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【 落の章 】
025 手合わせと切腹の痕
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賑わう稽古場の隅で、黙々と素振りをしていた。
ふと、名前を呼ばれたような気がして振り返れば、視線の先の方には藤堂さんが立っていて、念のため周りを確認すれば苦笑された。
「アンタのことだから」
前にも似たようなことがあったっけ。
思わず謝る私を見て、藤堂さんも思い出したように吹き出した。
「やっぱり、アンタ面白い。ねぇ、春。オレも一緒に稽古していい?」
どうぞ、と場所を少しずれると、突然、藤堂さんが勝負を持ちかけてきた。
まさか、今日こそ剣術勝負か!?
何せここは稽古場だ。竹刀に木刀もあるし、何なら刃引きまであるし!
思わず身構えながらも何の勝負か訊いてみた。
「そうだね、じゃあ勝負方法は春が決めていいよ」
「え……いいんですか? じゃあ、前回と同じコイント……えっと、縵面形で!」
剣術勝負じゃ絶対に勝てないけれど、これなら運任せの勝負だから、二分の一の確率で私でも勝てる。
「いいよ。春はどっち選ぶ?」
藤堂さんが、袂に忍ばせている一文銭を取り出しのを見ながら、前回の勝負を思い出す。
「えーっと、じゃあ今回も表で!」
前回も、表を選んで残り一つの大福を勝ち取った。
……って、流されるままに勝負を受けてしまったけれど、これって一体何の勝負だ?
「オレは裏ね」
訊ねる間もなく、藤堂さんが弾いてしまった。
綺麗に宙へと浮かんだ一文銭は、あっというまに藤堂さんの手の中に収まった。そして、握ったままの手を私の前に差し出しながら言う。
「褒美だけど、オレが勝ったらオレと手合わせしてよ」
「えっ!? ちょ、ちょっと待って下さい! 聞いてませんよ!」
「今、言った」
「なっ……」
子犬のように可愛く微笑んでいるけれど、その顔に宿す意思は固そうで、ちょっとやそっとじゃ引いてくれそうにない。
いくら確率は二分の一といえど、負けた時のリスクが高すぎる。
「ちなみにですけど、私が勝ったら?」
「そうだね、じゃあ甘味でもご馳走しようか?」
甘味、という言葉に反応するように、喉がゴクリと鳴ってしまった。
……いやいや落ちつけ私。少し冷静になれ。
小さく深呼吸をするも、藤堂さんは見透かしたように追い打ちをかけてくる。
「大福がいい?」
だっ、大福、大福って! 確かに大福は好きだけれど!
別に大福だけが特別好きなわけじゃないんだからね! 甘い物全般が好きなんだからっ!
そうは言ってもこの勝負、リスクが高すぎる。
「あのー、すみません。やっぱりこの勝負は……」
受けられません、と言うつもりだったのに、まるで怒られてしゅんとした子犬のような眼差しを向けられて、なぜだか一瞬にして罪悪感に苛まれた。
「わかりましたっ!」
気がつけば、自棄っぱちで頷いていた。
ええい、もうこうなったらどうにでもなれ!
手合わせか大福か。たとえ手合わせになったとしても、沖田さんのあの稽古に比べれば可愛いはずだ!
すかさずニヤリと微笑む藤堂さんに、まんまとしてやられた感しかないけれど、私の目の前に差し出された手は容赦なく開かれていく。
藤堂さんの掌に乗った一文銭には文字がなく、縵面、裏だった……。
「オレの勝ちだね。じゃあ一戦よろしく」
さっそく構える藤堂さんの剣先は、僅かに上下に揺れていた。それに気を取られたのがいけなかった……何てことはなく、期待に応えられるはずもなく勝敗はすぐに決した。
頭を押さえながらうずくまる私に、不思議そうな声が降ってくる。
「何で新見さんのは避けられたの?」
「あれは……」
疑問に思われても仕方がないか。土方さんも隠し通すのは無理だろうって言っていたし。
変に誤魔化してまた手合わせさせられるのはごめんなので、素直に心眼のことを説明した。
「何それ、羨ましいんだけど。じゃあ春と本気でやり合いたかったら、殺す気で立ち向かわないと駄目ってこと?」
「と、藤堂さん? まさかとは思いますが、試そうなんて思ってませんよね……?」
「残念だけど、さすがにそこまではしないよ。そんな理由で仲間を殺そうなんて普通思わないでしょ」
どこかの酔っぱらいは、何の躊躇いもなく真剣を振り下ろしてきたわけで。
藤堂さんが常識人で、本当によかった。
そのあとは、お詫びとばかりに私の稽古につき合ってくれたのだった。
早めに稽古を終え藤堂さんと別れると、新見さんからもらった紙包みを持って、以前、井上さんや藤堂さんと大福を食べた縁側へ向かった。
けれど、そこにはすでに原田さんがいて、お腹を出して眠っていた。
晴れた日中はまだ暖かいとはいえ、いくらなんでもお腹を出して寝ていたら冷えて風邪をひくのでは?
