道具を取られればたまったものじゃないものね」

 本当にその通りで冒険者にとって冒険道具は自分の命を守る為に必要なもの。少しでも生存率を上げ、依頼の達成率を上げ、実力をつけて上のランクを目指す。
 その為のお金なら惜しまない人は多い。時には借金する人もいるそう。そして良いものを揃えて次の冒険へと臨むのだ。
 それを盗まれたとなれば悔しいとかの次元の話ではなくなってくる。
 このままでは無理して冒険をして命を落とす人、冒険者を辞めなくてはならない人も出てくるだろう。

 それは何としても阻止したい。

 私が商会を始めたのは勿論、お金を稼いで生計を立てる為でもあるけど、一番はこの街に冒険者を集めてダンジョン攻略を進めるためだ。
 他の街に比べて圧倒的にダンジョン攻略が進んでいないフローネは皆んなは気付いていないが実は未曾有の危機に面している。
 先日やっと【金色の獅子】によって森林ダンジョンの50階層が32年ぶりに攻略されて、更に各地のダンジョンでモンスターハウスが出来てしまったのきっかけに攻略が一気に進み、お陰で少しはその危機を脱したけど、まだまだ危険なのは変わらない。
 森林ダンジョンはあれから更に攻略が進んだと聞いたし、深海ダンジョンはウンディーネが主人だから、いざと言う時はお酒で交渉すれば
何とかなるかも知れないけど、現状、煉獄ダンジョンは対策のしようもない。

『アイツは我と違ってアホだからな」

「んなぁ~」

 お酒に釣られるウンディーネもどうかと思うけど、とは言わないでおこう。




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