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かぼちゃ祭り その弐
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昨日に引き続き……思いつきの走り書き。
まじめに推敲すらしていない1時間クオリティです!
前話以上に頭をからっぽにして、ハイどうぞっ!
* * * * *
かぼちゃ祭りという名の偽ハロウィンに、収穫を祝うほかに悪霊を追い払う意味もあるのだと知った沖田さん、藤堂さん、そして永倉さんに原田さんまでもが、私のような仮装をしたいと言い出した。
そんなわけで急遽仕切り直しとなり、仮装を終え次第再び広間へ集合となった。
突っ込みどころ満載ではあるけれど、野菜尽くしのコスプレも、あれはあれで面白かったのになぁ……。
頃合いをみて、私ももう一度お化けの格好をすれば、ジャック・オー・ランタンを手に再び広間へと向かう。
漏れ聞こえる声からどうやらすでに全員集まっているようで、慌てて襖を開けるも速攻で閉めた。
うん……待って。ヤバイって……。
「春くん~? どうしたんです~?」
「お、沖田さん……ですか?」
「まさか春くん、僕の顔忘れちゃったんですか~?」
そんなわけはない。
閉めた襖の向こうから聞こえる声も、確かに沖田さんのものだけれど。
やっぱり、野菜のままの方がよかったってば……。
「いつまでそこにいるんです~?」
そう言って勝手に開かれた襖の向こうには、恐ろしい物の怪たちがいる!
思わず顔がひきつるのを感じるも、そんなことはお構い無しに腕を捕まれ広間へ引きずり込まれた。
「ひぃ……」
「何でそんなに怖がってるんです~?」
怖いからに決まっているでしょう!
「毒を以て毒を制するんだろ?」
そうは言っても!
「春はなんでまた蕪で来たんだ?」
だから蕪ではないと何度言えば……。
「アンタってホント面白い」
その格好で爆笑されても不気味だから!
そりゃあ、ハロウィンの仮装ってかなり自由だけれど。
お化けの類いなら、もっとこう魔女とかドラキュラとかさ……あるじゃない。
幽霊だの妖怪だのは結構怖いからっ!
日本家屋で明かりは蝋燭。そんな中でのそれは、似合いすぎててかなり怖いからねっ!
とはいえ、せっかく仮装までしたのだから楽しまないと?
お化けのようにゆらゆらと物の怪たちに近づき、お決まりの台詞を口ににしてみる。
「トリック・オア・トリート!」
ん? という表情のちょっとシュールな物の怪たち。見慣れてくると逆に面白いかもしれない。
「トリック・オア・トリート!」
通じていないのは承知でもう一度言えば、永倉さん、原田さん、藤堂さんが順に反応した。
「鶏?」
「鍬?」
「鳥居と……何?」
むしろこっちが訊きたい! 鳥居とあと何!?
……って、一つも合ってない!
「トリック・オア・トリート。……甘味をくれないといたずらしちゃうぞ! っていう意味の言葉なんです」
かぼちゃ祭りでは、仮装した子供たちが甘味をもらって回るのだと説明すれば、沖田さんがぱぁっと満面の笑みを浮かべた。
「つまり、甘味をくれないとこうってことですね~?」
鍬を振りかざすようなその動作はいったい……。甘味を渡さなかった人をどうするつもりなんだろう。
というか、いたずらの範疇を超えてない? 鶏と鳥居はどこへいった?
そんな疑問を抱くのは私だけのようで、じゃあさっそく、と広間を出て屯所内を練り歩くこととなった。
もうこれ、ハロウィンでもかぼちゃ祭りでもなく、ただの百鬼夜行だと思う……。
物の怪一行が最初に出会ったのは、あろうことか土方さんだった。
「お前ら何してんだ……」
『鶏! 鍬! 鳥居と!』
「は?」
『鶏! 鍬! 鳥居と!』
揃いも揃って、鍬を振りかざす仕草なのが面白すぎる。
『鶏! 鍬! 鳥居と!』
「鳥居と……って、何なんだよ!」
やっぱり、そこ気になるよね。鳥居とあと何なんだろう。
「甘味をくれないと斬っちゃいますよ~」
斬る!? 鍬は? 鍬どこいった!?
沖田さんてば、どさくさに紛れて土方さんのこと斬る気か!
「てめぇにやる甘味なんかねぇよ」
「仕方ないですねぇ~。じゃあこうです」
そう言って、ばさりと斬る仕草をした。
だから鍬はどこへ……?
「はい、斬られたんで土方さんも並んでください~」
「何で俺まで百鬼夜行しなきゃなんねぇんだよ」
「土方さんなら仮装する必要ないじゃないですか~」
「……は?」
まさか……。
「だって鬼ですし~」
やっぱりか!
思わずその場にいる全員で吹き出せば、じろりと睨まれる……。
「おい、てめぇら! 待ちやがれっ!」
まるで蜘蛛の子を散らしたように一斉に逃げ惑う物の怪たちなのだった……。
* * * * *
ハッピーハロウィン!
