その令嬢は祈りを捧げる

ユウキ

文字の大きさ
7 / 11

王子はぴょんぴょん飛びたい

しおりを挟む
 壇上で言葉を続けていたはずのフランクリンは、急にその場に蹲ると、うめき声をあげて悶絶した。

 会場中、急な破棄宣言と清廉な淑女と名高い女性の罪を暴くという急に振って湧いたスキャンダルにハッと息を飲んで成り行きを見ていたのだが、急な一時停止に皆揃って小首を傾げた。


「で、殿下っ大丈夫ですか?」
「フラン、やだ、此処はしっかりして」
「殿下、医師は必要か?」


 壇上では、脇から3人の男女が駆け寄り、フランクリンの丸まった背中をさすったり、痛みにキュッとなった顔を覗き込んでは怪我がどうかと確認している。
 しかし、その間で会場はシラーっとしているし、エイディアーナは扇子の影でバッチリ見えている醜態に、笑いを噛み殺している。


「だ、大丈夫。今は医師はいい。此処でとどめを刺さないと。続けよう」


 若干ひょっこりと片足を引きながら立ち上がったフランクリンは、震えた声でちょっと涙目のままエイディアーナをキッと睨みつけた。


「だから、こ、婚約破棄だ!」
「それはもうお聞きしましたわ。えっと、イジメ…でしたかしら?私、身に覚えがございませんが」


 あまりの白けぶりに、思わずエイディアーナが話を進めようとフォローを入れてしまった。


「そんな、エイディアーナさん、私は謝ってくれたら許そうと思っていたのに!」


 真っ先に乗って来たのは、見た目可憐な少女だ。
 淡い桃色のドレスをはためかせながら、フランクリンの腕にしがみつき……というか支え?ながらエイディアーナの言葉を遮った。
しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

【完結】婚約破棄させた本当の黒幕は?

山葵
恋愛
「お前との婚約は破棄させて貰うっ!!」 「お義姉樣、ごめんなさい。ミアがいけないの…。お義姉様の婚約者と知りながらカイン様を好きになる気持ちが抑えられなくて…ごめんなさい。」 「そう、貴方達…」 「お義姉様は、どうか泣かないで下さい。激怒しているのも分かりますが、怒鳴らないで。こんな所で泣き喚けばお姉様の立場が悪くなりますよ?」 あぁわざわざパーティー会場で婚約破棄したのは、私の立場を貶める為だったのね。 悪いと言いながら、怯えた様に私の元婚約者に縋り付き、カインが見えない様に私を蔑み嘲笑う義妹。 本当に強かな悪女だ。 けれどね、私は貴女の期待通りにならないのよ♪

【完結】傲慢にも程がある~淑女は愛と誇りを賭けて勘違い夫に復讐する~

Ao
恋愛
由緒ある伯爵家の令嬢エレノアは、愛する夫アルベールと結婚して三年。幸せな日々を送る彼女だったが、ある日、夫に長年の愛人セシルがいることを知ってしまう。 さらに、アルベールは自身が伯爵位を継いだことで傲慢になり、愛人を邸宅に迎え入れ、エレノアの部屋を与える暴挙に出る。 挙句の果てに、エレノアには「お飾り」として伯爵家の実務をこなさせ、愛人のセシルを実質の伯爵夫人として扱おうとする始末。 深い悲しみと激しい屈辱に震えるエレノアだが、淑女としての誇りが彼女を立ち上がらせる。 彼女は社交界での人脈と、持ち前の知略を駆使し、アルベールとセシルを追い詰める貴族らしい復讐を誓うのであった。

従姉と結婚するとおっしゃるけれど、彼女にも婚約者はいるんですよ? まあ、いいですけど。

チカフジ ユキ
恋愛
ヴィオレッタはとある理由で、侯爵令息のフランツと婚約した。 しかし、そのフランツは従姉である子爵令嬢アメリアの事ばかり優遇し優先する。 アメリアもまたフランツがまるで自分の婚約者のように振る舞っていた。 目的のために婚約だったので、特別ヴィオレッタは気にしていなかったが、アメリアにも婚約者がいるので、そちらに睨まれないために窘めると、それから関係が悪化。 フランツは、アメリアとの関係について口をだすヴィオレッタを疎ましく思い、アメリアは気に食わない婚約者の事を口に出すヴィオレッタを嫌い、ことあるごとにフランツとの関係にマウントをとって来る。 そんな二人に辟易としながら過ごした一年後、そこで二人は盛大にやらかしてくれた。

あなたに何されたって驚かない

こもろう
恋愛
相手の方が爵位が下で、幼馴染で、気心が知れている。 そりゃあ、愛のない結婚相手には申し分ないわよね。 そんな訳で、私ことサラ・リーンシー男爵令嬢はブレンダン・カモローノ伯爵子息の婚約者になった。

未来予知できる王太子妃は断罪返しを開始します

もるだ
恋愛
未来で起こる出来事が分かるクラーラは、王宮で開催されるパーティーの会場で大好きな婚約者──ルーカス王太子殿下から謀反を企てたと断罪される。王太子妃を狙うマリアに嵌められたと予知したクラーラは、断罪返しを開始する!

【短編】婚約者に虐げられ続けた完璧令嬢は自身で白薔薇を赤く染めた

砂礫レキ
恋愛
オーレリア・ベルジュ公爵令嬢。 彼女は生まれた頃から王妃となることを決められていた。 その為血の滲むような努力をして完璧な淑女として振舞っている。 けれど婚約者であるアラン王子はそれを上辺だけの見せかけだと否定し続けた。 つまらない女、笑っていればいいと思っている。俺には全部分かっている。 会う度そんなことを言われ、何を言っても不機嫌になる王子にオーレリアの心は次第に不安定になっていく。 そんなある日、突然城の庭に呼びつけられたオーレリア。 戸惑う彼女に婚約者はいつもの台詞を言う。 「そうやって笑ってればいいと思って、俺は全部分かっているんだからな」 理不尽な言葉に傷つくオーレリアの目に咲き誇る白薔薇が飛び込んでくる。 今日がその日なのかもしれない。 そう庭に置かれたテーブルの上にあるものを発見して公爵令嬢は思う。 それは閃きに近いものだった。

断罪された薔薇の話

倉真朔
恋愛
悪名高きロザリンドの断罪後、奇妙な病気にかかってしまった第二王子のルカ。そんなこと知るよしもなく、皇太子カイルと彼の婚約者のマーガレットはルカに元気になってもらおうと奮闘する。  ルカの切ない想いを誰が受け止めてくれるだろうか。  とても切ない物語です。  この作品は、カクヨム、小説家になろうにも掲載中。   

【完結済み】婚約破棄したのはあなたでしょう

水垣するめ
恋愛
公爵令嬢のマリア・クレイヤは第一王子のマティス・ジェレミーと婚約していた。 しかしある日マティスは「真実の愛に目覚めた」と一方的にマリアとの婚約を破棄した。 マティスの新しい婚約者は庶民の娘のアンリエットだった。 マティスは最初こそ上機嫌だったが、段々とアンリエットは顔こそ良いが、頭は悪くなんの取り柄もないことに気づいていく。 そしてアンリエットに辟易したマティスはマリアとの婚約を結び直そうとする。 しかしマリアは第二王子のロマン・ジェレミーと新しく婚約を結び直していた。 怒り狂ったマティスはマリアに罵詈雑言を投げかける。 そんなマティスに怒ったロマンは国王からの書状を叩きつける。 そこに書かれていた内容にマティスは顔を青ざめさせ……

処理中です...