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7章
元魔王様とシキの従魔 7
「これでコカトリスに専念出来るな。」
オークの死体から魔石を回収する。
討伐依頼は達成されたので、心置きなくコカトリスを探せる。
「シキ、ライムにオークの吸収をさせてみろ。」
魔石は一つあれば充分なので、丸々幾つかオークの死体が余っている。
オークの肉は豚肉に近いので食用として人気があるのだが、せっかくならライムに吸収させてやりたい。
「分かったのです。ライム、分裂からの変化吸収でオークを吸収するのです!」
了承する様にプルプルと揺れてから、分裂のスキルで核の無い分身を作り出す。
これで吸収中の無防備な状態を万が一襲われても、本体のライムが死ぬ事は無い。
ライムは小さな身体を薄く伸ばしてオークを包む。
それから吸収が始まり、オークの身体が徐々に崩れていき、最後には骨すらも残らなかった。
「強くなったです?」
「スキルの取得は無いが、魔力量は少し増えている様だ。」
万能鑑定で見たがスキルは増えていない。
これはオークがスキルを持っていなかったからである。
だがオークを吸収した事により、ライムの魔力量が少しだけ増えていた。
「食べれば食べるだけ成長するのです!」
スキルを持っていない魔物であっても魔力量が増えるのならば吸収させ得である。
魔力量が増えればスキルを使える回数も増えるし、ジルの持つ魔法道具のスキル収納本で更に強力なスキルを得られる可能性もある。
「一応様子を見つつやっていくが、我の二の舞にはなるまい。」
魔王の頃は膨大過ぎる魔力量でとんでもない目に遭ったが、ライムの魔力量の増え方は微々たるものだ。
魔王の成長速度とはレベルが違うので、二の舞となる事は無さそうである。
「では本命のコカトリス探しといくか。」
「ブロム山脈はそれなりに危険地帯なのです。奥地に潜る程に高ランクの魔物との接敵が増えるのです。」
森の入り口程度であれば新人や中堅の冒険者でも問題無いが、奥に進む程高ランク冒険者の狩場となる。
奥は高ランクの魔物が多く存在しており難易度が高い。
AランクやBランクの冒険者ですら大怪我を負う事もある場所なので、低ランクの冒険者が探索しようとしても無謀と笑われてしまうだろう。
「ミラが口煩く注意してきた訳だな。」
「Dランクの冒険者が来る様な場所じゃ無いので当然の対応だと思うのです。」
油断せず危険と感じたら即撤退する様にと、出発する前に口煩く言われたのだ。
ブロム山脈へ依頼に向かって帰ってこない冒険者なんて受付嬢であれば今まで何人も見てきている。
ジルが強い事なんて当然ミラも分かってはいるのだが、どうしても心配になってしまうのだ。
なのでジルも警戒は怠らない様にしながら奥へ進む。
「ジル様、手掛かりが見えたのです。この先を真っ直ぐなのです。」
暫く進むとジルの頭上を飛んで辺りを見回しているシキから指示があった。
「ゴブリンやコボルトの石像だな。」
シキの指示通りに進むと、魔物の形をした石像が沢山あった。
皆一様に生きたまま石像にされた様な苦悶の表情を浮かべている。
「きっとコカトリスに石化されたのです。」
「ならばこの近辺を探すとしよう。」
コカトリスのスキルによって石化されたのならば近くにいる可能性が高い。
ジル達は探索範囲を絞ってコカトリスを探し始めた。
辺りの捜索を開始すると、他にも数多くの石像がごろごろと存在しているのを発見する。
しかし肝心のコカトリスを発見する事が出来無い。
「もう討伐されてしまったのかもしれないのです。」
シキは残念そうに言う。
ライムに石化のスキルを覚えさせてやりたかったのだろう。
「まあ、コカトリスも一体だけではないだろう。別の場所を探すとしよう。」
ブロム山脈はとても広い。
他の場所にもコカトリスがいる可能性は充分にあるし、そもそも住処を変えた可能性もあるのだ。
「分かったのです、他を探すのです!ん?ライム、どうかしたのです?」
気を取り直して探索範囲を変えようと話していると、分裂したライムの分身が二人をどこかに連れていきたそうにしていた。
「もしかして見つけたのです?」
ジルの肩に乗っていたライムが肯定する様にプルプルと揺れる。
「行ってみるか。」
ライムの分身の案内に従って付いていくと、横たわる巨大な鶏が見えてきた。
探していたコカトリスである。
「死んでいるのです?」
「いや、寝ているだけだな。通りで見つからない筈だ。」
小声で話し合う二人。
万能鑑定にて視たのでコカトリスなのは間違い無い。
コカトリスの巨大な身体は森の木々よりも大きいので、普通であれば見つけるのは簡単なのだ。
なので比較的早く見つけられると二人は思っていた。
しかし横たわって寝ていては、身長が木々よりも低くて見つかりにくいのは当然である。
「絶好のチャンスなのです!」
