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盲目と沈黙

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街中をカツンカツンと言う独特の音が支配する。
あたりの人は支配から逃れようと音の源を遠巻きに歩く。
しかしその人にとっては音は目であった。
視覚障害のあるその男は、白杖を使って実に見事に歩くのである。

昔、小学生くらいの頃、私は目を閉じたまま自転車に乗った。
目が不自由というのはどれほどのものかと知りたかったからだ。
10メートルほど走って、なんだこんなものかとさらに距離を伸ばした結果、慣性の法則を見事に説明したように、私はふっとんだことを記憶している。
これ以上は語る必要はあるまい。

自然と盲目の人間には高い敬意を払っていると感じている。
そんな人に対してからかう人間がいるとは思わなかった。
しかし私の眼前では高校生くらいの、とても馬鹿そうな4人組が何やらニヤニヤしているのをしっかりと捉えた。
私は腹が立ちつつも有事の際には必ず、地獄のような目に合わせてやろうと考えていた。
もちろん私も地獄行きだが。
何もなかったのが幸いである。

ただ、盲目だと人も殴れないのだと思った。どんなにムカついても、必ず自分が負けるからだ。
これは酷く、悔しいことだと思う。
物語のヒロインよりも、守られる側で、救いを求める必要がある。
戦いを挑むということが、あまりにも高嶺の花なのだ。

そう考えると、文句を言うということと、未来に対して何らかの予見を持つことに対しても落とし込めるのだろうか?とぼんやりと議題についてああでもない、こうでもないと試行錯誤する。

そんなこんなで目的地である喫茶店に着いた。ここは昔ながらの、タバコが吸える喫茶店で、綺麗な女性のバイトがいるのでよく訪れる。
最近の若い子は~、今の県知事は~、あの人がもう一度総理大臣にならないかなぁ、などと話題は激走している。

なんだ、文句というのは誰にでも言えるのかと、議論も目的地に到着したようだ。
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