46 / 262
【 落の章 】
046 刀の押し型と抜き方
しおりを挟む
京の屯所へ帰って来てからも、山南さんはしばらく熱でうなされ眠っていた。
医者の見立てでは、もしかしたら……今までのように刀を振るうことは難しくなるかもしれない、ということだった。
まだ、山南さんには伝えていない。
自室で眠る山南さんは、傷の痛みと高い熱のせいで、時折うなされながら苦しそうにしている。
額に乗せた手拭いもすぐに温まってしまうから、布団の脇に置いた桶の水で、何度も冷やし直した。
少しでも早く熱が下がるよう首もとにも手拭いをあてがうと、閉じていた山南さんの瞼がゆっくりと開いた。
「ん……琴月、君?」
「すみません。起こしてしまいましたね……」
「いや、手を煩わせてしまってすまないね。ありがとう」
「いえ。それより、お腹すいてませんか? 何か食べますか?」
熱のせいで食欲もあまりないらしく、やっとお粥を口にしてくれる程度だった。点滴なんてあるはずもなく、栄養は口から摂るしかないので少しでも食べて欲しいのだけれど……。
「今は、まだいいかな……」
「はい……。それじゃ、薬だけ塗りますね」
申し訳なさそうに謝る山南さんの腕を取り、包帯をほどいていく。まだ血の滲む痛々しい傷口に薬を塗り、包帯を巻き直した。
「ありがとう。すまないけど、もう少しだけ寝かせてもらうよ」
「はい。あとで食事と薬を持ってきますね」
山南さんは少しだけ微笑むと、またすぐ眠りに落ちた。起こしてしまわないよう、静かに部屋をあとにするのだった。
部屋に戻ると、土方さんが山南さんの折れた刀の押し型をしていた。
山南さんの刀は刃こぼれも激しく、切っ先から三〇センチほどのところで折れている。
「どうするんですか? それ」
「多摩の鹿之助さんに送る。山南さんは、刀がこんなになるまで戦ったんだって伝えたい」
鹿之助さんとは、小島鹿之助さんといって、土方さんの親戚で新選組の支援者でもあるらしい。
多摩にいた頃からみんなお世話になっていて、京へ来た今でも、時々文で相談などにものってもらっているのだとか。
ふと、それをもらった鹿之助さんはどう思うのだろうと不安が過る。
おお凄い! 頑張ったんだな! とでも思うのだろうか。
縁起でもないけれど、討死してその遺品……みたいな感じがしてしまうのだけれど……。
「どうだった?」
押し型をする土方さんから、短い問いを投げかけられた。
きっと、山南さんのことだよね。
「熱があるせいか、食欲もあまりないみたいです」
「そうか」
短い返事だけれど素っ気ない印象は全くなくて、むしろ、短い中にこそ心配や悔しさ、色んな感情が詰め込まれているような声音だった。
押し型を終えた土方さんが、今度は一緒に添えるのであろう文に筆を走らせながら訊いてくる。
「そういえばお前、医術の心得でもあるのか? 山南さんの止血の時、随分手際がよかったが」
「母が看護師……えーっと、お医者様のお手伝いをする仕事をしているんです。だから、怪我をした時の応急処置は少しだけ知っていたというか……。それでも、刀傷なんて見るのは初めてですし、とにかく血を止めなきゃって必死だったんです」
幼い頃から活発で、兄よりもやんちゃだと言われて育ってきたせいか、小さな傷を作ることは日常茶飯事だった。おかげで、しょっちゅう看護師である母のお世話になったっけ。
あの頃は、絆創膏一つで痛みを消してしまう母が魔法使いに見えて、幼心に私も母のようになりたいと思ったんだ。
ぼんやりと思い出に浸っていれば、いつの間にか土方さんが顔だけをこちらに向けていた。
「医者も処置がよかったって誉めてたじゃねぇか。ちゃんと役に立ったんだ。いつまでも落ち込んでんじゃねぇ」
あ……。やっぱり土方さんにはバレていた。
山南さんが怪我をしたことももちろん落ち込む原因だけれど、あの日、私は刀を抜けなかった。