起こすべきか迷っていると、ふと、お腹にある一筋の切り傷が目に留まった。まるで、鋭い刃物で切ったような、横一文字に引かれた傷。
「刀傷……?」
「気になるか?」
「えっ!? って、原田さん起きてたんですか?」
まじまじと原田さんのお腹を見つめながら呟いてしまったので、少し恥ずかしい……。
ひょいと起き上がった原田さんがトントンと隣を叩くので、促されるまま隣に腰を下ろせば、得意気な顔で自身のお腹をパンっと叩き良い音を響かせた。
「俺の腹はな、金物の味を知ってんだ」
「金物の味?」
「ああ。これはな、切腹の痕なんだ」
お腹を切り裂くような動作をしながらそう言った。
「切、腹……って、原田さん、切腹したことあるんですか!?」
切腹って、自分で自分のお腹を切って死ぬアレ?
武士が責任を取って死ぬ時のアレ!?
言っちゃえば自殺じゃないか!
驚く私の顔を見た原田さんは、ニヤリと笑って武勇伝を語り出す。
原田さんの話をまとめると、武家に奉公していた時、上官に当たる武士と喧嘩をしてしまい、腹を切る作法も知らぬ下司め! と罵られたことについカッとなって、本当にお腹を切ったらしい。
売り言葉に買い言葉……。いくら喧嘩を売られたとはいえ、何も本当にお腹を切らなくても……。
というか、つい、で普通そこまでしないしできないから!
「凄いですね……原田さん」
「そうだろ?」
色んな意味で凄いとこぼしたのだけれど、原田さんはどうやらご満悦のようで、嬉しそうに笑っていた。
何だかつられて笑ってしまった。
そういえば、とお菓子を食べに来たことを思い出し、紙包みを開いた。
稽古後の疲れた身体に甘い物はかなり嬉しい。見た目もとても可愛いし。
新見さんは威圧的で怖いし、何度も斬りかかって来たので良いイメージが全くない人だけれど、ふと、どんな顔をしながらこんな可愛いお菓子を買ったのだろうと想像したら、思わず笑みがこぼれた。
もしも仲良くなれたなら、案外違った一面を見ることができるのかもしれない。
「春は甘い物好きなのか?」
私の掌に乗った落雁を覗き込みながら、原田さんが訊いてきた。
「大好きです! あ、よかったら原田さんも半分食べますか?」
さっそく二つに割ろうとするも、気持ちだけ受け取っとく、と遠慮されてしまった。
でもよく話を訊いてみたら、単に甘い物があまり得意ではないそうで、それならば、と
遠慮なく隣で頬張った。
「本当に美味そうに食べるのな」
「へ? ほうでふか?」
上手く喋れなかった……。ほんのり甘くて美味しいのだけれど、口の中の水分が持っていかれる。
そんな私を見つめる原田さんは、片膝を立てた上に肘を乗せた格好で微笑んでいるけれど、その目はどこか小動物でも愛でるような、そんな目に見えるのは気のせいだろうか。
「原田さん、やっぱり少し食べますか?」
「いや、いい。小動物みてえだなーって見てただけだから」
「なっ!」
慌てて残りも頬張ろうとしたら、原田さんが笑いながら立ち上がり、私の頭をポンポンと軽く叩いた。
「悪い、悪い。ゆっくり食え。よく噛んで食わねえと大きくなれねーぞ?」
いや、これお菓子だし。
そんな私の心の突っ込みも露知らず、じゃあな、と原田さんは行ってしまった。
小動物とか身長とか、扱いが藤堂さんを彷彿とさせるのは気のせいか?
