ウチの兄はテンセイシャらしいです?

羽矢 翼

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第一章:兄との日々 ついてくる差

お兄ちゃんの友達

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 私はエトラちゃんとは今でも仲良しだ。お兄ちゃんに合わせたらとても喜んでくれた。私はあんまり嬉しくないけどね!
 お兄ちゃんに好きな娘を取られた悔しさで、私は心中穏やかではなかった。
 それと、最近の私の成績は本当に良くない。このままではやばい。良い就職先に入れないかもしれない。
 そんな不安に駆られながら、五月。私は今月のイベントであるクラス合宿を楽しみにしてた。だから、最近はルンルンで登校している。もしかしたら、エトラちゃんもクラス合宿で私のことを惚れ直してくれるかもしれない。


 「君、今日から教師をつけて今月いっぱい勉強してもらうから。」
 「・・・・・・へ?」担任の先生に呼び出されたかと思ったら、とんでも無いことを言われた。
 「ど、どうしてですか先生。」
 「理由は決まっている。君の成績が悪いからだよ。」
 「え、で、でも」
 「反論は認めないよ」
 本当に最悪だった。今学期始まってまだ一ヶ月しか経ってないのにこんなことが起こるなんて。ということはクラス合宿も行けないんだ・・・・・・。
 私は放心状態になってしまった。
 ということで5月は勉強漬けの毎日になるだろう。こうなることだったら勉強しとくべきだった。


 俺の名前はレル。アレンの女友達だ。ある時、俺は神の思召しで聖女に選ばれた。そのおかげである程度の権力が手に入り、俺のことをバカにしていた奴らは一気に手のひら返しをした。
 いや、手のひら返しというより、涙ながらに謝罪してきた。ほぼ全員土下座した。俺はスカッとしたより、いきなりのことすぎてタジタジした。
 そんなことより、俺の村に住んでた人は全員こんなことを思っていたらしい。
 「え?レルってもってたんだ。」要するに俺に男性経験がないってことだ。・・・・・・むちゃくちゃ失礼じゃねえか。
 まあ、俺が聖女になれた理由は「盲目だったから神の手が差し伸べられた」って感じだな。俺はなんだかんだで人生で勝ち組になったわけだから、凄く嬉しい。
 俺は聖女になった瞬間、ちょっと都会の町に移動した。そこで、アレンに出会った。アレンは本当にびっくりするほど、見た目に反して腕っぷしが強い。俺とアレンは結構仲のいい悪友になった。女とか男とか関係ない。アレンは本当に仲の良い親友だ。
 そのアレンの妹がどうやら魔法の成績面で苦労しているらしい。ちょうど俺が勤務しているサントラル学園だったので、専属の教師に志願したら、一発OKをもらえた。


 私がクラス合宿に行けなくなったことが確定して落ち込んでると、担任の先生が、私に魔法の勉強を教えてくれることになった先生が決まったらしい。
 「リン。教えてくれる先生は聖女様だから、失礼のないように。」そうやって、教室に入ってきたのは、杖をつきながら、黒曜石のサングラスをかけた白髪でポニテが特徴的なお姉さんだった。いわゆる「盲目聖女」だ。
 しかし、私はそれよりも(この人本当に聖女?なんか雰囲気がチャラすぎない?)が正直な感想だった。
 とりあえず、この人のお陰で魔法が結構得意分野になることを私はまだ知らない。
 
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