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Lascivious Trap
淫欲~後編
しおりを挟むとても心地よい空間に浮かんでいた。
まるでぬるま湯に浮かんでいるかのような心地よい感覚。
夢見心地とはまさにこのことか。
しばらくそんな感覚を感じていると、
徐々に身体中が熱くなるのを感じた。
そして周りから羽毛のようなものがどんどん飛んでくると、
やがて身体中を覆いつくした。
不思議と恐怖感はない。
なにか安心すら覚える。
また少し時間が経つと、
脳裏になにかが浮かんでくる。
ゆっくりと形になってきた
そのイメージは女性のようだった。
髪の毛の色は茶色だろうか?長さは肩にかかるぐらいか。
とても小さな顔で、少し釣り目の美しい女性だった。
徐々に全身が鮮明になってくる。
そしてはっきり見えてくると、
見るからに大きく形のよい胸がまず確認できた。
そして、くびれがはっきりわかる腰回り、
ボリュームたっぷりのお尻、すらりと長い脚。
まさにこんな女性になりたいというイメージそのものだった。
「ふふふ、そういう姿が理想なのね。」
どこからかそんな声がした。
そう、これが理想。なりたい姿。
自然とそんな言葉が浮かんだ。
「わかったわ。じゃ、ゆっくり作り変えてあげるからね。
もう一回おやすみなさい」
その言葉が聞こえると同時に意識が遠くなっていった。
朝日が窓から部屋に差し込んでくる。
ベッドの上にある大きな白い卵に光があたる。
「さて、そろそろいいかしら?」
ベッドの片隅にいた淫魔がそうつぶやく。
「そろそろ生まれていらっしゃい。私の妹ちゃん」
淫魔はそう言うと両手を卵にやさしくあてがうと、
目を閉じ、なにかブツブツと言葉発した。
しばらくすると卵が再び七色に輝き始めた。
そして、殻にヒビが入っていく。
ヒビ割れが全体にひろがっていくと、
やがて殻がバラバラと割れ落ちては消えていく。
「うまくいったわね。さぁ、目覚めなさい」
すっかり殻が消滅すると、
卵の中から一人の女性が現れた。
「うっ、う~~ん。よく寝た」
なんだ??女性の声がする?
俺は起きたばかりで違和感を感じる。
「おはよう。どう?女性になった気分は?」
なんだ?どういうことだ?
女性になった!?
自分の手を見てみると。
自分の手とは思えないスラリとした指が見える。
次に目に飛び込んできたのは、
視界に入るはずがない大きな胸。
どうやら本当に女性になってしまったようだ。
淫魔はクスリと微笑みを浮かべながらこう言った。
「厳密には女性というか淫魔になった。というほうが正解かしら?」
淫魔になった?人間ではないということか?
「あらあら、なんだか怖い顔してるわね。
ちゃんと説明するから落ち着いて」
そう言われてすぐに落ち着ける状況ではない。
「まず、あなたが女性になりたいと願ったわよね?
それであの紋章を身体に貼り付けた。
そして私の封印が解けてここにいる。
ここまではいいわよね?」
コクリと頷いた。
「そして、あなたが女性になりたいと願ったから、
私があなたから力をわけてもらって、
そして、あなたを作り変えた。ということよ」
しかし、なぜ人間ではなく淫魔なのかと改めて聞いた。
「そうねぇ。まぁ、簡単に言うとそれしかできないから
っていうとわかるかしら?
私たち淫魔はこうやって仲間を増やすことしかできないんだもん」
随意と滅茶苦茶な理論だなと呆れてしまった。
では、もう元に戻ることはできないのか?と聞いてみる。
「もう戻すことはできないわ。
そして、いまは人間のときの意識が残ってるけど、
まもなく与えられた本能があなたを飲み込んでいくわ。
そして、あなたの身体に淫欲を注入すれば、
立派な淫魔に生まれ変わるわ」
ここでひとつひっかかった。淫欲を注入とはなんだ?
「それはねぇ、もうしばらくしたらわかるわよ」
なにか徐々に胸がドキドキしてくる。
なんともいえない昂ぶりを感じ始めていた。
「さて、そろそろ淫魔の本能が目覚めてくるはずなんだけど、
意外と意思が強いのかしら?