そういえば、突然のことだったので新見さんにお礼を言いそびれてしまった。
お礼を言うくらいなら、土方さんも斎藤さんも怒らないと思うから、次、会った時はちゃんとお礼を言おう。
そんなことを考えながら、最後の一口を頬張るのだった。
ふと、名前を呼ばれたような気がして振り返れば、視線の先の方には藤堂さんが立っていて、念のため周りを確認すれば苦笑された。
「アンタのことだから」
前にも似たようなことがあったっけ。
思わず謝る私を見て、藤堂さんも思い出したように吹き出した。
「やっぱり、アンタ面白い。ねぇ、春。オレも一緒に稽古していい?」
どうぞ、と場所を少しずれると、突然、藤堂さんが勝負を持ちかけてきた。
まさか、今日こそ剣術勝負か!?
何せここは稽古場だ。竹刀に木刀もあるし、何なら刃引きまであるし!
思わず身構えながらも何の勝負か訊いてみた。
「そうだね、じゃあ勝負方法は春が決めていいよ」
「え……いいんですか? じゃあ、前回と同じコイント……えっと、縵面形で!」
剣術勝負じゃ絶対に勝てないけれど、これなら運任せの勝負だから、二分の一の確率で私でも勝てる。
「いいよ。春はどっち選ぶ?」
藤堂さんが、袂に忍ばせている一文銭を取り出しのを見ながら、前回の勝負を思い出す。
「えーっと、じゃあ今回も表で!」
前回も、表を選んで残り一つの大福を勝ち取った。
……って、流されるままに勝負を受けてしまったけれど、これって一体何の勝負だ?
「オレは裏ね」
訊ねる間もなく、藤堂さんが弾いてしまった。
綺麗に宙へと浮かんだ一文銭は、あっというまに藤堂さんの手の中に収まった。そして、握ったままの手を私の前に差し出しながら言う。
「褒美だけど、オレが勝ったらオレと手合わせしてよ」
「えっ!? ちょ、ちょっと待って下さい! 聞いてませんよ!」
「今、言った」
「なっ……」
子犬のように可愛く微笑んでいるけれど、その顔に宿す意思は固そうで、ちょっとやそっとじゃ引いてくれそうにない。
いくら確率は二分の一といえど、負けた時のリスクが高すぎる。
「ちなみにですけど、私が勝ったら?」
「そうだね、じゃあ甘味でもご馳走しようか?」
甘味、という言葉に反応するように、喉がゴクリと鳴ってしまった。
……いやいや落ちつけ私。少し冷静になれ。
小さく深呼吸をするも、藤堂さんは見透かしたように追い打ちをかけてくる。
「大福がいい?」
だっ、大福、大福って! 確かに大福は好きだけれど!
別に大福だけが特別好きなわけじゃないんだからね! 甘い物全般が好きなんだからっ!
そうは言ってもこの勝負、リスクが高すぎる。
「あのー、すみません。やっぱりこの勝負は……」
受けられません、と言うつもりだったのに、まるで怒られてしゅんとした子犬のような眼差しを向けられて、なぜだか一瞬にして罪悪感に苛まれた。
「わかりましたっ!」
気がつけば、自棄っぱちで頷いていた。
ええい、もうこうなったらどうにでもなれ!
手合わせか大福か。たとえ手合わせになったとしても、沖田さんのあの稽古に比べれば可愛いはずだ!
すかさずニヤリと微笑む藤堂さんに、まんまとしてやられた感しかないけれど、私の目の前に差し出された手は容赦なく開かれていく。
藤堂さんの掌に乗った一文銭には文字がなく、縵面、裏だった……。
「オレの勝ちだね。じゃあ一戦よろしく」
さっそく構える藤堂さんの剣先は、僅かに上下に揺れていた。それに気を取られたのがいけなかった……何てことはなく、期待に応えられるはずもなく勝敗はすぐに決した。
頭を押さえながらうずくまる私に、不思議そうな声が降ってくる。
「何で新見さんのは避けられたの?」
「あれは……」
疑問に思われても仕方がないか。土方さんも隠し通すのは無理だろうって言っていたし。
変に誤魔化してまた手合わせさせられるのはごめんなので、素直に心眼のことを説明した。
「何それ、羨ましいんだけど。じゃあ春と本気でやり合いたかったら、殺す気で立ち向かわないと駄目ってこと?」
「と、藤堂さん? まさかとは思いますが、試そうなんて思ってませんよね……?」
「残念だけど、さすがにそこまではしないよ。そんな理由で仲間を殺そうなんて普通思わないでしょ」
どこかの酔っぱらいは、何の躊躇いもなく真剣を振り下ろしてきたわけで。
藤堂さんが常識人で、本当によかった。
そのあとは、お詫びとばかりに私の稽古につき合ってくれたのだった。
早めに稽古を終え藤堂さんと別れると、新見さんからもらった紙包みを持って、以前、井上さんや藤堂さんと大福を食べた縁側へ向かった。
けれど、そこにはすでに原田さんがいて、お腹を出して眠っていた。
晴れた日中はまだ暖かいとはいえ、いくらなんでもお腹を出して寝ていたら冷えて風邪をひくのでは?
