第十一隊の日々

来条恵夢

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五章

事件のこと 3

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「うわー、これが噂の? へえ、見てくれはただの鳥だねえ。これで成鳥?」
 第一部三課からウタをつれて戻ると、アラタは、面白がるように近寄ってきた。ウタが思い切り警戒しているというのにおかまいなしだ。
 アラタの方が断然階級が高いだけに無下むげにもできず、ルカは入り口付近で硬直した。
 その間もウタの警戒度は上がり、今や、声も上げずにぴたりとルカに身を寄せる。その小さなぬくもりに、わずかに我に帰る。
「あの」
「うん?」
「ウタのことをご存知なのですか?」
 アラタはまじまじとルカを見つめ、盛大に噴き出した。貼り付けたものでなく笑み崩れると、雰囲気がソウヤそっくりになる。そのソウヤは、アラタが来てからというもの、笑みが消えて仏頂面か無表情を保っている。
 正直、みんなの呆気にとられた視線が痛い。
「いやあ、もう、十一隊面白すぎるね。どれだけの注目を集めてるか、まったく自覚ないんだねえ」
「――ああ。そうですね」
 妖異ヨウイの混じる人間は、団内にはリツとルカの他にも二人いる。だが、人外で協力関係にあるものはほぼ皆無だ。意識の基本が元の生き物であれ妖異であれ、人の常識が伝わらず、意思疎通自体が困難というのが通説だ。
 ウタの存在は、そこに一石を投じた。
 まだ兵団ヘイダンの建物の外へ出ることこそ認められていないが、建物内での行動はほぼ許されている。その前には様々な検査や実験を行い、それに合格した上で先日の行動が認められたからこそ――まずは人に敵対しないと判断されたからこそ、今こうして一緒にいられる。
 注目するなというほうが無理だ。そのことを失念しているとは、なるほど、笑われても仕方がない。
「そうだよ。力を持つなら、相応の覚悟と振る舞いをしてもらわないと、周りが冷や冷やする」
「力、ですか」 
 ふっと浮いた笑みを、ルカは即座に打ち消した。代わりに、当たりさわりのない笑顔をつくる。
「認識不足でした。以後、注意します」
 軽い敬礼を向け、自席へと戻る。ちらりとリツを見ると、にやりと笑っていた。
 アラタは一瞬、きょを突かれたように立ち尽くしたが、肩をすくめてソファーに座った。机の空き具合でいけばアラタの席はルカの隣になるはずだが、誰もそのことに触れようとはしなかった。
 妙な空気のわだかまりを破ったのは電話のベルで、わずかの差でヒシカワが受話器を持ち上げ、短いやり取りの後で眉を寄せた。困惑したようにリツを見ると、相手に断って送話口をふさぎ、改めてリツを見た。
「リツ隊長――」
「ん? 三部三から呼び出しか? 査問は済んだと思ったけど」
「いえ、一部一から協力要請なのですが――ウタを、と言っています」
「は?」
 何の冗談かと一同の視線がヒシカワに集中したが、当人はいよいよ困り顔になる。
 リツがとりあえず歩み寄って受話器を受け取り、今度はリツに注目が集まる。姿勢のいい立ち姿が、舞台役者のようだ。
「もしもし、替わり――なんだあんたか。――何寝言ねごといってんだ? ウタは外出せねーぞ、館内のみって――何やってんだよ。つーか、役に立つのかわからんぞ。――ああ、すぐ行く」
 短いため息とともに受話器を下ろし、集まった視線を意識してか、リツは苦笑を浮かべた。
「ルカ、ウタ、行くぞ。一部一の手伝いだ。えー…ソウヤ、あと頼む。要請あったら適当に判断しといて」
「はい」
「リ隊長、今のは何の連絡だったんです?」
 にこやかに笑み、アラタが立ち上がっている。
 リツは顔をしかめたが、振り向いたときにはとりあえず消し去っていた。
「調べていた妖異が透明になれるのに気づかず、一人と一体を一緒に閉じ込めてしまったとのことです。人の方だけ出そうにも、開けた途端に透明なのが出てこないとは限らないから、ウタに眠らせてもらえないか、との要請です。フワ少将、あなたはとりあえずフワ一佐の指揮下に入ってください。階級はフワ少将の方が上ですが、十一隊にいるつもりなら従ってください。いいですね?」
「階級で言うなら、そもそもソウヤの方があなたよりも上でしょう、リ隊長。心得ているよ」
 おどけるように両手を上げるアラタの前を通り、リツはルカの肩を叩いて一足先に部屋を出た。ルカも、とりあえずソウヤらに一礼して後を追う。
 リツは、待ってはいなかったが走るほどもなく追いつけた。歩きながら、アラタの目を気にしてかきっちりと着込んでいた隊服を、いつものように崩しにかかる。
「隊長」
「ん? 内容はさっき言った通りだぜ。とりあえずウタに歌ってもらうだけだ」
