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一話.始
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誰かが言った。
僕は神から見放された存在だと。
僕は悪魔の子なのだと。
小さな村で生まれた僕は、生まれた瞬間から"忌み子"だった。
その理由はあまりにも単純で、あまりにも残酷だ。
──僕には、魔力がなかった。
その事実だけで、世界は僕を拒んだのだ。
よく覚えている。
四年前。
十を超えれば誰もが火花のひとつくらいは灯せる──母はそう言った。
実際、同年代の子どもたちは指先から光を生み、風を操り、笑い合っていた。
その輪の中で、魔力の欠片も感じられないのは僕だけだった。
僕には出来なかった。火花どころか、空気ひとつ揺れない。
母は不安を隠しきれず、僕の手を強く握って村の病院へ連れて行った。その手の震えだけが、今も鮮明に思い出せる。
診断はすぐに終わった。
『魔力なし』
その事実だけがその場に残った。
初めて見る症状だと村医者は言っていた。
母は必死だった。
医者の曇った表情を前に、何度も首を振り、涙声で「嘘よ」と繰り返した。
その声は、祈りにも悲鳴にも聞こえた。
あの光景は忘れられない。
母のあの絶望した表情は、今も僕の脳裏に焼き付いて離れない。
街に降りるのは簡単なことではない。街まで護衛してもらうにも金がかかるし、街の診療にも金が必要だ。
僕たち家族には、そんな経済的な余裕はなかった。
そしてその出来事を皮切りに、僕の人生は変わり果ててしまった。
まず変化したのは母親だった。いつもにこにこと笑っていた母はいつしか笑わなくなり、不愛想だった父とよく揉めるようになった。
近所の人たちの陰口に、母の心は蝕まれていった。怪しげな薬や胡散臭い壺を買ってくるようになり、明らかに様子がおかしくなっていった。
次に壊れたのは、友人関係だった。
昨日まで一緒に笑っていた連中は、今日には指差して笑う側に回っていた。ましてや僕の大好きだったあの子でさえ、怯えたように目を逸らした。
その視線が、何よりも痛かった。
村の中を歩いているだけで、まるで珍しい生物でも見ているかのようにひそひそと話し始める。
僕の白い髪は悪魔の象徴なんだとか、魔力がないのは神から見放されたからだとか。
耐えられなかった。母が壊れていく様を見るのも、友人だと思っていた者たちに裏切られるのも。
いつからだろう。
外の光が、僕には遠いものになったのは。
母は「外は危ない」と言った。
でも本当は──僕が外に出ることを、周りの目が許さなかった。
家は安全ではなく、ただの檻だった。
僕自身も心が折れてしまい、家から出たいと思うこともなくなっていた。
それからというもの、夜になると耳元で囁く声が蘇る。
『悪魔の子だ』
『追い出したほうがいいんじゃないか?』
『気持ち悪い』
『何で産まれてきたんでしょうね?』
暗闇の中で、誰の声でもない"村そのもの"が僕を責め立てた。
どうして自分がこんな目に遭わなければならないのか。何回も何回も何回も考えたが、結論に辿り着けるわけもなく、ただ虚しさだけがそこに残る。
魔力がないというだけで、僕は生活のすべてを奪われた。
鍵ひとつ閉められない。
水も出せない。
火も起こせない。
風呂にも入れず、トイレすら流せない。
魔力がないというだけで──僕は人としての当たり前を許されなかった。
そして何かを頼む度に母の顔が歪み、また涙を流す。
もう限界だった。
そんなある夜、あまり寝つけなかった僕が何となく自室を出ようとしたとき、声が聞こえた。
「もう限界よ……これ以上はもう持たないわ……」
母の声だ。
震え、擦れ、今にも消えそうな──聞いたことのない声だった。
相手はおそらく父だろう。
いつも無愛想で無口な父は何も言い返さなかったようで、母はそのまま話を続けた。
「──街にある教会に説明したら保護してくれたりしないかしら……それが無理ならもう……」
もう……なんだというのだろうか。
いや、わかっている。
