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Act 4. 邂逅の始まりと圧倒的艱難辛苦の前触れ
【邂逅】
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気付けば季節は巡り
いつしか桜の花びらが咲く頃となった。
小説を書き上げる約束をあの日、煌子と交わしてから
二度目の春が来たと言うのに
「僕の彼女はアイツの親友」は相変わらず頓挫したままで
代わりに全く別のホラーストーリーを
手掛ける新しい日々が始まった、
そんなある日のことだった。
ふとテレビをつけると2年前、苛酷な滝行で
こっこを知るきっかけになった
あの番組が放送されていた。
今回の企画は「SNSいいねグランプリ」
何人かのメンバーが小旅行をしながら
写真撮影をしてSNSに投稿し
その画像についた"いいね"の数を競う、と言う
ありがちな内容だった。
同郷のメンバーが一人その企画に参加していることを知り
SNSにコメントしたところ
そのコメントに対して"いいね"をしてくれたので
私は一人、ご満悦だった。
そして、その参加メンバーの中にこっこがいることを知り
この前の煌子とのやり取りもあってか
少しの後ろめたさを感じながらも同時に懐かしさも覚え
たった一度しか話したことがないのに
まるで古くからのファンのように
随分親しげなコメントをしてみた、
"こっこのおかげで背景も映えてるね"、と。
これまでの動画配信での素っ気ない経験から
当然何のリアクションもないだろうと
何一つ期待もしていなかったのだが・・・
その数分後のことだった、
"田中皓子さんが
あなたについてコメントを書きました"
そんな通知に「まさか!?」と思いつつ
もどかしい思いで画面を開いて確認すると
「だろ!!!」
たった一言、そう返信されていた。
何とシンプルでそれでいて
何と人の心を捉えるコメントなんだ…
そしてこの時、私は
とても単純な生き物であると気づいた。
これまで縁がない、運が悪いと
少しずつ距離を置き始めていた彼女の存在が
とてつもなく近いものに感じられ始めたのだ。
この日を境に私はこっこのSNSには
必ずコメントをすることにした。
すると彼女はほぼ全てのコメントに対して
返信をくれるようになった。
私の中で再び止まっていた "何か"が動き始めた。
いつしか桜の花びらが咲く頃となった。
小説を書き上げる約束をあの日、煌子と交わしてから
二度目の春が来たと言うのに
「僕の彼女はアイツの親友」は相変わらず頓挫したままで
代わりに全く別のホラーストーリーを
手掛ける新しい日々が始まった、
そんなある日のことだった。
ふとテレビをつけると2年前、苛酷な滝行で
こっこを知るきっかけになった
あの番組が放送されていた。
今回の企画は「SNSいいねグランプリ」
何人かのメンバーが小旅行をしながら
写真撮影をしてSNSに投稿し
その画像についた"いいね"の数を競う、と言う
ありがちな内容だった。
同郷のメンバーが一人その企画に参加していることを知り
SNSにコメントしたところ
そのコメントに対して"いいね"をしてくれたので
私は一人、ご満悦だった。
そして、その参加メンバーの中にこっこがいることを知り
この前の煌子とのやり取りもあってか
少しの後ろめたさを感じながらも同時に懐かしさも覚え
たった一度しか話したことがないのに
まるで古くからのファンのように
随分親しげなコメントをしてみた、
"こっこのおかげで背景も映えてるね"、と。
これまでの動画配信での素っ気ない経験から
当然何のリアクションもないだろうと
何一つ期待もしていなかったのだが・・・
その数分後のことだった、
"田中皓子さんが
あなたについてコメントを書きました"
そんな通知に「まさか!?」と思いつつ
もどかしい思いで画面を開いて確認すると
「だろ!!!」
たった一言、そう返信されていた。
何とシンプルでそれでいて
何と人の心を捉えるコメントなんだ…
そしてこの時、私は
とても単純な生き物であると気づいた。
これまで縁がない、運が悪いと
少しずつ距離を置き始めていた彼女の存在が
とてつもなく近いものに感じられ始めたのだ。
この日を境に私はこっこのSNSには
必ずコメントをすることにした。
すると彼女はほぼ全てのコメントに対して
返信をくれるようになった。
私の中で再び止まっていた "何か"が動き始めた。
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