可愛い姉・美人な妹

ユウキ

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可愛い姉と、私

学園とは儲かって顔を繋ぐ所?

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 私も勉強が始まり、マナーも見れるようになってきて、教師に「まぁ、いいでしょう」と言われた頃、私は母と二人で色んなお茶会に連れ回された。
 行く先々で私を自慢しまくる母にこっそりため息をつき、まだ終わらないかなと時間が過ぎるのを待つばかり。

 たまに姉も一緒に出るお茶会は、心から楽しんだ。
 身内が集まるお茶会では、母の親族らしく、母の言葉をそのまま信じて、姉を侮って悪戯に貶める人が多かった。

 しかし、姉はそんな言葉に凹んだりめげたりせず、綺麗に打ち返す。


「ご忠告いたみいりますわ。
 まだ若輩の身なれば、皆様の御高説、有り難く拝聴させていただきます」


 流れるように綺麗にそう言い放つと、姉が教師に「素晴らしいです!」と褒められていた優雅なカーテシーをして見せる。
 私は「うちの姉様世界一!!」と内心で身悶えながら、もう姉しか視界に入れずに見つめていると、いつの間にか話していた人はいなくなっていた。
 フンっと鼻を鳴らした姉の腕に、堪らず抱きついた。


 姉が学園に通うようになると、机に向かう時間が多くなった。
 私も来年からだと思うと、いつも姉に助けられている私はやって行けるのだろうかと不安になり、机に向かう姉の傍で尋ねた。


「お姉様、お勉強大変なの?私、大丈夫かしら」
「ああ、うん。大丈夫よ。これは下準備。
 もうすぐ1つ目が纏まるの。ふふふ……これを元手に……ふふふふふ」


 なんだかよく分からなかったけど、姉が大丈夫と言うのだから大丈夫なのだろう。
 なんか怖いけど。


 姉が“3つ目”に取り掛かった頃、姉に学園の様子を聞いてみた。
 後半年もしたら、私も姉と同じ学園に行く。
 そう思うとちょっとワクワクしていた。


「そうねぇ、そこそこ儲かるし有意義だわ」
「え?儲かる?有意義?」


 目を丸くする私に、姉は顔を上げて微笑んだ。


「学園は勉強第一だけど、それだけじゃないの。色んな人と知り合って、顔を売るのも大事なの」
「顔を売る……?ふぅん?」


 自分の顔をペチペチと叩く姉。私も顔をサワサワと触って取り敢えず頷く。


「お姉様、お友達がたくさん出来ましたの?」
「んー、お友達は少ないわね。
 きっとクラスでは、たまに本の話をする人と、図書室で話す人くらいかな。
 それ以外は、お互い知っていることを交換するような、友人と言うより…………知人?」

「んーそっか、難しいのね?」
「そうね、私は目標があるからね」


 にっこり微笑んだ姉は、また机に向かった。
 学園とは、そんなに難しいものなのかと、ちょっと身構えた。
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