僕を捨てるつもりなんだ。邪魔者である僕がいなくなれば、きっと母は喜ぶ。
心では理解したつもりでも、目頭が熱くなってくるのがわかった。
結局僕は邪魔者で、母の負担になってしまっているのだと。
朝を迎える。
結局一睡もできなかった僕は、重い瞼をこすりながらベッドから出て食卓へと向かう。
しかし、自分の部屋を出るといつもとは違う重たい雰囲気が漂っていることに気づいた。
料理は並んでいる。父と母も席に座っているが、その顔は下を向いている。
「……座りなさい」
母の声は暗く、重い。
夜、父と母が話していた内容を思い出す。おそらくその話を僕にするつもりなんだろう。
あまりにも……早すぎる結論だと思った。
「もういいよ……母さん……」
「座りなさい」
「僕は邪魔者なんだってはっきりわかった……!」
「はやく座りなさいっ!」
「僕が邪魔ならはっきり言ってよッ! 僕は教会に行ってまで生きたくなんかないよッ!! いつもそうやって勝手に話を進めて僕の気持ちなんて一切聞かなくてッ!!」
「なっ、昨日の話聞いて……!?」
母は顔を上げて驚愕の表情を浮かべていた。話す言葉がないものの、必死に何か言葉を捻り出そうとして口をパクパクさせている。
これまで我慢してきた感情が決壊し、僕自身も何を言っているのか分からなかった。
当然、デタラメに出した言葉で気持ちが晴れることなく、とうとう僕は言い放ってしまう。
「もういい。こんな村、僕から出ていってやる」
「ちょ、ちょっと! どこ行くの!?」
僕の名前を叫ぶ声が聞こえた。
それでも僕は止まらなかった。
玄関を飛び出し、久しく見ていなかった村を走る。
母の叫びが背中に刺さる。
村人たちの視線が肌を焼く。
かつての友人が僕の背中を笑っているような気がした。
それでも構わなかった。
あの家に、あの村に、もう僕の居場所はない。ただ森に向かってひたすらに走り続けた。
足が悲鳴を上げているが気にせず走った。
村の外は危険だと口酸っぱく言われていた。
でも、今はただ──この自由に心が高鳴っていたんだ。
この先、地獄を見ることになるとは知らずに。
僕は神から見放された存在だと。
僕は悪魔の子なのだと。
小さな村で生まれた僕は、生まれた瞬間から"忌み子"だった。
その理由はあまりにも単純で、あまりにも残酷だ。
──僕には、魔力がなかった。
その事実だけで、世界は僕を拒んだのだ。
よく覚えている。
四年前。
十を超えれば誰もが火花のひとつくらいは灯せる──母はそう言った。
実際、同年代の子どもたちは指先から光を生み、風を操り、笑い合っていた。
その輪の中で、魔力の欠片も感じられないのは僕だけだった。
僕には出来なかった。火花どころか、空気ひとつ揺れない。
母は不安を隠しきれず、僕の手を強く握って村の病院へ連れて行った。その手の震えだけが、今も鮮明に思い出せる。
診断はすぐに終わった。
『魔力なし』
その事実だけがその場に残った。
初めて見る症状だと村医者は言っていた。
母は必死だった。
医者の曇った表情を前に、何度も首を振り、涙声で「嘘よ」と繰り返した。
その声は、祈りにも悲鳴にも聞こえた。
あの光景は忘れられない。
母のあの絶望した表情は、今も僕の脳裏に焼き付いて離れない。
街に降りるのは簡単なことではない。街まで護衛してもらうにも金がかかるし、街の診療にも金が必要だ。
僕たち家族には、そんな経済的な余裕はなかった。
そしてその出来事を皮切りに、僕の人生は変わり果ててしまった。
まず変化したのは母親だった。いつもにこにこと笑っていた母はいつしか笑わなくなり、不愛想だった父とよく揉めるようになった。
近所の人たちの陰口に、母の心は蝕まれていった。怪しげな薬や胡散臭い壺を買ってくるようになり、明らかに様子がおかしくなっていった。
次に壊れたのは、友人関係だった。
昨日まで一緒に笑っていた連中は、今日には指差して笑う側に回っていた。ましてや僕の大好きだったあの子でさえ、怯えたように目を逸らした。
その視線が、何よりも痛かった。
村の中を歩いているだけで、まるで珍しい生物でも見ているかのようにひそひそと話し始める。
