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隣国エテルカールトン
裏稼業
「もうお腹いっぱいだにゃ…」
「美味しかっ…うぷッ」
「シュナさん、大丈夫!?」
こちらにはない料理を作ると言っても、何がないのかを知らないと難しい。
と言うことでない料理を探すために皆んなに協力をしてもらいながら調査をすることにした。
でも、実際に街に出て一番気になったのはどちらかと言うと料理レベルだった。フローネでは割と洋食に近いものが多かったから気にならなかったけど、こっちは和食が多い。
とは言え、ハンバーグやドリア、オムライスみたいなのもあって、日本人好みの味にされた和洋折衷、みたいな感じで食文化はかなり入り混じっている。
ここにない物を作るのなら割と簡単そう。カオマンガイの様なエスニック系なら見かけなかったから。でも、流石に此処ではエスニック系の食材も足りないし、私も作り方を知ってるのはカオマンガイぐらいだった。
だから、こちらに来た収穫といえば氷砂糖があった事と梅があった事。
…実は昨日、ノアとウンディーネに手伝って貰って部屋で密かにブランデー漬け梅酒仕込んじゃった。
飲めるのはまたまた2年後ぐらいだけど…いや、ノアがくれた魔法石使っちゃう?いいよね?うん!
と、まぁこんな感じで昼と夜と交代しながら街を食べ歩き散策をしてる。
「…アークさんとフィオさん。今日も夜の部お願いします」
「おう!腹ぺこぺこだぜ」
「こっちの食事はフローネにはない物が多いので楽しいね」
食べ歩きの感想としてはシュナさんとミャールさんは全体的に食べたことのない物が多いけど、私の作る料理と味の種類が似ている感じがする、と言うことだった。
ただ、私の感想としては此処の料理は少々物足りないのだ。和食の様に普段からよく食べてた物だからだろうか、出汁の味とか野菜の切り方、食材の火の通り方とか、すっごく細かいことなのかもしれないけど結構残念。
「これもリザが作る味に似てるね」
「…フィオさんもそう思う?」
「あー、でもこれ…リザのに比べると上手くないな」
「うん、このハンバーグはパサパサであのじゅわ~と流れてくる肉汁がないんだよね」
「そうそう、こっちの天ぷらってやつは衣が厚すぎてベチャッとしてるし、このエビフライと唐揚げはサクサクしてないしな」
「唐揚げはサクサクしてないのも多いの。それに私が作ったのは竜田揚げで…」
「「パーティーの時のやつの方が美味しかった」」
「…ふふふ、ありがとう」
思った通り、料理の完成度は正直結構低いと思う。特に和食だったら此処にあるものよりも数段美味しい物が作れると思う。
洋食ももっと練習しとくんだったな…。
まぁ、そんな後悔は今は置いておいて。
とりあえず、中華辺りから攻めてみるか。
…ん?
「…ヒューヒュー…」
「……大丈夫ですか!?」
この変な呼吸音…過呼吸だ。
「…大丈夫、落ち着いてください。口元おさえますね。大丈夫ですよ……ゆっくり、ゆっくり、鼻から吐き出すんです…ゆっくりですよ、吸ったら、ゆっくり吐きますよ~。はい…そのまま…ゆっくり…はい、上手ですね…」
「…ご、ごめんね~。落ち着いたのだよ…」
「あっ貴方、この前の…?」
「そうなのだよ~。教会で会った僕だよ~」
「まだ、あまり喋らない方がいいです。近くの休める所へ行きましょう」
「…ありがとうなのだよ~」
教会で出会って少しだけお話ししたなんだか放っておけない雰囲気のあのふくよかな男性。
会ったのはほんの一週間くらい前なのに一体その間に何があったのか、と思うほどに顔は青白くて、かなり窶れた印象だ。
「迷惑をかけてごめんなのだよ~」
「それは良いんです。でも、凄くお疲れのようですね。…こんな事聞いて良いのかわかりませんが、何かあったんですか…?」
「…僕の、僕の作ったレシピ…また0になっちゃたのだよ~」
「…また…?」
私はアークさんとフィオさんに視線を合わせる。
「うん。この前のたまご入りハンバーグが神様に認められたのだよ~。あれでやっと10個目のレシピだったのだよ~。だけど、教会の奴らにまた取られたのだよ~」
「取られた、ってどう言う…」
「うん、話すだよ~」
彼の名前はダルマさん。…うん、凄くピッタリ。
こんな事思うの私だけだよね。
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