婚約破棄されてイラッときたから、目についた男に婚約申し込んだら、幼馴染だった件

ユウキ

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ブートなキャンプはハードですわ

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お父様に言われて渋々……じゃないけれど、先に手紙を書いて出し、翌日から辺境伯王都邸へと向かった。


「こちらでお待ちください」


身体を鍛えている事が伝わる執事さんに案内されたそこは、庭へと直接出られる一室だった。

大きなテラス窓が開放感あって気持ち良いなと思っていると、何やら外が騒がしく感じた。


テラス窓から外の庭に目をやると、遠くで騒いでいる人たちがいるのが見えた。

メイドが「宜しければどうぞ」と窓を開放してくれて外に出ると、音が一層大きく聞こえた。


「ぁ…………あぁっ!!もっっもうむりっ、僕の身体は繊細なんだっ」

「まだまだ。これくらいでバテてないで起きろ、続きをするぞ」

「ひっっひぃぃっ、貴様は悪魔か?!」



大魔王だと思うわよ。と心の中で付け加えていると、背後の気配を感じたらしいオーウェンが、一瞬で背負っていたどす黒いオーラを霧散させて、輝かんばかりの笑顔で振り向いた。


「アデレイズそこで待ってろ、今行く!
あ、ハイデリウスはそのまま走り込み続行な。監視員は左右と後ろ。容赦はいらん」

「ひぃぃぃっ、あ、アデレイズ!お前助けっ」

「追加5周な」


そうして私の元へと駆け寄ってきたオーウェンは、一緒に鍛えていたのか、軽く汗をかいていて、使用人から受け取ったタオルで拭っていた。

後ろでヒィヒィ言っている殿下との対比がすごい。
汗が爽やかに輝くオーウェンが、とても頼もしく見えるわ。


………………オーウェンってばやっぱりカッコいいわよねぇ。


そんな事をふと思うと、面映くなって直視できなかった。


「ご機嫌よう、オーウェン様。ところでアレが昨日言っていたブートキャンプですの?」

「あぁ、辺境軍の新兵訓練ブートキャンプだ。一応客室与えている分上等な方だ」

「ふうん?普通は違うの?」

「通常なら森で野営だな」


ブートキャンプって、どうやらお外で楽しくお泊まり会では無さそうね。と澄ました顔の下で考えていると、オーウェンは私の手を取って邸内へと招き入れる。


「せっかくだから、この屋敷を案内しよう」

「ありがとう、でも着替えが先じゃないかしら?」

「そうだな。とりあえず上階プライベートフロアへあがろう」


通常は家族のみが立ち入れるプライベートフロアに、簡単に行こうと言うオーウェンの顔をまじまじと見つめると、「婚約者だろ」と、嬉しそうにはにかんだ。


間近で微笑むオーウェンに、私は頬が勝手に熱くなる。手を引かれているせいで隠せない。


私は不自然に顔を背けるしかなかった。
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