僕の白い髪は悪魔の象徴なんだとか、魔力がないのは神から見放されたからだとか。
耐えられなかった。母が壊れていく様を見るのも、友人だと思っていた者たちに裏切られるのも。
いつからだろう。
外の光が、僕には遠いものになったのは。
母は「外は危ない」と言った。
でも本当は──僕が外に出ることを、周りの目が許さなかった。
家は安全ではなく、ただの檻だった。
僕自身も心が折れてしまい、家から出たいと思うこともなくなっていた。
それからというもの、夜になると耳元で囁く声が蘇る。
『悪魔の子だ』
『追い出したほうがいいんじゃないか?』
『気持ち悪い』
『何で産まれてきたんでしょうね?』
暗闇の中で、誰の声でもない"村そのもの"が僕を責め立てた。
どうして自分がこんな目に遭わなければならないのか。何回も何回も何回も考えたが、結論に辿り着けるわけもなく、ただ虚しさだけがそこに残る。
魔力がないというだけで、僕は生活のすべてを奪われた。
鍵ひとつ閉められない。
水も出せない。
火も起こせない。
風呂にも入れず、トイレすら流せない。
魔力がないというだけで──僕は人としての当たり前を許されなかった。
そして何かを頼む度に母の顔が歪み、また涙を流す。
もう限界だった。
そんなある夜、あまり寝つけなかった僕が何となく自室を出ようとしたとき、声が聞こえた。
「もう限界よ……これ以上はもう持たないわ……」
母の声だ。
震え、擦れ、今にも消えそうな──聞いたことのない声だった。
相手はおそらく父だろう。
いつも無愛想で無口な父は何も言い返さなかったようで、母はそのまま話を続けた。
「──街にある教会に説明したら保護してくれたりしないかしら……それが無理ならもう……」
もう……なんだというのだろうか。
いや、わかっている。
僕を捨てるつもりなんだ。邪魔者である僕がいなくなれば、きっと母は喜ぶ。
心では理解したつもりでも、目頭が熱くなってくるのがわかった。
結局僕は邪魔者で、母の負担になってしまっているのだと。
朝を迎える。
結局一睡もできなかった僕は、重い瞼をこすりながらベッドから出て食卓へと向かう。
しかし、自分の部屋を出るといつもとは違う重たい雰囲気が漂っていることに気づいた。
料理は並んでいる。父と母も席に座っているが、その顔は下を向いている。
「……座りなさい」
母の声は暗く、重い。
夜、父と母が話していた内容を思い出す。おそらくその話を僕にするつもりなんだろう。
あまりにも……早すぎる結論だと思った。
「もういいよ……母さん……」
「座りなさい」
「僕は邪魔者なんだってはっきりわかった……!」
「はやく座りなさいっ!」
「僕が邪魔ならはっきり言ってよッ! 僕は教会に行ってまで生きたくなんかないよッ!! いつもそうやって勝手に話を進めて僕の気持ちなんて一切聞かなくてッ!!」
「なっ、昨日の話聞いて……!?」
母は顔を上げて驚愕の表情を浮かべていた。話す言葉がないものの、必死に何か言葉を捻り出そうとして口をパクパクさせている。
これまで我慢してきた感情が決壊し、僕自身も何を言っているのか分からなかった。
当然、デタラメに出した言葉で気持ちが晴れることなく、とうとう僕は言い放ってしまう。
「もういい。こんな村、僕から出ていってやる」
「ちょ、ちょっと! どこ行くの!?」
僕の名前を叫ぶ声が聞こえた。
それでも僕は止まらなかった。
玄関を飛び出し、久しく見ていなかった村を走る。
母の叫びが背中に刺さる。
村人たちの視線が肌を焼く。
かつての友人が僕の背中を笑っているような気がした。
それでも構わなかった。
あの家に、あの村に、もう僕の居場所はない。ただ森に向かってひたすらに走り続けた。
足が悲鳴を上げているが気にせず走った。
村の外は危険だと口酸っぱく言われていた。
でも、今はただ──この自由に心が高鳴っていたんだ。
この先、地獄を見ることになるとは知らずに。
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