「はい。あの――先ほど、リ隊長と呼ばれてませんでしたか?」
「ああ。知らないのか、俺の正式名はリ・ツってことになってる」
「――はい?」
 取り分け気になったわけでもなく間を持たせるために持ち出した疑問だったが、あっさりと返って来たリツの返答がよくわからない。
 リツは、ルカと目を合わせるとにっと笑った。
「リ、が苗字で、ツ、が名だ」
 ぽかんと見つめると、悪童のようにけらけらと笑う。
「ほら俺、拾われて名はもらったけど苗字なんてなくってさ。おっさんとこで世話見てくれるってなったときに養子の話出たしそーでなくてもニシダって名乗っていいって言われてんだけど、なんか違くてな。リとツで出したら通っちゃった」
 ちゃった、って。
「いやー、リって姓はあるけどさ、ツなんて名は聞いたことねーぞ。びっくりだよな」
「…それで、ご本名は?」
「リツだよ。言ったろ、ってことになってる、って」
 いいんですかそれ、とルカは思うが口にはせずにおいた。通ってしまっているということはもうそれでいいのだろう。それ以前にルカは、リツの名も気にしていなかった自分に呆れる。たしかに、みんなが下の名しか呼ばないとは思っていたが。
 気が抜けて、そうして、笑いが込み上げてきた。
 はじめは小さかったそれが徐々に大きくなり、止まらなくなってしまう。ついには立ち止まり、壁に寄りかかる。それでも、治まるのにはしばらくかかった。
 どうにか落ち着いて謝ろうと顔を上げかけたところで、頭に手が置かれる。かき回すように乱暴に撫でられた。
「た、隊長?」
「事務のいい加減も役に立つもんだ。なあルカ、笑っとけ。妙な因縁だとか重い身の上だとかあったところで、暗いかおしてていいことなんてねーよ。笑ったからっていいことがあるかはわかんねーけど、俺はそっちのが好きだぜ。なあ、ウタ?」
「ぴ」
 ルカの生い立ちを知るはずのないウタまでが、楽しげにルカの頬まで飛び上がる。
 ルカは、弛みかけた涙腺に、慌てて瞬きを繰り返す。そうして、笑いすぎて出ていた涙と一緒に、乱暴にぬぐい取った。
「お時間を取らせました。すみません、行きましょう。――ありがとうございます」
「だーからかしこまらなくていいってのに」
 ぼやくように口にするが、ルカは、リツが顔を背ける前に、その頬がうっすらと赤く染まっていたのを目にしていた。嬉しさに、体が温まったような気分になる。
 そんな風になごやかに廊下を歩いていた二人は、だが、名指しでの館内放送に顔を見合わせることになった。一部三課が、至急にと二人を呼んでいる。
「何か、急変したんでしょうか」
「さっきはのんびしりたもんだったけどなー。何やったんだか」
 言って、リツは走り出した。狭い建物内のことなのでほめられたことではないが、ルカも、肩に乗ったウタが落ちないように隊服の中へ入れ、後に続く。
 地下の目的地までの道すがら、何人にも驚いたように見られたが、走るな、と一喝されたときでさえリツが立ち止まらないのだから、ルカも、心の中でだけ短く謝ってすませた。
 幸い、誰にぶつかることもなくたどり着く。
「十一隊リツ二佐とキラ準尉、到着しましたっ、開けるぞっ」
 略式で名乗りを上げ、二人は――笑い転げる中年男の姿に、目を丸くした。
 第一部一課は、妖異の研究を行っている。そのため、二人が足を踏み込んだ部屋には色々なものが積み上げられているのだが、何より、入り口真正面の割れにくい透明板を埋め込まれた部屋に目がいく。
 男が一人、その向こうで笑い転げている。
「――何やってんだ、マジマの親父?」
「リツ先輩っ、待ってました早く何とかしてくださいっ、マジマさんが死んじゃいますっ」
「お、おお…?」
 珍しくリツが気圧けおされ、目が泳ぐ。ルカもびっくりしたが、注目がリツに集まっている分が気が楽で、周囲を見るだけの余裕もある。
 部屋の左右も別の部屋に繋がっているのだろう扉があるが、とりあえずは無視しておいていいのだろう。
 そこでようやく、男が笑い続けているのに声が聞こえないことに気づく。
「あの、向こうの部屋には、こちらの音は届かないんですか?」
 部屋の隅の、それなりに落ち着いていそうな男に声をかける。男は、今ルカに気づいたようなかおをした。
「あ? ああ、話できるんだけどな、今つなぐとマジマの笑い声がなあ…早く何とかしてくれ」
「はい。隊長!」
「ん?」
「歌ってもらう前に、中と話が出来るようにしてもらって、出てもらわないと…」
「ああ、そうだな」
 ようやく我に返ったように、リツは居合わせた面々に指示を出す。途端に響き渡った笑い声はやはり異様だが、どうしようもない。
「ルカ、出るぞ」
「えっ、でも自分は」
「阿呆っ、わざわざ教えてやんなくていーんだよっ」
「あ」
