精霊剣士カイトがゆく!人を守る奇跡の代償

禁断のもりの奥にて

オレは禁断の森の奥、だちとかるーく探検をしに来たつもりが、気づいたら、獣道で三匹の狼の様な魔物に追いかけられていた。えっどうしてこうなった？話すと長くなるので割愛するが、簡略化すると、幼なじみに贈り物をするべくその素材を探しにいくという目的で森に入ったら、迷って奥まできた、というわけだ。

オレの鼓動は高鳴り、冷や汗を背中に掻き、息を切らして魔物に振り返る。
　魔物は身体中から獣臭を放ち、紅く鋭い眼光に吸い込まれそうだ。
　魔物は荒い息を上げて低く唸り、涎を垂らしながら、鋭い牙を覗かせ吠えて走ってくる。

　当然のことながら舗装されてないので足元がかなり悪く、雨が降ったのか?大小の水溜りが出来ている。
オレは前を向いてないので、前方不注意で盛大に水溜りを踏んだらしく、派手な水飛沫が飛び散る。
　おまけに水溜りを踏んだせいで、足を持っていかれ危うくこけそうになる。
　その時、真ん中の魔物が急に立ち止り砂煙を上げる。
　魔物は顔を真っ直ぐ上げて遠吠えをした。
　あいつ何しやがった？
　嫌な予感がする。オレの頬に冷や汗が伝い、オレは顔を戻す。
　腕を必死に振って走り、小さな水溜りを飛んで避け、大きな水溜りはブーツが濡れるのを構わず走る。
　(こうなりゃ、汚れる心配をしてる場合じゃねぇ!)
　獣道の脇では、樹の影や枝の上で紅い眼が蛍の光の様に幾つも光が点滅している。
　まさか、さっきの遠吠えで仲間を呼んだんじゃないだろうな。
　オレの悪い予感が的中するかのように、獣道の脇、樹の影からぞろぞろと狼の様な魔物が出てきた。
　枝の上から飛び降りる魔物。
　よく見ると数本の樹に、魔物か動物の爪痕があった。
　どの魔物も涎を垂らし、オレに鋭い牙を向けて威嚇して吠えている。
　嫌な目だぜ、どいつも同じ様な面してやがる。仲間でオレを狩るつもりか？
　オレはまだ十一なんだぞ。こんなとこで、魔物の餌になりたくねぇ。
　オレは魔物を見回しながら走り、心の中で愚痴を吐く。
　その時、オレは獣道に転がっていた小石につまずき、片足が派手に上がる。
「どわっ」
オレは間抜けな声を出してしまった。
　オレの身体は、ぬかるんだ地面に倒れそうになる。
　その時、オレの左隣を走っていた達のネロが右手を伸ばして腕をつかみ止めてくれた。
ネロは、学園の友達で、2年ほど前に知り合った。趣味は、武器開発となんとも物騒なやつだ。まあこいつがいたお陰で、容易に森にこれたので強くは言えない。
｢わりぃな」
　オレは頭の後ろを掻いた。

　ネロは俺の台詞をスルーし、その場から一歩も動かず魔物を窺い辺りを見回している。
　ネロは何やらデジタル腕時計のボタンを弄り、黒縁メガネのレンズに魔物の立体映像が表示された。
　立体映像表示された魔物は回転して、何やら数秒後に黒いシルエットに変わり赤く点滅している。
　オレは頭の後ろで手を組んで、ネロの様子を黙って見ていた。
ネロは首を横に振る。
「ダメだな、こいつらの正体がわからない」
ネロはオレに振り向いて簡潔に答えた。
ちっ.まずい。
こいつら、オレが小石につまずいた隙にオレたちを囲いやがった。
オレたちを囲んだ魔物は、すぐに襲おうとはせず遠くでオレたちの様子を窺っている。
　オレは舌打ちして、斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかける。
オレは斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかけたその時だった。
戦おうとするオレにネロは手で制する。
「よせ。下手に動いて奴らを刺激するな。｣
　ネロは掌をオレに向けて、オレに警告する。それにたいし俺は、
｢ざけんな!ここで俺はまだ死にたくねぇ!｣
俺は、声を大にしていう。
｢弱エ癖に下手に出るんじゃねぇ!被害が俺にも来るだろうが!｣
そうネロは自己中な男である、まあそういう俺もだが、
｢そんなんお前でなんとかしろよ!｣
｢わかんねぇやつだな!俺の策はお前が突っ込むとできねぇんだよ！｣
魔物たちはそんないい争いを見て笑うように吠えてくる。くそが!
　魔物に警戒しながら、魔物を刺激しないように体制を低くし、慎重に動きながら辺りを見回す。
　オレは後退るうちにネロの背中とぶつかり、ネロと背中合わせになる。
　オレは深呼吸して落ち着きを取り戻し、姿勢を正してネロに振り向く。
「こいつらなんなんだ？　アルガスタに魔物がいるなんて聞いたことねぇぞ」
アルガスタとは、４つの大陸の北西に位置し、世界有数の自然を有する科学王国である。中でも禁断の森通称ヘルヘイムでは、魔物出るかもしれないという伝承がある、
ちなみにそこに入るには国の許可証が必要である。
すいませんヘルヘイムは某仮面ライダーから丸パクリです。
オレは斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかけたまま、ネロに訊く。
「わからない..もしかしたら、ヘルヘイムに棲んでいる新種の魔物かもしれない」
　ネロは黒縁メガネの鼻のフレームを、人差指と中指で挟んで持ち上げた。
　ネロの黒縁メガネのレンズには、魔物の黒いシルエットが回転して赤く点滅している。
　その時、ネロの左耳に装着しているインカムに、幼馴染のミサから無線が入る。やっとか!こういうとき
ミサは本当たよりになる。
「ネロ、どうする？　囲まれちゃったわよ？」
｢なに、魔物数体に囲まれた程度でやられる俺たちじゃないのはこの前も証明したはずだ。｣
とネロは強気で返す。
ネロのインカム越しから、ノイズ交じりで幼馴染のミサの暢気な声が聞こえる。
｢おいまずいぞ!さっきより近づいてきてる!｣
腹を空かしているのか、魔物たちがじりじりとオレたちとの距離を縮める。

あとがき
誤って全部消してしまい今また１から書き直しておりマスゥゥゥウ5月14日までには全部復旧させれるようにがんばります、、
ああもうこんどからぜったいにめもで下書きする。