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第一部
33. お姫様気分
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それではまずはお洋服を……となったところで、問題が発覚した。
「あら?あらあらあら???」
「どうしよう……食べ過ぎかしら………」
ごめんなさい、と胸元を押さえて瞳を潤ませているセヴィに、シェーラはいえいえいえと首を振って、次いでムフフとおかしな笑いを零す。
「ウェストは変わっていませんもの。これはあれですね!クード様に愛され倒されたお陰でお胸だけ育ったパターンですね!! あ!お尻のラインも少しふっくらなさったかも?でもこちらはスカートだから問題なしです!とりあえず今日はゆったり目のお洋服にしましょうか~」
あれもこれも仕立て直さなくちゃ!あぁ、もういっそ新しいお洋服をたぁっくさんおねだりしてしまいましょうか~、なんてウキウキしているシェーラに、セヴィはうぅぅっと唸る。
クードの部屋に籠っている間はどうせすぐに脱がされてしまうし……と、食事の時などはガウンを纏うだけだった。
久しぶりにきちんとした服に袖を通したセヴィだったけれど、一月前に普通に着られていた服の、主に胸の辺りが少しばかりキツくなってしまっていたのだ。
これはもう部屋では?という規模のクローゼットでゴソゴソしていたシェーラが真っ白なレースワンピースを手に戻って来る。
そのワンピースを恐る恐る着てみたセヴィは、すとんと入った事にほっと胸を撫で下ろした。
「良かった、これなら大丈夫だわ」
全体的にゆるっとした作りのワンピースに、セヴィの胸も圧迫されることなく収まっている。
ウェスト部分のリボンを背中側で結んでくれたシェーラにありがとうとお礼を言って、セヴィはワンピースに目を落とす。
「とっても可愛いけど……お庭に出るだけなのにキレイで勿体ないわ……」
汚したらどうしよう、とスカートをつまんでいるセヴィに、シェーラが大丈夫ですよぉと笑う。
「もし汚れてもうちの洗濯係はとっても優秀ですし、何ならまた新しいお洋服をおねだりしちゃえば大丈夫です!」
「ちっとも大丈夫じゃないわ!」
どうしてシェーラさんはすぐに新しい物を買おうとするのかしら、と涙目になったセヴィをまぁまぁと宥めて、シェーラは今度はドレッサーの前にセヴィを座らせた。
そして薄く化粧を施されて、最後に両サイドの髪を緩く編み込まれる。
「はい、出来上がりです!」
大きな姿見の前に立たされて、セヴィはほわぁっと鏡の中の自分に驚きの声を上げた。
薄化粧だというのに記憶にある自分の顔と全然違って見えて、レースのワンピースという事もあってか何だかお姫様になったような気分になる。
「シェーラさんすごいです……!」
鏡の前でくるんと回ってワンピースに見惚れたり、鏡に近づいて髪型をまじまじ見たりしているセヴィにシェーラはあらまぁと溜息を落とす。
「私がすごいワケじゃなくて、蕾どころか葉っぱしかなかったようなセヴィ様がぱーっと開花なさったから、なんですけどねぇ……」
まぁでも最初は本当にどうなる事かと思ったけど、無事にクード様がセヴィ様と結ばれて良かったわと、シェーラは鏡の前でちょこちょこしているセヴィの姿に頬を緩めた。
そのまま暫くセヴィの姿を眺めてニヤニヤしていたシェーラは、さて、とぱちんと手を合わせる。
「クード様がお待ちでしょうから、そろそろ参りましょうか?」
「あ、そうね……クードさまが拗ねてしまうものね」
くすくすと笑いながら鏡の前を離れたセヴィの言葉に、シェーラはまぁと笑う。
「クード様、拗ねるんですね」
「あっ……!ダメ、忘れて!私が拗ねるって言ってたなんて、クードさまの前では言わないでね?」
オロオロしているセヴィに分かりました、ナイショですねと微笑んで、シェーラはセヴィの背を押す。
「さ、お早くクード様に可愛らしいセヴィ様の姿をお見せしましょう。きっとソワソワして待ってますよ」
「ソワソワ……してるかしら?」
「絶対してますよぉ。何せ一月ぶりにセヴィ様がお部屋からいなくなったわけですし」
シェーラの言葉にぽっと頬を染めると、セヴィはそうねと恥ずかしそうに笑う。
ではこちらへ~と、シェーラはセヴィを部屋の奥の扉の前へ連れて行く。
「……?扉はあっちよ?」
「廊下への扉は、ですね。こちらはあれですよ、あれ」
どれ……?お手洗い?と首を傾げたセヴィの前で、シェーラはその扉をコンコンと叩く。
「クードさまぁ!セヴィ様のお支度整ったので、開けますよー」
「……えっ?」
パチパチと瞬いているセヴィの前で、シェーラはがちゃりと扉を開く。
