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secret club
chapter.9 first time
しおりを挟むひょんなことから入会することになった
「secret club」というなんとも不思議な場所に立っている。
新薬と言われて飲んでみた薬の効果で、
本当に男の身体に変わってしまった。
同時に男としての本能であったり、
振舞い方や記憶のようなものまで認識できていた。
なるほど。本当にこれはすごいな。
言葉遣いも自然とそれっぽくなるから不思議なものだ。
黒服の男が暗闇の道を先導してくれる。
なにやら大きな部屋の扉の前まで案内されると、
仮面のようなものをつけるよう促される。
こういうのも秘密パーティーのようでゾクゾクするものだ。
籠の中に入っているもののなかから、
目元を隠す小さなものをチョイスして顔に装着する。
それを確認した黒服にさぁ、
どうぞと大きな扉をあけて部屋に案内される。
そこは大きなシャンデリアがいくつも吊るされているが、
部屋全体は薄暗い感じ印象だ。
ここまで案内してくれた黒服が耳元で時間はだいたい1時間半ぐらい、
その間は自由に過ごしてよいと教えてくれる。
バーカウンターでの飲み物も自由に飲んでいいということだ。
ありがとうと声をかけてまずは教えてもらったバーカウンターへ向かう。
その道すがら周りを見渡すと仮面をつけた男女がキスをしていたり、
これから行為を始めようとしている様子が目に飛び込んでくる。
また、奥のほうでは行為の真っ最中という男女も見える。
それらを目にするたびに心臓がドクドクと音を立てるのがわかる。
同時にさきほど触ったときはフニャフニャだったアレに
血液が流れ込み徐々に硬くなっていくのが感じられる。
なるほど。これが男が興奮するということか。
男性としての振る舞いや記憶に飲み込まれそうになるが、
なんとか元の自分の感覚を維持しながらそんなことを考えてみる。
バーカウンターにたどり着くころにはさて、どの女とやってみようかな?
と自然と考えている自分に気が付いた。
とはいえ、せっかく酒がタダだといわれたので、
バーカウンターでスタッフにジントニックを注文した。
こういう酒の趣味は変わらないものだなと妙な納得をする。
バーカウンターのハイチェアに座りながらジントニックを待つ。
すぐにスタッフがどうぞと差し出してくれる。
ありがとうとお礼を言い、それを口にする。
いつも飲んでいるはずの味なのになにか感じ方が違う。
これも性別の違いによるものだろうか?
ちょっとしたことも面白くなってくるものだ。
そうして少し酒を飲んでいると横に一人の女性が座ってくる。
横あいてますか?と聞いてくるので空いていると答えると、
その女性もバーカウンターのスタッフに同じものを注文する。
ジントニックが好きのか聞いてみたが、
なんとなくとはぐらかされる。
よくよく見てみるとなかなか見事な胸の谷間が目に飛び込む。
同時に全体によい肉付きで身体の中から
なんとも言えない興奮が湧き上がってくるのがわかる。
もちろん股間は触らずともカチカチになっているのはいうまでもない。
女性にもジントニックが届くと乾杯しましょと言われたので、
グラスを持ち上げて乾杯する。
ロンググラスを口元にもっていき少しづつ飲むその姿はとてもセクシーだった。
初めて男として過ごす時間であることもあり、
もうセックスがしたいという衝動を抑えることができなかった。
女性に今日はじめてだと正直に話して、
よかったらどう?と誘ってみる。
女性はいいですとニコリと微笑む。
その顔をみたらときに自然とキスをしていた。
これが最初に呼び出した男の所作というものがやっていることなのだなと、
自分自身にこれからどうしたらいい?と聞いてみると、
自然とこの後どうしたらいいかが浮かんできては、
自分自身に流れ込むのがわかる。
しばらくキスをして口を離す。
じゃ、いこうかと声をかけて部屋の奥にあるソファールームへと女性と二人で歩き出す。
こうして男性としての初めてのセックスを行うことになるのだ。
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