41 / 59
ブートなキャンプはハードですわ
しおりを挟む
お父様に言われて渋々……じゃないけれど、先に手紙を書いて出し、翌日から辺境伯王都邸へと向かった。
「こちらでお待ちください」
身体を鍛えている事が伝わる執事さんに案内されたそこは、庭へと直接出られる一室だった。
大きなテラス窓が開放感あって気持ち良いなと思っていると、何やら外が騒がしく感じた。
テラス窓から外の庭に目をやると、遠くで騒いでいる人たちがいるのが見えた。
メイドが「宜しければどうぞ」と窓を開放してくれて外に出ると、音が一層大きく聞こえた。
「ぁ…………あぁっ!!もっっもうむりっ、僕の身体は繊細なんだっ」
「まだまだ。これくらいでバテてないで起きろ、続きをするぞ」
「ひっっひぃぃっ、貴様は悪魔か?!」
大魔王だと思うわよ。と心の中で付け加えていると、背後の気配を感じたらしいオーウェンが、一瞬で背負っていたどす黒いオーラを霧散させて、輝かんばかりの笑顔で振り向いた。
「アデレイズそこで待ってろ、今行く!
あ、ハイデリウスはそのまま走り込み続行な。監視員は左右と後ろ。容赦はいらん」
「ひぃぃぃっ、あ、アデレイズ!お前助けっ」
「追加5周な」
そうして私の元へと駆け寄ってきたオーウェンは、一緒に鍛えていたのか、軽く汗をかいていて、使用人から受け取ったタオルで拭っていた。
後ろでヒィヒィ言っている殿下との対比がすごい。
汗が爽やかに輝くオーウェンが、とても頼もしく見えるわ。
………………オーウェンってばやっぱりカッコいいわよねぇ。
そんな事をふと思うと、面映くなって直視できなかった。
「ご機嫌よう、オーウェン様。ところでアレが昨日言っていたブートキャンプですの?」
「あぁ、辺境軍の新兵訓練だ。一応客室与えている分上等な方だ」
「ふうん?普通は違うの?」
「通常なら森で野営だな」
ブートキャンプって、どうやらお外で楽しくお泊まり会では無さそうね。と澄ました顔の下で考えていると、オーウェンは私の手を取って邸内へと招き入れる。
「せっかくだから、この屋敷を案内しよう」
「ありがとう、でも着替えが先じゃないかしら?」
「そうだな。とりあえず上階へあがろう」
通常は家族のみが立ち入れるプライベートフロアに、簡単に行こうと言うオーウェンの顔をまじまじと見つめると、「婚約者だろ」と、嬉しそうにはにかんだ。
間近で微笑むオーウェンに、私は頬が勝手に熱くなる。手を引かれているせいで隠せない。
私は不自然に顔を背けるしかなかった。
「こちらでお待ちください」
身体を鍛えている事が伝わる執事さんに案内されたそこは、庭へと直接出られる一室だった。
大きなテラス窓が開放感あって気持ち良いなと思っていると、何やら外が騒がしく感じた。
テラス窓から外の庭に目をやると、遠くで騒いでいる人たちがいるのが見えた。
メイドが「宜しければどうぞ」と窓を開放してくれて外に出ると、音が一層大きく聞こえた。
「ぁ…………あぁっ!!もっっもうむりっ、僕の身体は繊細なんだっ」
「まだまだ。これくらいでバテてないで起きろ、続きをするぞ」
「ひっっひぃぃっ、貴様は悪魔か?!」
大魔王だと思うわよ。と心の中で付け加えていると、背後の気配を感じたらしいオーウェンが、一瞬で背負っていたどす黒いオーラを霧散させて、輝かんばかりの笑顔で振り向いた。
「アデレイズそこで待ってろ、今行く!