新選組にいる以上、あんな風に斬り合いになることはわかっていたはずなのに。いざ目の当たりにしたらまともに動くこともままならず、何の役にも立てなかった。
あの時、土方さんが助けに入ってくれなかったら……。避け続けるだけでは、いつかのように自滅するだけなのに。
京に帰って来てからも、そのことをずっと引きずっていたのだった。
「土方さん、ごめんなさい」
「ん?」
「私、刀を抜けませんでした……。抜こうとはしたんですけど、焦ってたのかなかなか抜けなくて……って、言い訳にしか聞こえないですよね、すみません」
私にはきっと、人を斬ることはできない。どんなに悪人だろうと、おそらくできないと思う。何となくそれはわかっている……。
それでも、刀で応戦するくらいはできるはず。
幸いにも、私には心眼がある。これがあれば、相手の刀を払ったり落としたりすることができるはず。
そうやって相手の戦意を喪失させられれば、向かってくる相手を斬り捨てるのではなく、捕縛することができるはず。
……そう思っていたけれど、実際は何もできなかった。
思い出しただけで、己の覚悟の弱さと思い上がりにため息がでる。
「ああ、あの時か。お前、鯉口切ったか?」
「こいぐち? 斬るも何も、そもそも刀を抜いていないので何も斬ってませんが……」
再びこぼれた小さなため息は、土方さんのわざとらしいほどの盛大なため息によって掻き消された。
筆を置いて立ち上がるなり、呆れ顔で言う。
「刀を持って来い」
言われた通り刀掛けから自分の刀を取れば、土方さんも同じように隣の刀掛けから自分の刀を取った。
そのまま私の目の前に立つと、私の目線の高さに刀を持ち上げ、親指でちょんと鍔を弾くように押し上げてから、刀身を僅かに引き出して見せた。
刀には、刀身の手元部分にハバキと呼ばれる金具が嵌められていて、これがあることによって、刀身が鞘から簡単には抜けないようになっているらしい。
だから抜刀する時は、あらかじめ刀がすぐに抜けるよう刀身を少し引き出しておく必要があり、この動作のことを鯉口を切るというらしい。
確かに、軽く引いた程度で簡単に鞘から抜けたら危険だ。うっかり鞘から抜け落ちて、怪我でもしたらたまったものじゃない。
ふと、時代劇とかでそんな動作があったことを思い出す。格好つけとかではなく、ちゃんと意味のあることだったんだ……と、何度か鯉口を切りながら感動してしまった。
ちなみに鯉口とは、刀身を収める鞘の口の部分のことで、形が鯉の口に似ているからそう言うらしい。
土方さんが自分の刀を抜き、鯉口を見せてくれた。
「あ、本当だ。鯉の口みたいですね。こう餌を食べてるみたいな」
鯉のように口をパクパクさせて見せると、あろうことか私のお腹が反応した。
聞き流してくれたらいいものを、土方さんは刀を鞘に戻しながらバカにしたように笑い出す。
「夕餉まではまだ少し時間があるぞ。餌でも食っとくか?」
そう言って、パッパッと池の鯉に餌を投げ入れるような仕草をして見せた。
何だか無性に腹が立つのだけれど……。
自棄っぱちでパクパクと食べる動作をしてみせれば、予想外の行動だったのか、土方さんが爆笑した。爆笑ついでに文机に足の小指をぶつけていた。
「いてっ」
「ぷっ。大丈夫ですか?」
「おい、笑ったか? 笑ったよな!?」
「何言ってるんですか。心配してるんです」
「いや、笑っただろう!?」
「心配してることに変わりはないですよ。ふふっ」
「笑ってんじゃねぇかっ!」
そんなくだらないやりとりをしながら、ふと気づかされる。バカバカしいとも思える時間が、どれほど穏やかで幸せなことなのかと。
この時代、刀を交えることが本当にあるのだということを、痛いほど思い知らされたから。
まともに刀を交えれば血は流れ、怪我をすることも、命を失うこともあるのだと、この目ではっきりと見てしまったから。
あんな場面は今後もきっとある。
けれどその時は、私もちゃんと刀を抜いて、みんなを守ってみせる。
鞘ごと刀をぎゅっと握りしめ、そう心に誓うのだった。
医者の見立てでは、もしかしたら……今までのように刀を振るうことは難しくなるかもしれない、ということだった。
まだ、山南さんには伝えていない。
自室で眠る山南さんは、傷の痛みと高い熱のせいで、時折うなされながら苦しそうにしている。
額に乗せた手拭いもすぐに温まってしまうから、布団の脇に置いた桶の水で、何度も冷やし直した。
少しでも早く熱が下がるよう首もとにも手拭いをあてがうと、閉じていた山南さんの瞼がゆっくりと開いた。
「ん……琴月、君?」
「すみません。起こしてしまいましたね……」
「いや、手を煩わせてしまってすまないね。ありがとう」
「いえ。それより、お腹すいてませんか? 何か食べますか?」
熱のせいで食欲もあまりないらしく、やっとお粥を口にしてくれる程度だった。点滴なんてあるはずもなく、栄養は口から摂るしかないので少しでも食べて欲しいのだけれど……。
「今は、まだいいかな……」
「はい……。それじゃ、薬だけ塗りますね」
申し訳なさそうに謝る山南さんの腕を取り、包帯をほどいていく。まだ血の滲む痛々しい傷口に薬を塗り、包帯を巻き直した。
「ありがとう。すまないけど、もう少しだけ寝かせてもらうよ」
「はい。あとで食事と薬を持ってきますね」
山南さんは少しだけ微笑むと、またすぐ眠りに落ちた。起こしてしまわないよう、静かに部屋をあとにするのだった。
部屋に戻ると、土方さんが山南さんの折れた刀の押し型をしていた。
山南さんの刀は刃こぼれも激しく、切っ先から三〇センチほどのところで折れている。
「どうするんですか? それ」
「多摩の鹿之助さんに送る。山南さんは、刀がこんなになるまで戦ったんだって伝えたい」
鹿之助さんとは、小島鹿之助さんといって、土方さんの親戚で新選組の支援者でもあるらしい。
多摩にいた頃からみんなお世話になっていて、京へ来た今でも、時々文で相談などにものってもらっているのだとか。
ふと、それをもらった鹿之助さんはどう思うのだろうと不安が過る。
おお凄い! 頑張ったんだな! とでも思うのだろうか。
縁起でもないけれど、討死してその遺品……みたいな感じがしてしまうのだけれど……。
「どうだった?」
押し型をする土方さんから、短い問いを投げかけられた。
きっと、山南さんのことだよね。
「熱があるせいか、食欲もあまりないみたいです」
「そうか」
短い返事だけれど素っ気ない印象は全くなくて、むしろ、短い中にこそ心配や悔しさ、色んな感情が詰め込まれているような声音だった。
押し型を終えた土方さんが、今度は一緒に添えるのであろう文に筆を走らせながら訊いてくる。
「そういえばお前、医術の心得でもあるのか? 山南さんの止血の時、随分手際がよかったが」
「母が看護師……えーっと、お医者様のお手伝いをする仕事をしているんです。だから、怪我をした時の応急処置は少しだけ知っていたというか……。それでも、刀傷なんて見るのは初めてですし、とにかく血を止めなきゃって必死だったんです」
幼い頃から活発で、兄よりもやんちゃだと言われて育ってきたせいか、小さな傷を作ることは日常茶飯事だった。おかげで、しょっちゅう看護師である母のお世話になったっけ。
あの頃は、絆創膏一つで痛みを消してしまう母が魔法使いに見えて、幼心に私も母のようになりたいと思ったんだ。
ぼんやりと思い出に浸っていれば、いつの間にか土方さんが顔だけをこちらに向けていた。
「医者も処置がよかったって誉めてたじゃねぇか。ちゃんと役に立ったんだ。いつまでも落ち込んでんじゃねぇ」
あ……。やっぱり土方さんにはバレていた。
山南さんが怪我をしたことももちろん落ち込む原因だけれど、あの日、私は刀を抜けなかった。
新選組にいる以上、あんな風に斬り合いになることはわかっていたはずなのに。いざ目の当たりにしたらまともに動くこともままならず、何の役にも立てなかった。
