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第一章:兄との日々 ついてくる差
兄のことはもうあまり好きじゃない
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学校ではお兄ちゃんが黒竜を倒したことで持ちきりだった。
私だって一生懸命魔法を覚えたのに、最早そのことに触れてる人は0に近かった。
私はトボトボと肩を落としながら、帰り道を行くのだった。
家に帰ったらお父さんとお母さんがお兄ちゃんを囲って、ドンチャン騒ぎをしていた。多分黒竜を倒した事を祝っているのだろう。
「いやー、まさか家の息子が黒竜を倒すとは。さすがフォン家の御曹司!!」とお父さん。
「やっぱり私の教育が良かったのだわ。」と母さん。
最初はどうも思わなかったが、だんだんと見ているうちに腹が立ってきた。
「リン、おかえり。」と優しく微笑んでいるお兄ちゃんを無視して、私は両親に突っかかった。
「もう!!パパ!ママ!別にお兄ちゃんが凄いのはずっと前からわかっていたことでしょ!!それよりも私も魔法の学問で学校一になったんだよ!そっちの方が凄いよ!」私はかなりムキになっているのが、自分でもわかった。するとお父さんは露骨にため息をついて、
「確かにそれは凄いことだな。だけど・・・・・・。」お父さんはヤレヤレという反応をし、
「お前は黒竜を倒せないだろ?」
その言葉を聞いた時、私は頭に血が上り、無言で家を出て行った。
「ねえ!待ってよ、リン!何かあったなら、お兄ちゃんが話を聞くから!」そうお兄ちゃんが呼び止める声が聞こえたが、私は無視して家を飛び出して行った。
「はい。どちら様ですか?」そういって扉を開けたレル先生は黒曜石のサングラスをしてなかった。レル先生の裸眼を見て、私は先生が盲人であることが改めてわかった気がする。
「あ、せ、先生・・・。」先生の家は前々から本人に聞かされていた。先生は聖女なので、教会の隣にある簡易的な家に住んでいる。私の声をきいた先生は少し微笑んだ。
「こんな遅い時間にどうした?」
「人生相談と・・・ちょっと家族と喧嘩しちゃって。」
「まあ、とりあえずおいで。」
先生の部屋はステンドガラスで張り巡らされていて、神秘的な雰囲気だった。私は椅子がないので、ベットに座るように言われた。
「家族って親のことか?アレンはないだろう。だって、あいつが兄妹喧嘩するとは思えないし。」
「パパとママがお兄ちゃんのことを褒めすぎてて、ちょっと鼻についたから・・・・・・。」それを言ったとき、先生はちょっと意外そうな顔をした。
「へえ、お前って意外とプライド高いんだな。兄貴と比較されて鼻についたわけだ。」
「・・・・・・はい。」
「でも、しょうがないよ。あいつは「転生者」だからな。」知らない言葉を言われて、私は戸惑った。
「テンセイシャ?何ですかそれ?」すると先生は衝撃的なことを言った。
「転生者はな。簡単にいうと他の世界からこの世界へと、生まれ変わってきた奴のことだよ。だからあいつはあんなに強いんだ。」
「・・・・・・それって本当ですか?」
「俺も最初に信じられなかったんだけどな、一緒にいてあいつのものすごい力を見ているうちに俺は信じるようになった。」
・・・あぁ、なるほど。道理であんなに強いわけだ。私があんなに努力してもお兄ちゃんに勝てないのはあの人がテンセイシャだからか。
そう思うと私は馬鹿らしくなった。
その後普通にレルさんはお兄ちゃんを呼んできた。
お兄ちゃんは少し微笑んでいた。
「心配したよ。大丈夫?」
「・・・・・・。」
「何?どうしたの?」
「・・・早く家まで送り届けてよ」私のそっけない返事にお兄ちゃんは驚いた顔をしていたが、私は気にしなかった。
そこから、お兄ちゃんと私の溝は深まるのだった。
私だって一生懸命魔法を覚えたのに、最早そのことに触れてる人は0に近かった。
私はトボトボと肩を落としながら、帰り道を行くのだった。
家に帰ったらお父さんとお母さんがお兄ちゃんを囲って、ドンチャン騒ぎをしていた。多分黒竜を倒した事を祝っているのだろう。
「いやー、まさか家の息子が黒竜を倒すとは。さすがフォン家の御曹司!!」とお父さん。
「やっぱり私の教育が良かったのだわ。」と母さん。
最初はどうも思わなかったが、だんだんと見ているうちに腹が立ってきた。
「リン、おかえり。」と優しく微笑んでいるお兄ちゃんを無視して、私は両親に突っかかった。
「もう!!パパ!ママ!別にお兄ちゃんが凄いのはずっと前からわかっていたことでしょ!!それよりも私も魔法の学問で学校一になったんだよ!そっちの方が凄いよ!」私はかなりムキになっているのが、自分でもわかった。するとお父さんは露骨にため息をついて、
「確かにそれは凄いことだな。だけど・・・・・・。」お父さんはヤレヤレという反応をし、
「お前は黒竜を倒せないだろ?」
その言葉を聞いた時、私は頭に血が上り、無言で家を出て行った。
「ねえ!待ってよ、リン!何かあったなら、お兄ちゃんが話を聞くから!」そうお兄ちゃんが呼び止める声が聞こえたが、私は無視して家を飛び出して行った。
「はい。どちら様ですか?」そういって扉を開けたレル先生は黒曜石のサングラスをしてなかった。レル先生の裸眼を見て、私は先生が盲人であることが改めてわかった気がする。
「あ、せ、先生・・・。」先生の家は前々から本人に聞かされていた。先生は聖女なので、教会の隣にある簡易的な家に住んでいる。私の声をきいた先生は少し微笑んだ。
「こんな遅い時間にどうした?」
「人生相談と・・・ちょっと家族と喧嘩しちゃって。」
「まあ、とりあえずおいで。」
先生の部屋はステンドガラスで張り巡らされていて、神秘的な雰囲気だった。私は椅子がないので、ベットに座るように言われた。
「家族って親のことか?アレンはないだろう。だって、あいつが兄妹喧嘩するとは思えないし。」
「パパとママがお兄ちゃんのことを褒めすぎてて、ちょっと鼻についたから・・・・・・。」それを言ったとき、先生はちょっと意外そうな顔をした。
「へえ、お前って意外とプライド高いんだな。兄貴と比較されて鼻についたわけだ。」
「・・・・・・はい。」
「でも、しょうがないよ。あいつは「転生者」だからな。」知らない言葉を言われて、私は戸惑った。
「テンセイシャ?何ですかそれ?」すると先生は衝撃的なことを言った。
「転生者はな。簡単にいうと他の世界からこの世界へと、生まれ変わってきた奴のことだよ。だからあいつはあんなに強いんだ。」
「・・・・・・それって本当ですか?」
「俺も最初に信じられなかったんだけどな、一緒にいてあいつのものすごい力を見ているうちに俺は信じるようになった。」
・・・あぁ、なるほど。道理であんなに強いわけだ。私があんなに努力してもお兄ちゃんに勝てないのはあの人がテンセイシャだからか。
そう思うと私は馬鹿らしくなった。
その後普通にレルさんはお兄ちゃんを呼んできた。
お兄ちゃんは少し微笑んでいた。
「心配したよ。大丈夫?」
「・・・・・・。」
「何?どうしたの?」
「・・・早く家まで送り届けてよ」私のそっけない返事にお兄ちゃんは驚いた顔をしていたが、私は気にしなかった。
そこから、お兄ちゃんと私の溝は深まるのだった。
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