あ、ハイデリウスはそのまま走り込み続行な。監視員は左右と後ろ。容赦はいらん」
「ひぃぃぃっ、あ、アデレイズ!お前助けっ」
「追加5周な」
そうして私の元へと駆け寄ってきたオーウェンは、一緒に鍛えていたのか、軽く汗をかいていて、使用人から受け取ったタオルで拭っていた。
後ろでヒィヒィ言っている殿下との対比がすごい。
汗が爽やかに輝くオーウェンが、とても頼もしく見えるわ。
………………オーウェンってばやっぱりカッコいいわよねぇ。
そんな事をふと思うと、面映くなって直視できなかった。
「ご機嫌よう、オーウェン様。ところでアレが昨日言っていたブートキャンプですの?」
「あぁ、辺境軍の新兵訓練だ。一応客室与えている分上等な方だ」
「ふうん?普通は違うの?」
「通常なら森で野営だな」
ブートキャンプって、どうやらお外で楽しくお泊まり会では無さそうね。と澄ました顔の下で考えていると、オーウェンは私の手を取って邸内へと招き入れる。
「せっかくだから、この屋敷を案内しよう」
「ありがとう、でも着替えが先じゃないかしら?」
「そうだな。とりあえず上階へあがろう」
通常は家族のみが立ち入れるプライベートフロアに、簡単に行こうと言うオーウェンの顔をまじまじと見つめると、「婚約者だろ」と、嬉しそうにはにかんだ。
間近で微笑むオーウェンに、私は頬が勝手に熱くなる。手を引かれているせいで隠せない。
私は不自然に顔を背けるしかなかった。
124
あなたにおすすめの小説
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
はじめまして、旦那様。離婚はいつになさいます?
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
「はじめてお目にかかります。……旦那様」
「……あぁ、君がアグリア、か」
「それで……、離縁はいつになさいます?」
領地の未来を守るため、同じく子爵家の次男で軍人のシオンと期間限定の契約婚をした貧乏貴族令嬢アグリア。
両家の顔合わせなし、婚礼なし、一切の付き合いもなし。それどころかシオン本人とすら一度も顔を合わせることなく結婚したアグリアだったが、長らく戦地へと行っていたシオンと初対面することになった。
帰ってきたその日、アグリアは約束通り離縁を申し出たのだが――。
形だけの結婚をしたはずのふたりは、愛で結ばれた本物の夫婦になれるのか。
★HOTランキング最高2位をいただきました! ありがとうございます!
※書き上げ済みなので完結保証。他サイトでも掲載中です。
家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
『悪役令嬢は、二度目の人生で無言を貫く。~処刑回避のために黙っていただけなのに、なぜか冷徹宰相様から「君こそ運命の人だ」と溺愛さています~』
放浪人
恋愛
「もう、余計なことは喋りません(処刑されたくないので!)」
王太子の婚約者エリスは、無実の罪を着せられた際、必死に弁解しようと叫び散らした結果「見苦しい」と断罪され、処刑されてしまった。 死に戻った彼女は悟る。「口は災いの元。二度目の人生は、何があっても口を閉ざして生き延びよう」と。
しかし、断罪の場で恐怖のあまり沈黙を貫いた結果、その姿は「弁解せず耐え忍ぶ高潔な令嬢」として称賛されてしまう。 さらに、人間嫌いの冷徹宰相クラウスに「私の静寂を理解する唯一の女性」と盛大な勘違いをされ、求婚されてしまい……!?
「君の沈黙は、愛の肯定だね?」(違います、怖くて固まっているだけです!) 「この国の危機を、一目で見抜くとは」(ただ臭かったから鼻を押さえただけです!)
怯えて黙っているだけの元悪役令嬢と、彼女の沈黙を「深遠な知性」と解釈して溺愛する最強宰相。 転生ヒロインの妨害も、隣国の陰謀も、全て「無言」で解決(?)していく、すれ違いロマンティック・コメディ! 最後はちゃんと言葉で愛を伝えて、最高のハッピーエンドを迎えます。
わたしを捨てた騎士様の末路
夜桜
恋愛
令嬢エレナは、騎士フレンと婚約を交わしていた。
ある日、フレンはエレナに婚約破棄を言い渡す。その意外な理由にエレナは冷静に対処した。フレンの行動は全て筒抜けだったのだ。
※連載
教養が足りない、ですって
たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリーゼは、公爵家の長男アレクシスとの婚約披露宴で突然婚約破棄される。理由は「教養が足りず、公爵夫人として恥ずかしい」。社交界の人々の嘲笑の中、エリーゼは静かに会場を去る。
(完結)だったら、そちらと結婚したらいいでしょう?
青空一夏
恋愛
エレノアは美しく気高い公爵令嬢。彼女が婚約者に選んだのは、誰もが驚く相手――冴えない平民のデラノだった。太っていて吹き出物だらけ、クラスメイトにバカにされるような彼だったが、エレノアはそんなデラノに同情し、彼を変えようと決意する。
エレノアの尽力により、デラノは見違えるほど格好良く変身し、学園の女子たちから憧れの存在となる。彼女の用意した特別な食事や、励ましの言葉に支えられ、自信をつけたデラノ。しかし、彼の心は次第に傲慢に変わっていく・・・・・・
エレノアの献身を忘れ、身分の差にあぐらをかきはじめるデラノ。そんな彼に待っていたのは・・・・・・
※異世界、ゆるふわ設定。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる