その令嬢は祈りを捧げる

ユウキ

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祈りの行方

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一方天界にて。


「神様~、最近この願い玉だけ分けているのってなんか有るんですか~?」


 小間使いの天使が、神様の執務机の片隅に置かれた小さなカゴの中に入ったビー玉サイズの願い玉を突きながら、忙しそうに書類仕事に精を出す神様に尋ねた。


「うーーむ。それはの、とある敬虔な信徒がお祈りと一緒にあげてくれた願いなんじゃが……微妙な願いじゃから、間違っても“叶える”箱に入れんようにせんといかんのじゃよ」

「ふーーん?そうなんですね??じゃ廃棄処理しちゃいましょうか?」
「それはせんでいい」

「…理由をお聞きしても?」
「面白いからじゃ。たまに眺めて聴いて息抜きにしておる」

「成程」


 天使は神様の言葉に納得して、カゴを邪魔にならないように、より端へと移動させた。
 神様も書類仕事を進めるためにか、手元に視線を落として集中する。




 願い玉とは、人々が神へと願う想いが1つの玉となり、神へと日々届けられた物である。

 神はその玉を手にし、玉が囁く願いに耳を傾け、取捨選択していく。
 叶うべきと判断された願い玉は「叶える」と書かれた、底が淡く光る箱へ落とされる。落とされた玉は瞬時にその願いは現実へと反映されるのだ。

 叶えるに値しないとされた願いは、その場で神が浄化して光となって消える。

 しかし、ある令嬢の祈りと願いは、叶えるに値しないもののその内容や勢いが面白く、いたく気に入った神様は、小さな籠を作り出すとその中に収めていつでも見返せるようにと、書類仕事をする時用の机の上に置いたのだった。
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