起こすべきか迷っていると、ふと、お腹にある一筋の切り傷が目に留まった。まるで、鋭い刃物で切ったような、横一文字に引かれた傷。
「刀傷……?」
「気になるか?」
「えっ!? って、原田さん起きてたんですか?」
まじまじと原田さんのお腹を見つめながら呟いてしまったので、少し恥ずかしい……。
ひょいと起き上がった原田さんがトントンと隣を叩くので、促されるまま隣に腰を下ろせば、得意気な顔で自身のお腹をパンっと叩き良い音を響かせた。
「俺の腹はな、金物の味を知ってんだ」
「金物の味?」
「ああ。これはな、切腹の痕なんだ」
お腹を切り裂くような動作をしながらそう言った。
「切、腹……って、原田さん、切腹したことあるんですか!?」
切腹って、自分で自分のお腹を切って死ぬアレ?
武士が責任を取って死ぬ時のアレ!?
言っちゃえば自殺じゃないか!
驚く私の顔を見た原田さんは、ニヤリと笑って武勇伝を語り出す。
原田さんの話をまとめると、武家に奉公していた時、上官に当たる武士と喧嘩をしてしまい、腹を切る作法も知らぬ下司め! と罵られたことについカッとなって、本当にお腹を切ったらしい。
売り言葉に買い言葉……。いくら喧嘩を売られたとはいえ、何も本当にお腹を切らなくても……。
というか、つい、で普通そこまでしないしできないから!
「凄いですね……原田さん」
「そうだろ?」
色んな意味で凄いとこぼしたのだけれど、原田さんはどうやらご満悦のようで、嬉しそうに笑っていた。
何だかつられて笑ってしまった。
そういえば、とお菓子を食べに来たことを思い出し、紙包みを開いた。
稽古後の疲れた身体に甘い物はかなり嬉しい。見た目もとても可愛いし。
新見さんは威圧的で怖いし、何度も斬りかかって来たので良いイメージが全くない人だけれど、ふと、どんな顔をしながらこんな可愛いお菓子を買ったのだろうと想像したら、思わず笑みがこぼれた。
もしも仲良くなれたなら、案外違った一面を見ることができるのかもしれない。
「春は甘い物好きなのか?」
私の掌に乗った落雁を覗き込みながら、原田さんが訊いてきた。
「大好きです! あ、よかったら原田さんも半分食べますか?」
さっそく二つに割ろうとするも、気持ちだけ受け取っとく、と遠慮されてしまった。
でもよく話を訊いてみたら、単に甘い物があまり得意ではないそうで、それならば、と
遠慮なく隣で頬張った。
「本当に美味そうに食べるのな」
「へ? ほうでふか?」
上手く喋れなかった……。ほんのり甘くて美味しいのだけれど、口の中の水分が持っていかれる。
そんな私を見つめる原田さんは、片膝を立てた上に肘を乗せた格好で微笑んでいるけれど、その目はどこか小動物でも愛でるような、そんな目に見えるのは気のせいだろうか。
「原田さん、やっぱり少し食べますか?」
「いや、いい。小動物みてえだなーって見てただけだから」
「なっ!」
慌てて残りも頬張ろうとしたら、原田さんが笑いながら立ち上がり、私の頭をポンポンと軽く叩いた。
「悪い、悪い。ゆっくり食え。よく噛んで食わねえと大きくなれねーぞ?」
いや、これお菓子だし。
そんな私の心の突っ込みも露知らず、じゃあな、と原田さんは行ってしまった。
小動物とか身長とか、扱いが藤堂さんを彷彿とさせるのは気のせいか?
そういえば、突然のことだったので新見さんにお礼を言いそびれてしまった。
お礼を言うくらいなら、土方さんも斎藤さんも怒らないと思うから、次、会った時はちゃんとお礼を言おう。
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