 小声でリツに叱り飛ばされて、ウタの歌声に耐性があると知らせる必要はないのだと気づく。ウタに少し歌ってから待つよう言い聞かせ、ルカも廊下に出た。
「先輩、上手くいくんでしょうかっ」
「大丈夫じゃね? ってか、マジマの親父何してんの? 何のうっかり?」
 学生時代の知り合いだろうかと、リツと、まだ若い女性隊員のやり取りを聞くでもなく聞き流していると、ひょいと襟首をつかまれた。
「えっ?!」
「なあなあ兄ちゃん、この後どーすんのよこれ?」
 見れば、先ほど声をかけた男だ。ソウヤと同じくらいの年齢だろう。その後ろには四、五人ほど、そろってくたびれた白衣を着た男たちがひしめいている。他には数人が所在無げに立ったり座り込んだりで、この十人ちょっとが居合わせた面子らしい。
 ルカはリツを見たが、何やら話が弾んでいるようで声をかけ辛い。
「ええと…マジマさん、ですか? その方も妖異も眠ってしまうので、マジマさんだけ連れ出せばいいと…」
「カメレオンどーすんだよ?」
「カメレオン?」
 妖異に名付けていたのかと首を傾げると、ん? と、男もルカを真似るように首を傾げた。
「聞いてねーのか?」
「はあ…何の妖異かとかは、まったく」
「えっ、それさ、あの鳥って歌って眠らせたんだろ? 耳のないヤツとかだったら意味なくね?」
「ああ、それは――。あの、ウタ、ってさっきの鳥ですけど、こちらで検査を受けているはずですが…?」
 後方の男たちはむっとしたような空気を漂わせたが、もっぱらルカと話している男は、無精ひげに手をやりながら、あっけらかんと笑った。
「そりゃー他の班の仕事だろ。俺ら六班はどーでもいいよーなのしか回ってこねーんだわ。で、続きは?」
「あ、えっと、はい。妖異の取り込んだものが何であれ、妖異自体は生き物のようなんです」
「あーそうだね、うん。え? それで聞こえるって理屈?」
「そうらしいです。全く聴力のない妖異がいるのかどうか、自分にはわかりませんが、今のところはどれにも利いたようです」
 実技試験の日に逃げ出し、ルカとスガが捕らえたあの死肉妖異にも利いたのかどうか。それは、あの妖異が処分されてしまってわかりはしないのだが。
「へえ。そんなものよくも、野放しにしたもんだ」
「え?」
 男は何故か、ルカをしげしげと見た。居心地が悪くて身じろぎすると、にっと笑う。悪巧みをするような笑みに、いくらか腰が引けた。
「お前、妖異に名前つけてんの?」
「悪いですか」
「いんやあ?」
 つい反抗的に返してしまったルカを、男はにんまりと笑って迎え撃ち、その後ろの男たちが少しざわついた。
「俺はハシバ・ケイ。お前は?」
「キラ・ルカ準尉です」
「よしルカ、路頭に迷ったらうちに来な」
 何を言い出すのかと、つい視線が厳しくなる。ハシバはそれを笑って受け流し、何故か後ろの男たちが歓声を上げた。野太いそれに、何事かと困惑してしまう。次々に握手まで求められ、いよいよわけがわからない。
「こらケイ、何俺の部下誘惑してんだ」
 いつの間にかリツが隣に並び、笑い混じりにハシバを睨みつけている。リツの後輩らしい女も一緒だ。
「もー班長、気に入った人見つけるとすぐそれなんだからー。ちょっとは自重してくださいー」
「いーだろ、人材集めが趣味なんだからよ」
「それならソウヤ誘えよ、同期だろ」
「あんな厄介なの要らんよ。お前よく手懐てなづけたよなあ」
「は? 俺何もしてねーよ。人徳だろ、人徳」
「そーいや聞いたぜ、兄貴が乗り込んできたんだって?」
「もう知れ渡ってんのかよ」
「そんだけ目ぇつけられてんだよ、お前んとこは。もっと大人しくしときゃーいいのに、隊長自ら突っ走るからなー」
 癖のあるやり取りを聞きながら、ルカはふと不安に駆られる。まさか、兵団ヘイダンでは変人でないとやっていけないということはないよなあと、馬鹿なことを考えてしまった。
 何にしても、やれることをやっていくしかないのだが。
「隊長、そろそろ」
「ん、おし。念のため、俺たちだけで…なんだよケイ?」
 子どものように手を上げられ、リツが胡散臭そうにハシバを見遣る。が、相手は至って真顔だった。
「おれの机の上に色水置いてあっから、マジマごとあっちの部屋ん中にぶっかけといてくれるか?」
「はあ? …あー。妖異に色つけよーってハラか。俺はいーけど、後片付け大変じゃねーの?」
「そんなの、こいつらがやるし」
「はんちょー!」
 野太い悲鳴が重なる。仲がいいのだと思うと、妙に微笑ましい。
 リツもそんな面々を楽しそうに見ていたが、ふと、気づいたようにルカを見た。にっと笑う。
「ルカ、行くか」
「はい」
 この人について行こうと、このとき何故か強く、ルカは決意を新たにした。
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