退屈令嬢のフィクサーな日々

ユウキ

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エレノアの聴取

「あのとき…授業の後メイナード様と他国のダンスステップの違いについて、少しお話しししました。
 お別れをした後、大階段を横切って連絡通路に向かう際に、オーガスティン様に呼び止められて…
 その…違うとは思うのですけれど…
『メイナードは私が好き』『望まれて選ばれるのは私』『模擬夜会も誘われている』『あなたは邪魔をしている』と言ったことを言い募られて…」
「そんな事はあり得ない!」


 必死な表情でエレノアに迫るメイナードの肩に、優しく触れて押し留めると、メイナードとしっかり目を合わせて優しく微笑む。


「ええ。私、メイを信じておりますもの。何か誤解があるのかと思い、距離を取ろうとしたのですが、オーガスティン様に詰め寄られて。
 あの方、急に叫び声を上げて手を。
 そうしたらいつの間にか…体が投げ出され…」


 目をギュッと瞑ったエレノアだが、メイナードの肩に触れたままの手から震えが伝わる。必死に耐える様子のエレノアの手を、メイナードはそっと包み込んだ。


「信じてくれてありがとう。嬉しいよ」
「メイ……あの、何か誤解があったのだと思いますの。害そうだなんて、きっとそんな恐ろしい事お考えでは無かったと…思いますわ。ですからどうか厳罰だけは…」
「エリー…!君はなんて慈悲深いんだ…!」


 メイナードは感銘を受けた様に、手を引き寄せて、優しく包み込む様にエレノアを抱きしめた。
 エレノアは恥ずかしげに身動ぎしたが、メイナードへもたれる様に身体を預けた。


「私たちは高位貴族ですもの。
 最悪の場合一家郎党処刑と言う重い罰もあり得ますわ。同じ学園に通う生徒同士、そのような恐ろしい事……避けられるならば避けとうございます。
 彼女から悪様に言われようと、寛大な処置を願いますわ」


 腕の中からメイナードを見上げ、淡く微笑むエレノアは、どこか悲しげに見えた。


 そうしているうちに準備が整ったようで、エレノアは屋敷から馬車と共に駆けつけた侍女に手を借りながら屋敷へと帰っていった。
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