あの時、土方さんが助けに入ってくれなかったら……。避け続けるだけでは、いつかのように自滅するだけなのに。
京に帰って来てからも、そのことをずっと引きずっていたのだった。
「土方さん、ごめんなさい」
「ん?」
「私、刀を抜けませんでした……。抜こうとはしたんですけど、焦ってたのかなかなか抜けなくて……って、言い訳にしか聞こえないですよね、すみません」
私にはきっと、人を斬ることはできない。どんなに悪人だろうと、おそらくできないと思う。何となくそれはわかっている……。
それでも、刀で応戦するくらいはできるはず。
幸いにも、私には心眼がある。これがあれば、相手の刀を払ったり落としたりすることができるはず。
そうやって相手の戦意を喪失させられれば、向かってくる相手を斬り捨てるのではなく、捕縛することができるはず。
……そう思っていたけれど、実際は何もできなかった。
思い出しただけで、己の覚悟の弱さと思い上がりにため息がでる。
「ああ、あの時か。お前、鯉口切ったか?」
「こいぐち? 斬るも何も、そもそも刀を抜いていないので何も斬ってませんが……」
再びこぼれた小さなため息は、土方さんのわざとらしいほどの盛大なため息によって掻き消された。
筆を置いて立ち上がるなり、呆れ顔で言う。
「刀を持って来い」
言われた通り刀掛けから自分の刀を取れば、土方さんも同じように隣の刀掛けから自分の刀を取った。
そのまま私の目の前に立つと、私の目線の高さに刀を持ち上げ、親指でちょんと鍔を弾くように押し上げてから、刀身を僅かに引き出して見せた。
刀には、刀身の手元部分にハバキと呼ばれる金具が嵌められていて、これがあることによって、刀身が鞘から簡単には抜けないようになっているらしい。
だから抜刀する時は、あらかじめ刀がすぐに抜けるよう刀身を少し引き出しておく必要があり、この動作のことを鯉口を切るというらしい。
確かに、軽く引いた程度で簡単に鞘から抜けたら危険だ。うっかり鞘から抜け落ちて、怪我でもしたらたまったものじゃない。
ふと、時代劇とかでそんな動作があったことを思い出す。格好つけとかではなく、ちゃんと意味のあることだったんだ……と、何度か鯉口を切りながら感動してしまった。
ちなみに鯉口とは、刀身を収める鞘の口の部分のことで、形が鯉の口に似ているからそう言うらしい。
土方さんが自分の刀を抜き、鯉口を見せてくれた。
「あ、本当だ。鯉の口みたいですね。こう餌を食べてるみたいな」
鯉のように口をパクパクさせて見せると、あろうことか私のお腹が反応した。
聞き流してくれたらいいものを、土方さんは刀を鞘に戻しながらバカにしたように笑い出す。
「夕餉まではまだ少し時間があるぞ。餌でも食っとくか?」
そう言って、パッパッと池の鯉に餌を投げ入れるような仕草をして見せた。
何だか無性に腹が立つのだけれど……。
自棄っぱちでパクパクと食べる動作をしてみせれば、予想外の行動だったのか、土方さんが爆笑した。爆笑ついでに文机に足の小指をぶつけていた。
「いてっ」
「ぷっ。大丈夫ですか?」
「おい、笑ったか? 笑ったよな!?」
「何言ってるんですか。心配してるんです」
「いや、笑っただろう!?」
「心配してることに変わりはないですよ。ふふっ」
「笑ってんじゃねぇかっ!」
そんなくだらないやりとりをしながら、ふと気づかされる。バカバカしいとも思える時間が、どれほど穏やかで幸せなことなのかと。
この時代、刀を交えることが本当にあるのだということを、痛いほど思い知らされたから。
まともに刀を交えれば血は流れ、怪我をすることも、命を失うこともあるのだと、この目ではっきりと見てしまったから。
あんな場面は今後もきっとある。
けれどその時は、私もちゃんと刀を抜いて、みんなを守ってみせる。
鞘ごと刀をぎゅっと握りしめ、そう心に誓うのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる