魔王の僕は、愛される

月華

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「あなたが一番最初に持っていたものを見せてください。」
「?いいですよ。」
僕が出したのは、中に綺麗な魔石が入っている箱型のものがぶらさがったペンダントと、琥珀色の宝石がはまっている指輪だ。
「これを持っていたのか。」
ディアンさんがペンダントの魔石の部分に触ろうとしたのを見た僕は、
「それに触っちゃダメ!!!」
咄嗟に叫んでいた。みんな驚いていたが、触らないでいてくれた。それに気づいた僕は、
「すいません。突然叫んだりなんかして。」
謝った。
「あぁ。私もすまない、勝手に触ろうとして。」
「いえ、僕の方こそ。」
そんな会話を続けていたら、ノックの音が聞こえた。

トントン
「遅くなってすいません。紅葉です。」
(紅葉?聞いた覚えがあるような、、どこで?)
「入れ。」
扉が開くそこに現れたのは、黒髪で青みがかった白の瞳をした華奢な男の子だった。そこ姿を見た瞬間僕は、自然と涙が出てきて止まらなかった。そんな僕を見たみんなはびっくりしていた。そんな僕は一言ありえない言葉を発したのだ。
「……く…くれちゃん?」
「!」
僕の一言は、入ってきたばっかの男の子を驚かせるには充分だった。
「……こーくん?こーくんだよね、、」
(こーくん?僕の名前は、アンバー・ネフライトのはず。っ!分からない分からない僕は誰?)『こーくん』この名前を聞いた瞬間、頭に激しい痛みが襲ってきた。痛みに耐えられずに、意識を放した。
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