可愛い姉・美人な妹

ユウキ

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サイドストーリー フレディ奮闘記

一番言いたかったのは

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今日、やっとアマンダ+αが帰国する。
長かった、本当に長かった~!


今日と明日の連休をもぎ取り、前日に残業をしてまで突発的な呼び出しすら可能性すら潰してきた。


『秘書官並びに先輩方。権利を行使して明日明後日、休暇を頂き不在となります。二日間に予測される案件については粗方準備しておきましたが、これ以外はご自身で考えるなりしてください。では皆様よろしくお願いします』


まだ残業する気でいた面々に、そう言い放って呆気に取られた隙をついて帰宅した。

そして現在、僕は降車時刻よりも随分早い時間から駅のホームに立ち、今か今かと待ち続けている。


真っ先に何を話そう?


アマンダがいない間に、彼女を慕う後輩(※もちろん女子)が何人か入った事?

侍女長が彼女を上級侍女にとラブコールを送ったけど、ベルガイト侯爵が般若の如く顔を歪めて「やらん!」と一言で突っぱねた事かな?

それとも、伯爵が真実を知って即座に夫人との離縁に踏み切った事だろうか?


いや、きっと笑顔で帰ってくる彼女達には無粋かもしれないな。


見つめる先に、黒い車体が小さく見える。

真っ直ぐ白い煙を上げ、高く力強い声を響かせて走る姿はあっという間に大きくなって、僕の佇むホームへと滑り込んできた。

駅員の安全確認やら作業やら終わると、車体から様々な人が緩やかに流れ出てくる。

中流向け車両の開かれた扉を見つめていると、待ち焦がれていた姿がやっと現れる。


「アマンダ!」


僕の声が聞こえたのか、足元を気にしてたアマンダはパッと顔を上げると満面の笑顔でその瞳に僕を映して、唇が「先輩」と形作る。

側まで駆け寄りながら、僕は何を話そうとして居たのか、用意した話題が全て吹っ飛んでいった。


百ある面白おかしい話題よりも、僕の言いたかった言葉は──




「お帰り、二人ともっ」



この一言だけ。やっと言えた!
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