気分はどう?なんかこうムラムラしない?」
どう言われてやっと自分の感覚を自覚した。
そう、発情し始めているのだ。
身体の奥底からなんとも言えない気持ちよさというか、
言葉にならない煮え切らない感情が膨れ上がっているのがわかる。
この感情を隠してもしょうがないので素直にそのまま伝えた。
「あら?いいわね。もう少しね。
そういえば私の名前を教えてなかったわね。
私の名前はメア。あなたのお姉ちゃんよ」
その名前とお姉ちゃんという言葉を聞いた瞬間、
なにかドクンと衝動を感じた。
下腹部からなにか溢れんばかりに
ゾワゾワとした強い感覚が生まれてくる。
そして、いままで感じたことのない快楽が全身に溢れてくる。
「あっ、やっとはじまったかしら。じゃ、仕上げをしてあげなきゃね」
もう起き上がっていることができない。
ベッドの上で横になり、自然と股を開いてしまう。
そして、どんどんと溢れでる快楽に
身体が支配されていくのが自覚できる。
そうか、これが女性の快楽というものなのか?
うっすらとそう考えるのが限界だった。
そして、メアがゆっくりと近づいてくる。
ぼんやりと見える視界にはあるはずがないものが見えている。
メアの股間に大きくそそり立つアレがあるのだ。
「ふふ、淫魔はね、もう一人の淫魔を生み出したときにだけ
これが生えてくるのよ。
そして、身体の中に淫欲をたっぷり注ぎ込むことで
その淫魔を自分のものにできるのよ」
メアはそう言って、迷うことなく液体が溢れる出る、
できたばかりの俺のアソコに大きくなったアレを挿入してくる。
内側からえぐられるような感覚とともに、
脳が溶けるような快楽が襲ってくる。
そのままメアが乱暴に出し入れをはじめると、
その快楽はどんどんと強くなっていった。
しばらくすると、自然と出したこともないような
高い声の喘ぎ声をあげている自分がいた。
「ふふふ、カワイイわよ?もっと喘ぎなさい。
そして私のものになってしまいなさい!!」
その声を聞きいてすぐに前の前が真っ白になった。
なにかとても心地よい感覚に包まれた。
しかし、すぐにまた快楽が体の奥底から溢れ出てくる。
メアがフィニッシュに向かって激しく動きはじめたのだ。
「もう、なんて締め付けよ!!
これじゃ我慢できないじゃない!!
さて、出すわよ!!!」
もうなにも考えることなどできなかった。
ただこの快楽に身をゆだねていたい。
それだけを願っている自分がいた。
「すごいわ。さぁ、受け入れなさい!あぁぁぁ!!!」
自分の中で一段と膨らんだアレが
弾けるようになにかを放出するのを感じた。
それが身体の奥に注ぎ込まれると、
染み渡るように全身に幸福感が広がっていく。
そして、その幸福感がゆっくりと自分を包み込んでいく。
「ふぅ、初めてやったけど、これはかなりクセになるわね。
気持ちよすぎるわよ。」
メアはそう言うとゆっくりとアレを抜いた。
俺は放心状態になっていた。
しばらくするとなにかが脳裏に浮かぶ。
小さな頃の自分の姿だ。その少年は徐々に成長していく。
なんだか愛おしいような懐かしいような
不思議な感覚が湧き上がってくる。
いつしか、成長した少年は青年となり、
昨日の自分にたどり着いた。
昨日の自分と目があう。
そして、昨日の自分はニヤリと微笑みを浮かべると、
こちらに向かって手を振りながら遠くへと消えていく。
光の向こうへ自分が消えていくと今度は光の中から、
夢でみた女性が現れた。
そして、その女性がこちらへ飛び込んできた。
そのまま女性と自分が一体になっていくのを感じた。
「さて、もう起きなさい?」
メアはそういって体を支えるように起こした。
そして、耳元でこう言った。
「そうね。名前はユリアにしようかしら?
ユリア、おはよう♪ お姉ちゃんよ?」
なんとも言えない優しい声が聞こえた。
なんだか長い夢を見ていたようだった。
目を開けると光が飛び込む。
そして、そこに一人の女性が目に飛び込んだ。
あっ、姉さんだ。すぐにわかった。
「起きた?ユリア大丈夫?」
ユリア?私はユリア?
「そうよ。あなたは私の妹のユリア。忘れていたの?」
そうだ。私はユリア。メア姉さんの妹。
そうだった。なんで忘れていたのだろう?
「ふふ、いい子ね。さて、じゃあ今日も栄養を集めにいこうか?
起きたばかりだから少し休んでからにしようか?」
姉さんはいつも優しい。
私は本当に幸せだわ。
「ふふ、やっと本能を書き換えられたようね。」
メアはニヤリと微笑みを浮かべた。
もちろん、私がそんなことに気が付くことはないけれども。
どうだろう?俺が淫魔になった話は面白かったか?
しかし、もう話を続けることはできないようだ。
もう、俺のすべてが淫魔の本能に飲み込まれてしまうからな。
この話を読んだヤツは決して安易に怪しいものに手を出さないことだ。
最後にそれを忠告しておく。
じゃあな。時間切れのようだ。
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