一撃で仕留められるのならば、寝ている今がチャンスである。
無駄に暴れたり逃げたりされずに楽に倒す事が出来るのだ。
オークの死体から魔石を回収する。
討伐依頼は達成されたので、心置きなくコカトリスを探せる。
「シキ、ライムにオークの吸収をさせてみろ。」
魔石は一つあれば充分なので、丸々幾つかオークの死体が余っている。
オークの肉は豚肉に近いので食用として人気があるのだが、せっかくならライムに吸収させてやりたい。
「分かったのです。ライム、分裂からの変化吸収でオークを吸収するのです!」
了承する様にプルプルと揺れてから、分裂のスキルで核の無い分身を作り出す。
これで吸収中の無防備な状態を万が一襲われても、本体のライムが死ぬ事は無い。
ライムは小さな身体を薄く伸ばしてオークを包む。
それから吸収が始まり、オークの身体が徐々に崩れていき、最後には骨すらも残らなかった。
「強くなったです?」
「スキルの取得は無いが、魔力量は少し増えている様だ。」
万能鑑定で見たがスキルは増えていない。
これはオークがスキルを持っていなかったからである。
だがオークを吸収した事により、ライムの魔力量が少しだけ増えていた。
「食べれば食べるだけ成長するのです!」
スキルを持っていない魔物であっても魔力量が増えるのならば吸収させ得である。
魔力量が増えればスキルを使える回数も増えるし、ジルの持つ魔法道具のスキル収納本で更に強力なスキルを得られる可能性もある。
「一応様子を見つつやっていくが、我の二の舞にはなるまい。」
魔王の頃は膨大過ぎる魔力量でとんでもない目に遭ったが、ライムの魔力量の増え方は微々たるものだ。
魔王の成長速度とはレベルが違うので、二の舞となる事は無さそうである。
「では本命のコカトリス探しといくか。」
「ブロム山脈はそれなりに危険地帯なのです。奥地に潜る程に高ランクの魔物との接敵が増えるのです。」
森の入り口程度であれば新人や中堅の冒険者でも問題無いが、奥に進む程高ランク冒険者の狩場となる。
奥は高ランクの魔物が多く存在しており難易度が高い。
AランクやBランクの冒険者ですら大怪我を負う事もある場所なので、低ランクの冒険者が探索しようとしても無謀と笑われてしまうだろう。
「ミラが口煩く注意してきた訳だな。」
「Dランクの冒険者が来る様な場所じゃ無いので当然の対応だと思うのです。」
油断せず危険と感じたら即撤退する様にと、出発する前に口煩く言われたのだ。
ブロム山脈へ依頼に向かって帰ってこない冒険者なんて受付嬢であれば今まで何人も見てきている。
ジルが強い事なんて当然ミラも分かってはいるのだが、どうしても心配になってしまうのだ。
なのでジルも警戒は怠らない様にしながら奥へ進む。
「ジル様、手掛かりが見えたのです。この先を真っ直ぐなのです。」
暫く進むとジルの頭上を飛んで辺りを見回しているシキから指示があった。
「ゴブリンやコボルトの石像だな。」
シキの指示通りに進むと、魔物の形をした石像が沢山あった。
皆一様に生きたまま石像にされた様な苦悶の表情を浮かべている。
「きっとコカトリスに石化されたのです。」
「ならばこの近辺を探すとしよう。」
コカトリスのスキルによって石化されたのならば近くにいる可能性が高い。
ジル達は探索範囲を絞ってコカトリスを探し始めた。
辺りの捜索を開始すると、他にも数多くの石像がごろごろと存在しているのを発見する。
しかし肝心のコカトリスを発見する事が出来無い。
「もう討伐されてしまったのかもしれないのです。」
シキは残念そうに言う。
ライムに石化のスキルを覚えさせてやりたかったのだろう。
「まあ、コカトリスも一体だけではないだろう。別の場所を探すとしよう。」
ブロム山脈はとても広い。
他の場所にもコカトリスがいる可能性は充分にあるし、そもそも住処を変えた可能性もあるのだ。
「分かったのです、他を探すのです!ん?ライム、どうかしたのです?」
気を取り直して探索範囲を変えようと話していると、分裂したライムの分身が二人をどこかに連れていきたそうにしていた。
「もしかして見つけたのです?」
ジルの肩に乗っていたライムが肯定する様にプルプルと揺れる。
「行ってみるか。」
ライムの分身の案内に従って付いていくと、横たわる巨大な鶏が見えてきた。
探していたコカトリスである。
「死んでいるのです?」
「いや、寝ているだけだな。通りで見つからない筈だ。」
小声で話し合う二人。
万能鑑定にて視たのでコカトリスなのは間違い無い。
コカトリスの巨大な身体は森の木々よりも大きいので、普通であれば見つけるのは簡単なのだ。
なので比較的早く見つけられると二人は思っていた。
しかし横たわって寝ていては、身長が木々よりも低くて見つかりにくいのは当然である。
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