まじめに推敲すらしていない1時間クオリティです!
前話以上に頭をからっぽにして、ハイどうぞっ!
* * * * *
かぼちゃ祭りという名の偽ハロウィンに、収穫を祝うほかに悪霊を追い払う意味もあるのだと知った沖田さん、藤堂さん、そして永倉さんに原田さんまでもが、私のような仮装をしたいと言い出した。
そんなわけで急遽仕切り直しとなり、仮装を終え次第再び広間へ集合となった。
突っ込みどころ満載ではあるけれど、野菜尽くしのコスプレも、あれはあれで面白かったのになぁ……。
頃合いをみて、私ももう一度お化けの格好をすれば、ジャック・オー・ランタンを手に再び広間へと向かう。
漏れ聞こえる声からどうやらすでに全員集まっているようで、慌てて襖を開けるも速攻で閉めた。
うん……待って。ヤバイって……。
「春くん~? どうしたんです~?」
「お、沖田さん……ですか?」
「まさか春くん、僕の顔忘れちゃったんですか~?」
そんなわけはない。
閉めた襖の向こうから聞こえる声も、確かに沖田さんのものだけれど。
やっぱり、野菜のままの方がよかったってば……。
「いつまでそこにいるんです~?」
そう言って勝手に開かれた襖の向こうには、恐ろしい物の怪たちがいる!
思わず顔がひきつるのを感じるも、そんなことはお構い無しに腕を捕まれ広間へ引きずり込まれた。
「ひぃ……」
「何でそんなに怖がってるんです~?」
怖いからに決まっているでしょう!
「毒を以て毒を制するんだろ?」
そうは言っても!
「春はなんでまた蕪で来たんだ?」
だから蕪ではないと何度言えば……。
「アンタってホント面白い」
その格好で爆笑されても不気味だから!
そりゃあ、ハロウィンの仮装ってかなり自由だけれど。
お化けの類いなら、もっとこう魔女とかドラキュラとかさ……あるじゃない。
幽霊だの妖怪だのは結構怖いからっ!
日本家屋で明かりは蝋燭。そんな中でのそれは、似合いすぎててかなり怖いからねっ!
とはいえ、せっかく仮装までしたのだから楽しまないと?
お化けのようにゆらゆらと物の怪たちに近づき、お決まりの台詞を口ににしてみる。
「トリック・オア・トリート!」
ん? という表情のちょっとシュールな物の怪たち。見慣れてくると逆に面白いかもしれない。
「トリック・オア・トリート!」
通じていないのは承知でもう一度言えば、永倉さん、原田さん、藤堂さんが順に反応した。
「鶏?」
「鍬?」
「鳥居と……何?」
むしろこっちが訊きたい! 鳥居とあと何!?
……って、一つも合ってない!
「トリック・オア・トリート。……甘味をくれないといたずらしちゃうぞ! っていう意味の言葉なんです」
かぼちゃ祭りでは、仮装した子供たちが甘味をもらって回るのだと説明すれば、沖田さんがぱぁっと満面の笑みを浮かべた。
「つまり、甘味をくれないとこうってことですね~?」
鍬を振りかざすようなその動作はいったい……。甘味を渡さなかった人をどうするつもりなんだろう。
というか、いたずらの範疇を超えてない? 鶏と鳥居はどこへいった?
そんな疑問を抱くのは私だけのようで、じゃあさっそく、と広間を出て屯所内を練り歩くこととなった。
もうこれ、ハロウィンでもかぼちゃ祭りでもなく、ただの百鬼夜行だと思う……。
物の怪一行が最初に出会ったのは、あろうことか土方さんだった。
「お前ら何してんだ……」
『鶏! 鍬! 鳥居と!』
「は?」
『鶏! 鍬! 鳥居と!』
揃いも揃って、鍬を振りかざす仕草なのが面白すぎる。
『鶏! 鍬! 鳥居と!』
「鳥居と……って、何なんだよ!」
やっぱり、そこ気になるよね。鳥居とあと何なんだろう。
「甘味をくれないと斬っちゃいますよ~」
斬る!? 鍬は? 鍬どこいった!?
沖田さんてば、どさくさに紛れて土方さんのこと斬る気か!
「てめぇにやる甘味なんかねぇよ」
「仕方ないですねぇ~。じゃあこうです」
そう言って、ばさりと斬る仕草をした。
だから鍬はどこへ……?
「はい、斬られたんで土方さんも並んでください~」
「何で俺まで百鬼夜行しなきゃなんねぇんだよ」
「土方さんなら仮装する必要ないじゃないですか~」
「……は?」
まさか……。
「だって鬼ですし~」
やっぱりか!
思わずその場にいる全員で吹き出せば、じろりと睨まれる……。
「おい、てめぇら! 待ちやがれっ!」
まるで蜘蛛の子を散らしたように一斉に逃げ惑う物の怪たちなのだった……。
* * * * *
ハッピーハロウィン!
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