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僕はそれなりの力で…
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「ゴン」みたいな振動が体に伝わる。
手の甲は少し暖かくて、春の夜の肌寒さとあべこべになる。
少し赤くなっていて、擦りむいたような血が出ていた。
きっと明日には痣になってしまうんだろうなと思いながら、まだ足りないと僕はもうニ回拳を叩きつける。
さっきよりも酷くなった。
僕はお気に入りのピースをふかしながら落ち着いた様子でコーヒーを啜る。
マサに悲しいことがあった。
彼は笑ながら話すが、いつもの無邪気な表情が今日はバランスを崩しているように思えた。
僕は目がうるっとした彼の話をコンビニの前で缶チューハイを飲みながら聴いた。
あまりにも僕が経験したことがないような話で、言葉を失うよりも笑うことしかできなかった。
僕は自分が悔しいと思った。
これまでの人生で悲しいことは沢山あって、誰よりも不幸だと思った瞬間があった。
二度とこんな思いなどしたくないと思った。
でも、彼の痛みをわかることができなかった。
ぐびっと缶を飲み終えた後、僕は「今日は寝れないなぁ」とマサを真面目におちょくるような感じで言った。
彼はいっぱい話を聞いてくれたから寝れそうだと言っていたがきっと無理だと思いながら帰路についた。
家に帰ってから僕はなんだかわからなくなって外に出てみた。
寒いなぁって思うと、彼も寒いんだなぁと思い、ここじゃ寝れないなって思うと、彼も眠れていないんだと思った。
まだ足りないとコンクリートの地面を殴る前に自分の右頬をグーで殴ってみた。
顎が揺れて頭がふらふらしたけど、よし、痛い、これくらいの力で地面を殴ってみよう、そして今に至る。
マサの痛みは分からなかったけど、この痛みもマサにはわからないだろう。
僕は眠れない彼からの電話が来るのを、温かいコーヒーを飲みながら楽しみにしていた。
手の甲は少し暖かくて、春の夜の肌寒さとあべこべになる。
少し赤くなっていて、擦りむいたような血が出ていた。
きっと明日には痣になってしまうんだろうなと思いながら、まだ足りないと僕はもうニ回拳を叩きつける。
さっきよりも酷くなった。
僕はお気に入りのピースをふかしながら落ち着いた様子でコーヒーを啜る。
マサに悲しいことがあった。
彼は笑ながら話すが、いつもの無邪気な表情が今日はバランスを崩しているように思えた。
僕は目がうるっとした彼の話をコンビニの前で缶チューハイを飲みながら聴いた。
あまりにも僕が経験したことがないような話で、言葉を失うよりも笑うことしかできなかった。
僕は自分が悔しいと思った。
これまでの人生で悲しいことは沢山あって、誰よりも不幸だと思った瞬間があった。
二度とこんな思いなどしたくないと思った。
でも、彼の痛みをわかることができなかった。
ぐびっと缶を飲み終えた後、僕は「今日は寝れないなぁ」とマサを真面目におちょくるような感じで言った。
彼はいっぱい話を聞いてくれたから寝れそうだと言っていたがきっと無理だと思いながら帰路についた。
家に帰ってから僕はなんだかわからなくなって外に出てみた。
寒いなぁって思うと、彼も寒いんだなぁと思い、ここじゃ寝れないなって思うと、彼も眠れていないんだと思った。
まだ足りないとコンクリートの地面を殴る前に自分の右頬をグーで殴ってみた。
顎が揺れて頭がふらふらしたけど、よし、痛い、これくらいの力で地面を殴ってみよう、そして今に至る。
マサの痛みは分からなかったけど、この痛みもマサにはわからないだろう。
僕は眠れない彼からの電話が来るのを、温かいコーヒーを飲みながら楽しみにしていた。
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