そして開かれた扉の向こうにクードの姿を見つけて、セヴィの垂れ耳がぴょんっと跳ねた。
「あら?あらあらあら???」
「どうしよう……食べ過ぎかしら………」
ごめんなさい、と胸元を押さえて瞳を潤ませているセヴィに、シェーラはいえいえいえと首を振って、次いでムフフとおかしな笑いを零す。
「ウェストは変わっていませんもの。これはあれですね!クード様に愛され倒されたお陰でお胸だけ育ったパターンですね!! あ!お尻のラインも少しふっくらなさったかも?でもこちらはスカートだから問題なしです!とりあえず今日はゆったり目のお洋服にしましょうか~」
あれもこれも仕立て直さなくちゃ!あぁ、もういっそ新しいお洋服をたぁっくさんおねだりしてしまいましょうか~、なんてウキウキしているシェーラに、セヴィはうぅぅっと唸る。
クードの部屋に籠っている間はどうせすぐに脱がされてしまうし……と、食事の時などはガウンを纏うだけだった。
久しぶりにきちんとした服に袖を通したセヴィだったけれど、一月前に普通に着られていた服の、主に胸の辺りが少しばかりキツくなってしまっていたのだ。
これはもう部屋では?という規模のクローゼットでゴソゴソしていたシェーラが真っ白なレースワンピースを手に戻って来る。
そのワンピースを恐る恐る着てみたセヴィは、すとんと入った事にほっと胸を撫で下ろした。
「良かった、これなら大丈夫だわ」
全体的にゆるっとした作りのワンピースに、セヴィの胸も圧迫されることなく収まっている。
ウェスト部分のリボンを背中側で結んでくれたシェーラにありがとうとお礼を言って、セヴィはワンピースに目を落とす。
「とっても可愛いけど……お庭に出るだけなのにキレイで勿体ないわ……」
汚したらどうしよう、とスカートをつまんでいるセヴィに、シェーラが大丈夫ですよぉと笑う。
「もし汚れてもうちの洗濯係はとっても優秀ですし、何ならまた新しいお洋服をおねだりしちゃえば大丈夫です!」
「ちっとも大丈夫じゃないわ!」
どうしてシェーラさんはすぐに新しい物を買おうとするのかしら、と涙目になったセヴィをまぁまぁと宥めて、シェーラは今度はドレッサーの前にセヴィを座らせた。
そして薄く化粧を施されて、最後に両サイドの髪を緩く編み込まれる。
「はい、出来上がりです!」
大きな姿見の前に立たされて、セヴィはほわぁっと鏡の中の自分に驚きの声を上げた。
薄化粧だというのに記憶にある自分の顔と全然違って見えて、レースのワンピースという事もあってか何だかお姫様になったような気分になる。
「シェーラさんすごいです……!」
鏡の前でくるんと回ってワンピースに見惚れたり、鏡に近づいて髪型をまじまじ見たりしているセヴィにシェーラはあらまぁと溜息を落とす。
「私がすごいワケじゃなくて、蕾どころか葉っぱしかなかったようなセヴィ様がぱーっと開花なさったから、なんですけどねぇ……」
まぁでも最初は本当にどうなる事かと思ったけど、無事にクード様がセヴィ様と結ばれて良かったわと、シェーラは鏡の前でちょこちょこしているセヴィの姿に頬を緩めた。
そのまま暫くセヴィの姿を眺めてニヤニヤしていたシェーラは、さて、とぱちんと手を合わせる。
「クード様がお待ちでしょうから、そろそろ参りましょうか?」
「あ、そうね……クードさまが拗ねてしまうものね」
くすくすと笑いながら鏡の前を離れたセヴィの言葉に、シェーラはまぁと笑う。
「クード様、拗ねるんですね」
「あっ……!ダメ、忘れて!私が拗ねるって言ってたなんて、クードさまの前では言わないでね?」
オロオロしているセヴィに分かりました、ナイショですねと微笑んで、シェーラはセヴィの背を押す。
「さ、お早くクード様に可愛らしいセヴィ様の姿をお見せしましょう。きっとソワソワして待ってますよ」
「ソワソワ……してるかしら?」
「絶対してますよぉ。何せ一月ぶりにセヴィ様がお部屋からいなくなったわけですし」
シェーラの言葉にぽっと頬を染めると、セヴィはそうねと恥ずかしそうに笑う。
ではこちらへ~と、シェーラはセヴィを部屋の奥の扉の前へ連れて行く。
「……?扉はあっちよ?」
「廊下への扉は、ですね。こちらはあれですよ、あれ」
どれ……?お手洗い?と首を傾げたセヴィの前で、シェーラはその扉をコンコンと叩く。
「クードさまぁ!セヴィ様のお支度整ったので、開けますよー」
「……えっ?」
パチパチと瞬いているセヴィの前で、シェーラはがちゃりと扉を開く。
そして開かれた扉の向こうにクードの姿を見つけて、セヴィの垂れ耳がぴょんっと跳ねた。
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